【連続ブログ小説 第13話】 記憶にない? 1年7組のクラスメイトだった人に彼女の記憶がない? 私が忘れられていたのなら納得もしよう。そんな程度の存在だったのだ。もしも元男子たちが彼女のことを忘れていたとしても、まぁ、わからなくはない。けれ
ずいぶん寒くなってきたけど、今日散歩中、玄関先にセイロンベンケイソウを、いっぱい並べているお家を見つけた。画像以外にもたくさんあって、軽く10鉢はあったよな。これから寒さが増しても、全部室内に移動させるのは難しいんじゃないか?1年中、外に出
〇 〇 〇 キャンバスの前の男子の方は私が鍵を開けている時点で誰かが入ってくることは想定していたのだろう。身構えるようにこちらを向いていた。よそのクラスだが顔は何度か見たことがある。同じ1年生だと思った。「な、
プリンちゃんの母親、つまりぼくの娘が中学校を卒業する前だったから、もう数十年も前のことだけど、娘から相談を受けた。「韓国籍の友だちが卒業証書は西暦表記でもらいたいって言うのに、 先生たちは卒業証書は全て元号が当然だって言うねんて。 これって
【連続ブログ小説 第12話】「昔からの、そういうお友だちがいると心強いですわね」「そうですね。彼は唐突で酔狂で身勝手な私の問い合わせに全く質問を返すこともなく、真摯(しんし)に耳を傾けてくれました。ただ、彼は私が彼女の名前を出しても全く憶え
長居公園を歩いていたら、今日はチャリテイーマラソンの大会があるからか、こんなブースが出ていた。300円で鍼を打ってもらえるらしい。専門学校生だが、スタッフはみな高校生に見える。鍼なんか何十年も打ってもらってないな。効果を期待するというより、
〇 〇 〇 高校生活にも慣れ、周りを見るゆとりもできてきたころ、私はひとりの男子と出会った。ある日の放課後、担任の先生に頼まれ、美術室に本を返しに行ったときのことだった。 担任の先生が文芸部の顧問でもあったんだ
【連続ブログ小説 第11話】「彼女が転校したのかどうか、その後の消息がどうなのかなんて、別にどっちでもいい話だったんですけどね、何かが気になりだしたら頭にこびりついて離れないっていう経験、お嬢さんにはありますか?」「わかるような気はしますわ
眠れぬ夜、テレビを流してたら「JC・JK流行語大賞2020」というのをやっていた。普通の流行語大でさえ知らないものだらけなのに、JC・JKとなると全く知らないんだろうけど、連載中の最近作ではJKを主人公にしてるんだし、てか、じいさんのくせにJKのモノロ
自粛要請に逆らう訳じゃないけど、旅行を自粛したんだから、自転車で大阪市のはずれに飲みに行くくらいいいでしょ。今夜はいつもの沖縄居酒屋にカッペとふたりで行ってきた。長いおつきあいだけど、奥方は初のご来店。いつものように「はらぺこおまかせコース
〇 〇 〇 相変わらず祖父の部屋の私のお気に入りのスペース、それはつまり祖父のベッドの上だったのだけれど、私は自由に祖父の書棚から本を選び、そこに寝転がって読むのが好きだった。無意識のうちに祖父の匂いを味わいな
今夜、通天閣が初めて赤く染まったんだって。見に行きたいなぁ。自転車飛ばしたら15分だ。でもそれこそ不要不急の外出だし、それが今日自粛要請された。ま、そんなことと関係なく、この寒いのに出て行くほど酔狂じゃないけどね。大阪市長さん、えらく深刻な
10年前に、教員免許が更新制になった。10年に一度、指定講習を受けて合格しなければならない。ぼくは更新制の1期生だった。ということでぼくの免許は今年期限切れになり、更新しなければ教員免許を失う。「いつでも助っ人に来てもらえるように更新しとい
【連続ブログ小説 第10話】 そもそもあそこまで恋しかった彼女と最後はどうなったのか? つきあってもいないのだから別れることもないが、少なくとも周囲の冷やかしの的であり、ただのクラスメイトの関係というには少し親密過ぎた私たちが、一体どんなふ
プロのブリーダーに教えてもらって入手した、メダカの産卵床を水槽に入れたのは1週間前。楽しみにしてたんだけど、うちのメダカたちったら、1粒の卵も産み付けない。がっかり。相変わらず直接メダカのお腹から卵をつまみ取っている。何でかなぁ?ブリーダー
〇 〇 〇 別れを覚悟した祖父の、当時は思いも寄らなかった哀しみに私は涙を流していた。小説の作者はさまざまな趣向を凝らして人の心を引き寄せようとするものなのかもしれない。けれどもこのとき私が泣いたのはそういうこと
【連続ブログ小説 第9話】 卒業アルバムに彼女の名前がないという事実に直面して、私にはふと気づいたことがあった。そう言えば・・・・。 1年生のときあれだけ憧れた彼女の、2年生以降の記憶が全くないのだ。転校したという記憶ももちろんない。仮に2
〇 〇 〇「圭子さんはそっとぼくの肩に手を置いて、何かをお祈りするみたいに目を閉じてた。ほんの数秒のことだったんだろうけどね。身体中がかちんこちんになったようなふにゃふにゃになったような変な感じだったけど幸せだ
【連続ブログ小説 第8話】 卒業アルバムに彼女が載っていない。それは少なからぬ衝撃だった。「アルバムを見ると私たちの学年は全部で9クラスでした。私は一度1組から9組までページを繰ったんですけど、彼女がどこにも見当たらない。 そもそもアルバム
5日ぶりの登場、プリンちゃん。お昼過ぎ、成人式の前撮りを終えたセーナが駆けつけてくれて、1年ぶりの再会を喜んだんだけど、せっかくプロのカメラマンさんが一緒だったのに、カメラ嫌いのプリンちゃん、恥ずかしがって前を向かない。夕方、クリスマスツリ
〇 〇 〇 母と恋愛の話をしたことがある。母は私の男子に対するイメージを聞いて、「お母さんもいつも男子はあつくるうっといって思ってた」と笑った。「ロマンティックな初恋の思い出も特にないし、身を焦がすような恋愛も
【連続ブログ小説 第7話】 半世紀前の卒業アルバム、それはひどく懐かしい、濃い青の少しけばだったような布張りの冊子だった。まず孫娘は写真が全てモノクロであることに驚いた。そして私は卒業生の個人写真がないこと、クラスごとの集合写真さえ男女別々
うちのメダカたちは水草に卵を産み付けない。メダカをすくって直接魚体から採取しなければならない。そのことを質問したら、「これを浮かしておけば産み付けますよ」とお兄さん。おお、それは露天のおじいさんにも教えていただいた。でも、どこで売ってるのか
あてもなく町歩きをしてたら、こんなお店を見つけたのでお邪魔してみた。店内にはさまざまなメダカの水槽がいっぱい。「すみません。ちょっと教えていただきたいんですけど」感じのいいお兄さんが「ぼくでわかることなら何でも」で、あれこれ質問させてもらっ
あてもなく町歩きをしてたら、こんなお店を見つけたのでお邪魔してみた。店内にはさまざまなメダカの水槽がいっぱい。「すみません。ちょっと教えていただきたいんですけど」感じのいいお兄さんが「ぼくでわかることなら何でも」で、あれこれ質問させてもらっ
〇 〇 〇 「淋しい生き物たち」というタイトルが少し気にはなったけれど、ワクワクしながら読み始めた。何と言っても私や私の現実体験が作中に登場するのだ。「ねぇおじーちゃん、初恋ってあった?」 私のそのひと言から小
【連続ブログ小説 第6話】「初恋の彼女を病死させてしまう、あなたは多少罪深いことをなさったかもしれませんけど、それはあくまで創作ですもの。まさかそのことで未だに物思いに耽(ふけ)っておられたなんてことはありませんわね?」 奇妙な少女は、君は
もう5年生になっていたのか6年生だったのか定かではないのだけど、私の目には退院後の祖父がずっと普通に生活しているように映っていた。大人たちはそうではなかったかもしれないけれど、私は何も気にしていなかった。 祖父は私が書棚を眺めていると、「
【連続ブログ小説 第5話】 素人作家でも小説を書くならそれなりの形は整えたい。そこで私は平凡な私の初恋物語にドラマを差しはさむべく一計を案じ、初恋の女性を殺してしまったのだった。もちろん、物語の中での話だ。主人公の男の子(孫に聞かせているの
4週間ぶり、プリンちゃん登場。早速、先日はらぺこコンビからいただいたプレゼントを開けてみる。わあっ! 大好きなエルサのぬり絵!プリンちゃんはおじーちゃんの書く小説よりずっとファンが多いのだ。おやつのあと、お次の顔中笑顔は?これはぼくからのサ