原始仏典（ダンマパダなど）コミュの自分

自由訳ダンマパダ
第十二章『自分』

もし自分のことを大切に思っているのならば、自分をよく守っておきましょう。
若年・壮年・老年のどれかひとつの時期だけでもいいので、謙虚で気づきを怠らないようにしましょう。

まず自分が幸せになりましょう。
それから他人の幸せのためにもなることをしましょう。
自分がしっかりしていれば、あらゆることに煩わずに悩むことはなくなるでしょう。

他人に正しい生き方を教えるのなら、その通りに自分でも実践してください。
自ら正しい生き方を実践している人こそ、他人に正しい生き方を示すことができるのです。
自分を制することは本当に難しいことです。

自分は自分でしかありません。
他人はけっして自分ではありません。
自分を制することは自分が幸せになることにつながります。

自分で思った悪いことによって、自分で起こした悪いことによって、人は自分自身を打ち砕きます。まるでダイヤモンドが宝石を打ち砕くように。

自滅する人は、自分を憎んでいる人が自分にそうなって欲しいと思うようなことを、自分にしてしまいます。まるで沙羅の木が蔓草をまといつけて朽ち果てるように。

悪いこと、自分のためにならないことをして自滅するのは簡単なことです。
逆に善いこと、自分のためになることをして、平和に生きることは本当に難しいことです。

正しい生き方を実践している人を非難するようなことがあるのであれば、その悪い報いは確実に実ります。カッタカという草が果実を実らせた後に朽ちてしまうように、悪い報いを実らせた人は、確実に自分を滅ぼします。

悪いことをするのであれば、自分が傷ついていきます。
逆に悪いことをしないのであれば、幸せに生きることができるでしょう。
傷ついていくのも、幸せになるのも、自分の行ない次第なのです。
他人はけっして自分を幸せにすることはできません。

他人にとって、どれだけ大事なことであって、それを手伝いたいと思っても、
それによって自分が幸せになることを放棄してしまうようではいけません。
自分の本当の目的をよく理解して、
自分の幸せのために全力をつくしてください。