ファンドコミュの企業買収ファンド

企業買収ファンド

会社の価値、すなわち「企業価値」とはいったい何だろうか？
いくつかの考え方の中で代表的なものとして、「解散価値」と「市場価値」というものがある。

「解散価値」とは企業が営業を停止し、会社を解散した場合の価値である。
会社を解散すると会社の資産を売却し、債権者に弁済する。
つまり、工場や土地、机やパソコンなどの資産を売る。それらがいくらで売れるかは、時価次第である。

そうして手に入れたお金で負債を支払う。
（負債とは、銀行からの借金、取引先への支払い、従業員への給料など）
その結果、手元に残った金が「純資産」で、これを株主に株数に応じて分ける。

したがって、「解散価値」とは帳簿上の資産価格ではなく、時価ベースの資産価格で「時価純資産価額」とも言われる。

一方「市場価値」は、上場している企業の場合は、株式の時価総額が企業価値となる。

市場での時価総額と解散時価純資産額とが差が大きいと、買収対象になる。

親である会社が子会社の株式を持っている場合、子会社の株価が高いと、親会社のバランスシート上の帳簿価格より資産価値が大きい。ニッポン放送を買収すれば、安い金で大きい金（フジテレビ）を得ることができるということだ。

企業買収ファンドは、科学的分析と金融工学理論に基づいた「投資」である。

ニッポン放送を巡る「ライブドア」と「フジテレビ」の戦いで、本当に買ったのは、「サウス・イースタン・アセットマネジメント」というアメリカの年金基金ファンドである。利回り３０％超の１０２億円を手にしている。