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昭和の本が好き♪♪コミュの「ロシアについて」・・・司馬遼太郎(エッセイ)

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この本は、文庫のほんの260頁ほどの薄い本ですが、ロシアについて考察しながら、自国日本のありようを書いてある本です。

「この巨大な隣国をどう理解するか」・・・
ロシアに対して、深い関心を持ち続けてきた著者が、主に日露関係誌の中から鮮やかなロシア像を抽出し将来への道を模索・・・

「坂の上の雲」から「菜の花の沖」に至るまでの、十年ばかりの間「ロシア」と付き合ってきて、しばしば深刻な思いをした著者が感じた、いくばくかのことをつづった物であるが、それらを読んだ私にもロシアに興味を持った物として、大変興味深く読めた本です。

「雑談として」6より・・・
・明治末年から日本は変質した。戦勝によってロシアの満州における権益を相続したのである。がらにもなく、"植民地"をもつことによって、それに見合う規模の陸海軍をもたざるをえなくなった。"領土"と分不相応の大柄な軍隊をもったために、政治までが変質して行った。その総決算の一つが"満州"の大瓦解だった。この悲劇は、教訓として永久にわすれるべきではない。

・君子ハ為サザルアリ、ということばがあるが、国家がなすべきでないことは、他人の領地を合併していたずらに勢力の大を誇ろうとすることだろう。その巨大な領域に見合うだけの大規模な軍隊をもたねばならず、持てば兵員をたえず訓練し、おびただしい兵器を間断なくモデル・チェンジしてゆかねばならない。やがては過剰な軍備と軍人、あるいは軍事意識のために自家中毒をおこして、自国そのものが変質してしまうのである。たとえば、歴史の中の日本人というのは、貧しいながらもおだやかで、どこか貧乏に対してとぼけたところのある民族だと私は思っているのだが、重軍備をもったあとの近代史の中の日本人は、浅はかで猛々しくて、調べていてもやりきれないおもいがしてしまう。
 ロシアについても、おなじことがいえる。ソ連の自国のその面を感じつづけていたのは、たとえばアレクサンドル・イサエヴィチ・ソルジェニーツィンであるにちがいない。かれは、ロシアの領土はむかしの状態にもどるべきだ、という意味のことを書いている。広大な領土と、それをたえず防衛せねばならぬという緊張が内部の変質を生むのだ、というのが本旨だったように記憶している。

コメント(1)

「坂の上の雲」の総司令官クロパトキン。
「菜の花の沖」のゴローニンとか、女帝エカテリーナ・・

司馬さんのお陰で、中国の次にロシアに興味を持ちました。
作者は違いますが、井上靖さんの「おろしあ国酔夢譚」も、その一つです。

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