刀禰.刀祢.中禰.中祢さん集合!!コミュのこれまでの「刀禰」情報をまとめてみました。

このところ新しい情報が出てこないし、コミュに新しいメンバーが増えていますので、これまでの「刀禰」情報をまとめてみました。
とても長〜くなって恐縮です。m(__)m

■ 「刀禰」が歴史に登場するのは今のところ西暦700年頃の奈良時代。
「日本書紀」や「万葉集」にも「刀禰」の文字が出ています。

■ 奈良時代から平安時代の「刀禰」は今のところ名字ではなく、役職名の記述しか見当たりません。その役職は国の出先機関的で、土地売券・紛失状の保証事件の証明や報告、雑役の催促。中でも祭祀に大きな役割を果たしています。
http://diarynote.jp/d/69774/20050720.html


■ 平安時代の中期頃から、役職としての「刀禰」は国衙の官人というより、地域の有力者的な存在に変化して行きました。

■ 「刀禰」の役職名が歴史的に頻繁に登場する地域

・ 国衙（公領）支配が比較的残存する地域交通の要衝である地域
　例：和泉国、大島郡、和泉郡、日根郡

・有力神社の神領地域、
　例：伊勢神宮領　伊勢国・志摩国

・ 製塩地域、
　例：若狭国　若狭湾周辺

☆ここで考えられるのは、刀禰姓の発祥の一つは役職名を人々が「刀禰の○○さ〜ん！」と呼んでいる間に、刀禰になったという説です。これなら全国で自然発生的に刀禰姓が現れた事になります。

■ 「刀禰」が名字として出てくるのは西暦1000年頃の琵琶湖は近江の堅田湖族三家の「刀禰家」が今のところ最初です。湖族は水軍であり、琵琶湖の航行権利で財を成した豪族です。

吉川英治の「新平家物語・りんねの巻」には平家の平経正(平清盛の甥っ子で琵琶の名手)と仲が良かった、刀禰弾正介という刀禰家当主が登場しています。
http://www.papy.co.jp/act/books/1-25009/
http://www.wai2-kansai.com/leisure/shiga132.html

■ 「刀禰」と平家の関係は、平正盛とその息子の平忠盛(1096〜1153平清盛の父)が伊勢（現在の津市）を中心に海賊を捕らえたり日宋貿易を行い、莫大な富を築いて白河天皇の寵愛を受けました。

この時、水軍を束ねたのが役職「刀禰」です。刀禰の身内の伝承となっている、平家、水軍のルーツはどうもこのあたりにあるようです。刀禰が束ねた水軍、つまり「刀禰水軍」と考えても良いのではないでしょうか。

■ おそらく、源頼朝との決戦が必至となった平家一門に、伊勢の刀禰水軍と近江堅田の刀禰水軍が加勢して、一の谷の戦いから、屋島の戦い（現在の四国高松市）へと、転戦を重ねたのでしょう。

屋島の戦いで、源氏側についた熊野水軍、伊予水軍に苦戦した平家は、徐々に制海権を失っていきました。

■ そしてその時、1185年３月24日の「壇ノ浦の合戦」を迎えます。源氏の水軍は800艇で、平家の水軍は500艇だったとされています。この中に刀禰弾正介の率いる刀禰水軍もいたはずです。

平家はボロ負けして滅び、生き残りの兵、水軍は西国を中心に落ち延びました。
http://www.ffortune.net/social/history/nihon-kama/dannoura.htm

刀禰の身内の伝承となっている、「平家」「水軍」に「落ち武者」が加わったのはこの時です。

・山口県萩市の「平家7人伝説」の刀禰家の情報です。
http://www.pref.yamaguchi.jp/gyosei/chiiki/island/3osima.htm

☆私はすべての「刀禰」が「壇ノ浦の合戦」の落ち武者とは限らないと思います。先に書いた様に役職の「刀禰」がそのまま名字になった家系もあると考えるのは自然ではないでしょうか。

加えて、調べて行くうちに、現在「刀根」と呼ばれている中にも昔は「刀禰」であった地名も見つけています。利根川も「万葉集」では刀禰川と書かれている史実を見ても、「刀禰」の名前は奥が深そうです。

以上、これまで分かった事に、追加資料を加えてまとめました。若干の私見が入っているところは認めますし、湖族の「刀禰弾正介」は吉川英治の創作上の人物かもしれません。この辺は私が「湖族の郷資料館」に行って確かめます。
（まだ行けていません、スミマセン。 f(^_^;)　）

どうぞ、みなさんのいろんな意見や感想を聞かせて下さい。
この本文が長過ぎてスクロールがいちいち大変ですから、書き込み用の別トピックをたてますので、そちらにお願いします。