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半蔵門かきもの倶楽部コミュの第百四回 文芸部A 大邦将猛作 「脳内湖上の鬼、月に照らされ僕に問う。僕の文学論」

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「大邦、お前なんでモノを書いてんだよ」
「わかんない。書けてんのかどうかもわかんない。」
小人はいまも脳内にいる。
僕は頭が空っぽだ。
頭が悪いといってもいい。
脳みそは普通に考えて固体だとおもう。
すくなくとも脳漿だとか液体を包んでるいれものは固体だとおもうし
その中でつながるニューラルネットワークは固体なはずだが
あほなモノ書き続けてると
まるで脳の中に湖があってそこにこの小人がいて、小舟を浮かべて
そこにちょこんと座ってオールで濃いで月を眺めながらのうのうと悪態をついてるのが見えるんだ。あ、うそだ。自分の頭の中が見えるはずはない。ただ感じるんだ。
溶けそうな脳みそに湖、太陽ほど明るくないけど何か光るものでおそらく月、
僕でない存在。
こいつはたぶん小鬼の一種で僕の妄想とか、僕が夢に見てそこで僕の脳が彼のセリフを
考えて自分を責めてるとかの類じゃないんだ そう確信してる。
だってあまりに辛辣で自分に甘い僕はこんなこと考えないから

何を書いてやがる。それでお前は何を書いたつもりだ。
まだその女は登場してなかっただろ、前の文章と矛盾してるだろ
小鬼は僕を責める。
いいじゃないか僕の作品だ。馬鹿野郎読むのはお前じゃないだろう。
矛盾なく丁寧に書け、お前はお前の作品の中の決まりに責任がある。

僕あほだけど一応仕事してる。一日中書いていられるわけじゃない
でも昼にあり得ないものを思いついては書く
文章だと時間が足りないから、スケッチブックに絵で描く。
文章に書くのはあとでする。大事なのは描きたいものだ。

なんでありえないものを書くのかなぜそれを求めるのかはわからない
だから小鬼が初めてしたこの質問「お前なんでモノを書いてんだよ」
に初めて答えられなかった。

初めてされた質問だから答えられないわけじゃない
いままでなんども答えてる。小鬼は結構難しいことを聞いてきたことがある。
「おい、お前、文章と小説はどう違うとおもう?」
「小説は文章の集まりだがけっして文章を集めただけでは小説にはならない。
 文章を構成する文の一つ一つは叙述だ。なになにがなにした。だれだれがどうおもった。
 文はなにかを記録するのにも表現することにも使えるが、文で叙述を繰り返しながら
 ある人間の頭の中にある虚構を表したものを僕は小説とよぶ」
「ほう。あほかとおもったら。お前それはわかってるんだな。
 じゃあ文章がうまければ小説は書けるか?」
「いや、文章はだれでもかける。うまく書くのは描写したいことが正確に伝わればうまく書けたと言っていい。小説は書かれるべき物語あるいは虚構が存在しなければ決して生まれない。
世間の人間が近しいと思っている小説家とは違う職種を一つあげてやろう。
評論家だ。しかしこれは決定的に違う職業人だ。事実を客観的に書き、意見を述べるのが仕事だ。小説においては意見などくそくらえだ。意味があってもナンセンスでもいいが脳の中の虚構の世界に読者を引き込んで遊ばせるのが仕事だ。」
「おもしろいな。じゃあ小説家と近い職業は何だ?」
「そうだな彫刻家だ。」
「ほう。どうしてだ。」
「小説家が書く文は一つ一つは独立してなにかを叙述する。
 おなじく彫刻家のノミは石や木を削る。一つ一つはてんでばらばらな方向に石を削る
 全体を見つめながら形をぼりだすと石は女神になることも、あるいはお前のような小賢しい鬼にもなる。小説家が文を重ねるのは物語という虚構を何もない空間から紡ぎだすためだ。
ノミのストロークと小説の文が似てるだろう?小説家と彫刻家が似てるとは思わないか?」
「ははは。大邦!お前は馬鹿で頭がくるってるんだと思っていたよ。毎月毎月つごうよく女がよってきていい思いする与太話を書いてるからただの馬鹿かと思ったら、傑作だ。一丁前なこと言うじゃないか。でお前はなにが書きたいんだ。」
「わかんないよ。いいじゃないか、自分の世界の中でくらい誰かに理由もなく愛されたっていいだろう」
「ああ自由だよ。お前、飲み屋でちょろっとモテていい思いとか、河童の美女にナニをデカくされていい思いとか・・・どうしてあほなことばっか書きやがる?なにがうれしいんだ」
「そりゃもてたらうれしいじゃんか?」
「ありえないだろ」
「ありえないから虚構なんだ。虚構に読者を引きずりこんで
 くだらない常識を忘れて一緒に幸せになりたいんだよ」

ありえないものなんだろうか、なかったことだがあったかもしれないことを書くのか
誰かに愛された偽りの記憶とそれを文章で表してそこに描かれたことに自分で涙したり
事実ではないが、これは真実じゃないか?

僕の脳に生まれた虚構は僕のものだ。お前がどんな悪態をついたって
壊せない。

「おいおい、それは現実逃避ってやつか?」
「あのな。虚構は生み出すのが難儀なものだ。小さなものでもな。
 そして僕には仕事もある。しなきゃ飯がくえん。小説でくえるほど得意じゃないんだ
 現実逃避って楽な方に逃げることだろ?虚構はそんな楽に構築できんよ」

「なるほど じゃあお前なぜ書いてるんだ?」
こうやって小鬼の質問に至った。


おそらく答えはないか常に形を持たない。

僕は自分の顔が幾何学面取り石膏のようにかくかくになって
言葉を失っていくのを感じた。

なぜ書いてる・・・わからないよ
だれかあほなおれを止めてくれ。気が付いたらどっかのお姉さんといいことしてる虚構おもいついてバカ面さらしてる俺を止めてくれ
壊れていくよ あああああ

コメント(10)

なんだか心に響きました……!私も、なぜ書くのかということを結構考えますし、自己満足なことを書いたところで書く意味はあるんだろうか?みたいな不安を抱えています。
書く人の共通の悩みだと思うので、創作活動をする人々の心をくすぐる作品だと思いました。
それプラス、大邦さんの強みは絵も描かれることで、書くことと描くことが、相互にいい影響を及ぼしあって作品に現れているんじゃないかなぁとお見受けしました。私は絵は描けないので羨ましい才能です。
>>[1]
ありがとうございます
もう一つのほうがなかなか話にはいってないので普段書くときにきにしてたこと自嘲気味に脳内との小人との会話的に駄文をしたためてみました
きよのに16日にくる人たちは書くときどんなこと考えてるかなどの話を聞いてみたくて
話のネタにするような気持ちもあります
彫刻と小説が似てるというのは僕の持論でほかのひとがなんか面白いこといってくれたらいいなとおもってもいます
僕のこれは小説にはなってないかもですが虚構をつくってるといういみでは一種の作品かなと
小説のアイディアを絵でとりあえず描いておけるというのがすごいですし、うらやましいです。
確かに、なぜ書いているという問いに答えるのは難しいですね。
なぜ山に登る?
なぜあのひとを好きになった?
なぜ生きる?
というのに同程度答えにくい問いで、それを言葉にした瞬間、その言葉は灰になり、崩れ去り、嘘になってしまうような気がします。
>>[3]

ありがとうございます
こっちは作品というよりは
もう一つのほうが
話展開おそくてつまんないかなと
少し馬鹿話かねて
あそんでみたものです

なぜ書くのか はひとによってちがうとおもうし
正解をしってもそれは他の人にとってのこたえにならないようなきがするので
皆さんが書くときになにを考えてるかのほうが興味ありますね

空想で絵を描くのとか
嘘をつくのを生業にしてる詐欺師のほうが作家に近いかもですが
彫刻の下りのようなことを考えつつ文をつないでます

ひとつひとつは名文でなくていいじゃん?とおもってて
そんなことを表現してみました

酒の肴にとおもって書いてみました
>>[5]

わー自分にいってるだけですので気にしないでくださいー

自分のやつすいこうするとき
矛盾ないかなとかかんがえるとき
こんなふうにチェックしてます
小品もありがとやんす〜

ここの「大邦さん」をとある方の苗字に変換して楽しんでおります(⁠◠⁠‿⁠◕⁠)

誰の苗字かは現地でw
>>[7] おお
だれでしょう

これはまぎれもなくぼくなんですが笑
小説を書く事と評論は同じ文字を使う行為なのに相容れないもので、小説を書くことに類似しているのは彫刻を彫ることだというのは、確かにその通りと思いました。「小説においては意見などくそくらえだ。・・・虚構の世界に読者を引き込んで遊ばせるのが」小説だというのも、その通りだと思います。おそらく、作者は、皆、自分の小説世界が好きでしょう。でもその世界の魅力が読者に通用するかどうかでおそらく駄作か傑作かが決まるのでしょうが、私は、駄作でも自分が読み返したいと思える作品であればよいのかなと思ったりします。
>>[9]
ありがとうございます
彫刻がにてるが通じてうれしいです
おっしゃっていただいてる通りで
本人が酔えない話よりは本人が楽しんでる世界を僕も読みたいです
わからせるためにやたらに説明的になるよりもその世界の描写(時代の言葉や方言などふくめ)開き直ってある意味読者突き放してでもテクストの品位を保つような書き方もあるかなぁと最近思います
だから読者に通じない傑作もあるかとおもいます
そこでやってる川端康成のとかもそんな気がします

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