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眠れぬ夜の物語コミュの今年の報告

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急に照れた顔してあなたは言った。

『…ん〜とさ、俺と付き合ってみない?』

私が、ちょっと突然すぎだよ、と言うと

『いや!ちょっと待った!深く考えるのは無し!』

なんて言うから、たぶん私はキョトンとしてたんだと思う。続けざまにあなたは言った。

『ほら、えと、アレだよ。そうだ!俺と付き合うとイイことがたくさんある!』

どんなこと?
私はあなたに尋ねる。

『んと、まず仕事柄、美味しいお店をたくさん知ってる!』

ふんふん、それから?

『で、俺、音楽かなり詳しいじゃん?俺たち音楽の趣味がよく似てるから、最新音楽情報をいち早く君はゲットできる!』

それ、便利なお店みたいだな。ほかには?

『俺はモテない!だから君は、俺に他の女の影が〜…、なんて心配する必要がない!』

あんまり胸を張ってあなたが言うもんだから私は思わず吹きだしちゃった。

『それから絶対君を幸せにする。大切にする。絶対に』

私はあなたの温かい手を握る。なんだかヘンテコな口説き文句だったけど、こんなふうに私たちは恋人同士になったんだよね。

私に手を握られて、あなたは言う。

『ちょっと痛いっす』








もうすぐあなたの命日になるよ。
私はその日だけは、毎年必ず、どんな用事があっても、仕事がどんなに忙しい時期だとしても、あなたの墓前で手をあわせる。
それから、毎年同じことを思い出す。火をつけた線香から立ちのぼる煙りとともに、断片的だった記憶が鮮明に蘇る。




イイお店知ってるって言ってたあなたが、付き合ってから初めてのデートで連れてってくれたのはいつものラーメン屋さんだったけど、そのあなたらしさが可愛いと思った。


あなたと一緒に好きな音楽を聞いていられる時間を幸せに感じた。


二人で夜景を見に行ったとき、夜景って現代人の特権だよね、なんて言ったあなたのことが好きだった。


私が学生時代にイジメに合っていたことを話したとき、何も言わずにいつまでも抱きしめてくれたあなたが本当に愛おしかった。


何か悩みがあっても、関係ないよ、ってキスしてくれたあなたは他の何よりも優しかった。




突然入院することになっても、明るく振る舞ってたあなた。

みんながお見舞いに来ると必ず笑って話してた。

私が病室に入る前、すごく不安げな顔をしていたあなた。すぐに笑顔になったけど、私の胸の張り裂けそうな痛みは忘れられない。




あなたの手を握る。

いつかの温かい手はそこにない。

私を見つめるあなた。

あなたを見つめる私。

『好き』

あなたが言う。

好き。

私も言う。

『ごめんね』

あなたが言う。

涙が落ちる。止められない。

『君に、幸せに、なってほしい』

涙がでる。胸が痛む。

『だから、俺がいなくなったら、すぐに忘れて、ほしい…』

私は涙で濡れたあなたの手を強く握る。

あなたは少し笑う。

『ちょっと、痛いっす』


その翌日の昼下がり。
あなたは、静かに、優しく死んだ。









ごめんね。
やっぱり忘れられないよ。
あなたを忘れたら今の私が嘘になっちゃうよ。あなたがいてくれたから、今の私でいられるの。

私、幸せだよ。
あの時、あなたと過ごせて。

ありがとう。
来月、結婚するの。
今日はその報告。

好きだよ。
あなたはいつまでも好き。

じゃあ、また来年来るね。

コメント(16)

涙が出ました。気持ちが痛いほど伝わってきて…どうか、幸せになってください。
ホントにホントにしあわせになってくださいね!
忘れることなんてないよねるんるん
辛いけど最高に幸せだったんだもん


私も最愛の彼女を亡くしました

私はまだ新しいパートナーを見つけるまで踏み出せませんが、どうかお幸せに手(チョキ)
(;д;)ぴかぴか(新しい)



いっぱいいっぱい幸せになってくださいハート



私も大好きだった人が亡くなったんです…
もうあれから7年がたとうとしてます涙
今でも大好きハート
あの出逢いがなければ今の私はいません…




今までを大切に、これからの人生を進んで行きましょうねほっとした顔
真っ直ぐなお二人の言葉に涙が止まりません。。。

どうか、沢山沢山笑って過ごせる、そんな幸せな家庭を。。。
涙が…涙
幸せになってください。
私も大好きな人を亡くしたので思い出しました。
幸せになってください。
ホントに、心からそう思います。
涙がボロボロ出てきました。
ほんとに幸せになってほしぃです。
涙とまりません
幸せになってください、心の底から祈ってます
トピたてた者です。
こんなにたくさんの方にコメントいただけて本当に嬉しく思います。

出会いがあるから、別れは愛おしいものですよね。それが、どんな形の別れであっても。

全く違う存在なのに、お互いがお互いに限りなく近づこうとしていた大切な時間、忘れずに受け入れていくということも、究極の愛の形の一つなのかもしれません。

『幸せになってください』とコメントくださった方、数名の直接メッセージ頂けた方、本当にありがとうございます。

ただ私がお詫びしなければこのお話がフィクションであったということです…。
なんというか…本当に…すんません!!
フィクションでもいいんじゃないかなexclamation & question

私は昔の気持ちを噛みしめながら、読みました!
辛く感じるけど、幸せだった時間をも思い出しましたよわーい(嬉しい顔)


賛否両論あると思いますが、作者プロフィールを見ていれば何となくフィクションかな…とは思いましたよ
愛する人の死は誰にでも訪れる出来事。
だから共感できるし、愛する事の大きさに出会える出来事だと思います。
私は父の最後の笑顔を思い出しました。

2004年12月28日、皮肉にも50回目の誕生日に父は
昏睡状態になりました。
厳しい顔のまま、色々な器具を付けた姿は、なんとも痛々しく
目に焼き付いています。
”もう永く無いだろう”と医者に言われても信じることは
出来ませんでした。
しかし父は言われたとおり、年明けの1月5日に死んでしまいました。
私のもっとも哀しい出来事です。
でも、私は父の最後の笑顔に出会えました。

1月1日、病室のソファーで寝泊まりしていた私が病室のカーテンを
開けると、昏睡状態だった父が目を開け眩しそうな表情で
”今日は何日だ?”と私に聞きました。
私が”1月1日、正月だよ。”と言うと、”ふん。”といい笑いました。
この日は天気がとても良く、朝日が眩しかったのを憶えています。
これが父の最後の笑顔でした。
厳しい九州男児の父は私にとって、ただただ怖い存在で生きている時は
怒った顔しか思い浮かばなかったのに、今はあの時の笑顔が父の顔になりました。
フィクションでもすごいと思います。
まえまえ様
ありがとうございます。
そういっていただけると少し心が救われる想いがします。


ウメタロ×様
コメントありがとうございます。
ウメタロ×様のお話を読んで涙が出ました。厳しさのなかにも、そこには愛が満ちあふれているような想いがします。


WANDABADABDA様
ありがとうございます。
嬉しいです。
ところでHNネームは『ウルトラQ』をご参考にされたのでしょうか?

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