眠れぬ夜の物語コミュの小さな命の大きな力　「全編」

管理人様より、「ユキアのメッセージを多くの人に届けて欲しい」と、心優しいメッセージを頂きました。
ここに、彼が残した大きくて・大切で・暖かいメッセージを、残させていただきます。

誰かの心に、彼のメッセージが届きますように。







*****　「出会い」　*****


先週の土曜日は友人のお見舞いにいってきました

ナースステーションで部屋を聞いて向かっていたところ一人の少年が私に向かって全力で走ってきました

少年の後ろをお母さんらしき人が追いかけてきました

少年はなんだかわからないくらいの笑顔で声をあげて笑いながら走ってきました

私はなんとなく少年を抱きかかえるように捕まえました

少年がパジャマを着ているのをみてすぐに入院している子供だとわかりました

真っ白な笑顔で「おっちゃんはなして」って

少し傷つきました

でも少年の笑顔をまっしろなままでした

友人の部屋を訪ねてしばらく経ったとき

その少年が友人の部屋に入ってきました

「お姉ちゃんの病気はすぐ良くなるから頑張ってね」

こういい残して部屋を去っていきました

私が帰るとき少年は待合室でテレビをみていました

少年の顔からは笑顔は消えていました

どうしたのかな？と思った私は少年に話し掛けました

私「あんちゃんさっきの元気はどこいった？」

少年「ママが帰ったからもういいの」

私にはなんだかよくわかりませんでした

少年「えとな僕もうすぐ死ぬねん」
　　「ママも知ってるねんな」
　　「ママずっと泣いててん」
　　「だからなママがいるときは笑ってるねん」
　　「僕がいなくなったらママは一人ぼっちやから」
　　「僕が死ぬまでママが泣かないように笑ってるねん」

言葉になりませんでした
涙が止まりませんでした

こんなに小さな命が大人を支えてるなんて

私は「ありがとう」それしか言えませんでした

少年は「おっちゃん何にありがとうなん？」
　　　「なんで泣いてんの？」
　　　「元気だしや」って

最後にもう一度、真っ白な笑顔を今日はじめてあった私にくれました

ありがとう

あなたを尊敬しています

ありがとう





*****　「再会」　*****


今日は少し仕事が早かったので、車とばしてあの少年に会いにいきました。

***少年については１０月３１日の日記を参照ください***



残念なことに、少年から笑顔は消えていました。

今は自分の病気と闘ってるようです。

部屋の前にいたお母さんが私を見つけると

お母さん「先日はどうもありがとうございました」

私「体調くずしてるみたいですね」

怖くて何も聞けませんでした。

お母さん「次の日、ユキアが昨日パパに抱っこしてもらった夢見たって喜んでたんです」

私「そうなんですね」

お母さん「あなたに抱きとめられたことかもしれませんね」

私「少しでも楽な気持ちになれたのなら抱きとめてよかったです」

お母さん「ありがとうございました」

ユキアのお母さんの笑顔をみてるのがつらかったです。

私「ユキア君に勇気をもらったのは私のほうですよ」
　「ありがとうございました、だから会いにきたんです」
　「私だけじゃなくて、もっともっとたくさんの人がユキア君に勇　　気をもらってます」

お母さん「え？どういうことですか？」

ここで、少しMixiにユキアとの出会いについて書き込んだことを伝えました。

お母さん「じゃぁ次は私が頑張るばんですね」と、、、、

ユキアそっくりの笑顔で私を見送ってくれました。







素敵な笑顔でした



また勇気をもらいました



明日も頑張ろうと思いました



自分を変えようと思いました



人との出会いをこれからも大切に生きていきます



日曜日にユキアに会いにいった。

ユキアの笑顔は消えていた。

すごくつらそうで、目を少し開いたまま、ベッドに横たわっていた。

ユキアのお母さんからあまりよくない事を知らされた。

ユキアの手をそっと握って話しかけてみた。




私「ユキア、わかるか？、ユキア」


ユキア「おっちゃん」


ユキアの顔が少し笑った。


ユキアに、頑張れとはいえなかった。


小さなユキアの手があまりに冷たすぎて。


ユキアが眠るまで手を握っていた。


ユキアの手を離して、帰ろうとしたとき。

ユキア「おっちゃんまたね」


また笑顔を見せてくれた。


私「またくるからな」


それ以上は何も言葉にできなかった。






*****　「笑顔」　*****


なぜ、こんなにつらいのに

こんなにも強いのか

優しいのか

冷え切った手を少し動かして

バイバイしてくれた

ユキアの勇気を見習いたい

私には伝えることしかできないから

私の出会った

最強の勇者の話を

みんなに伝えたい

強く生きることはすごくつらいこと

でも

みんなにすごい勇気を与えられる

ユキアに教えてもらった

愛は与えるもの

ありがとうユキア

また会いに行きます





*****　「勇者が天使になった日」　*****


午前４時に電話が鳴った


いつもなら目を覚まさない時間だけど


なぜか電話をとった


ユキアのママだった


先日ユキアに会いに行った時に残したメモをみてくれたみたいだ


ママ「ともぞうさん来てもらえますか」

寂しい声だった

震えていた

小さな声だった


ただならぬものを感じた私はすぐに家を飛び出した


病院の夜間の入り口から飛び入った私を制止する警備員


そんなことかまっていられなかった

ユキアの部屋の前まできてまた止められた

看護師「ご家族の方ですか？」

私「違います、ユキアの友達です」

看護師「今は家族の方以外お通しできません」


そんなやり取りが聞こえたのかママが部屋から顔をのぞかせた

ママ「その人はユキアのパパです、中へどうぞ」


中に入るとユキアの辛そうな顔があった


私「ユキア、おっちゃんきたぞ」

ユキア「・・・・・・・。」

声は無かった

冷たくなった手をそっと握り締めた

少しだけ握り返す力を感じた

ユキアに最後に一言言いたかった

「ユキア、ありがとう」

また少し手を握り返してくれた

その手は暖かくなっていた



ユキアの鼓動が止まった

ユキアが本当の天使になった

ユキアが私の思い出になった

小さな勇者が眠りについた

たくさんの大人たちに

いっぱいの贈り物を残して




ありがとうユキア







帰りにユキアのお爺ちゃんから一枚の絵を渡された



そこにはユキアと、ママと、ともぞうパパと書かれた文字があった



お婆ちゃんが

「ユキアには、あなたが本当のパパだったんですね」と



またいつかユキアに会えたらいっぱいいっぱい一緒に遊びますね




*****　「手紙」　*****

大好きなユキアへ

頑張ったね

あなたの頑張りがどれだけの人を幸せにしただろう

あなたの笑顔がどれだけの人を幸せにしただろう

あなたに何もしてあげられなかったことが悔しいです

またどこかで会えたら

お礼をさせてくださいね

それまで

小さな最強勇者ユキアが生きていた証になります

こんなパパでごめんね

また会える日を楽しみにしています

ありがとう