どうもありがとう
僕は泣き虫だ
小学校、中学校所構わず泣いていた。容姿が幼いと言うのもあって、あまり恥ずかしくはなかった。
高校に入学。僕はオトナになれた気がした。
ちょうどそれ位の時期、僕は軽いいじめにあった。
泣いたら殴られる。弱みを見せたらいけない。
僕は世界をそう認識して、弱い自分を変えたかった。
剣道部に入り、心技体の何たるかを学んだ。
日夜練習に励んだ。
県で優勝した時期にはいじめはみんなの記憶から消えていた。僕は強くなった。
高校を卒業し、大学を卒業し、今年で社会人五年目になった。
あれから何年泣いていなだろう。
上司に怒られ悔しいときも、発注ミスで何日も会社に泊まり込んだときも、僕は泣かなかった。
彼女は僕に言う。
『涙を流すのは格好悪い事じゃない』
そうだね。今でもまだ泣き虫は治ってないから泣きたくなる。
これは自分への誓いなんだ。
そして今日、僕は泣いてしまうかもしれない。君は許してくれるかな。
レストランの向かいの席。君に僕は言う。
『一生僕は泣かない。これは僕の誓いなんだ。ただ人生に二つだけ泣いていい事を決めたんだ。』
『それは何？』
『一つは足の小指を角にぶつけた時。』
『ふふっ。もう一つは？』
『僕のお願いに君がはいって答えた時。』
『お願いって何？』
『………僕と毎朝起きて、僕と毎晩一緒に寝て欲しい。出来ればご飯も一緒に食べたい。テレビも、映画も、音楽も、散歩も、雨の日も、晴れの日も。……一生僕の隣に居て下さい。』
『……はい。』
そして僕は十一年ぶりに涙を流した。
僕は泣き虫だ
小学校、中学校所構わず泣いていた。容姿が幼いと言うのもあって、あまり恥ずかしくはなかった。
高校に入学。僕はオトナになれた気がした。
ちょうどそれ位の時期、僕は軽いいじめにあった。
泣いたら殴られる。弱みを見せたらいけない。
僕は世界をそう認識して、弱い自分を変えたかった。
剣道部に入り、心技体の何たるかを学んだ。
日夜練習に励んだ。
県で優勝した時期にはいじめはみんなの記憶から消えていた。僕は強くなった。
高校を卒業し、大学を卒業し、今年で社会人五年目になった。
あれから何年泣いていなだろう。
上司に怒られ悔しいときも、発注ミスで何日も会社に泊まり込んだときも、僕は泣かなかった。
彼女は僕に言う。
『涙を流すのは格好悪い事じゃない』
そうだね。今でもまだ泣き虫は治ってないから泣きたくなる。
これは自分への誓いなんだ。
そして今日、僕は泣いてしまうかもしれない。君は許してくれるかな。
レストランの向かいの席。君に僕は言う。
『一生僕は泣かない。これは僕の誓いなんだ。ただ人生に二つだけ泣いていい事を決めたんだ。』
『それは何？』
『一つは足の小指を角にぶつけた時。』
『ふふっ。もう一つは？』
『僕のお願いに君がはいって答えた時。』
『お願いって何？』
『………僕と毎朝起きて、僕と毎晩一緒に寝て欲しい。出来ればご飯も一緒に食べたい。テレビも、映画も、音楽も、散歩も、雨の日も、晴れの日も。……一生僕の隣に居て下さい。』
『……はい。』
そして僕は十一年ぶりに涙を流した。
僕は泣き虫だ
|
|
|
|
|
|
|
|
