原始仏典（ダンマパダなど）コミュの本当に愛すべきもの

自由訳ダンマパダ
第十六章『本当に愛すべきもの』

悪い行いになれて、
正しい行いをせずに、
本来の目的を捨てて目先の快楽だけを追い求める人は、
正しい道を歩む人たちを嫉妬し憎むことでしょう。

特定の人にたいして愛する気持ちを持たないように、
また特定の人にたいして嫌悪の気持ちを持たないように、
なぜなら愛する人に会えないことは苦しみだからです。
そして嫌いな人と会わなければいけないことも苦しみだからです。

したがって愛する人を作らないように、
愛する人と別れるのは悲しむべき災難です。
愛や嫌悪の気持ちから離れたとき、
なんのわずらいも存在しません。

愛する人と会えなくなると憂鬱になり、
愛する人と別れることは恐怖になります。
愛する人を作らなければ憂鬱になりません。
恐怖もありません。

愛する気持ちを持つと会えなくなると憂鬱になり、
愛する気持ちを持つと別れることは恐怖になります。
愛する気持ちを持たないならば憂鬱になりません。
恐怖もありません。

快楽を求めると会えなくなると憂鬱になり、
快楽を求めると別れることは恐怖になります。
快楽を求めないならば憂鬱になりません。
恐怖もありません。

欲しがると会えなくなると憂鬱になり、
欲しがると別れることは恐怖になります。
欲しがらなければ憂鬱になりません。
恐怖もありません。

「もっと愛してほしい」と望めば、会えなくなると憂鬱になり、
「もっと愛してほしい」と望めば、別れることは恐怖になります。
「もっと愛してほしい」と望まなければ憂鬱になりません。
恐怖もありません。

善い行いをして、悪い行いをしない、
正しく見ることができ、真実のみを話す、
そのような正しい生き方を実践している人、
そのような人は人々から愛されます。

本当の自由に向かおうと、
よい方向に志を持ち、
心が安らぎに満たされ、
異性などの誘惑に惑わされない人は、
上流に昇る人と呼ばれます。

遠いところに住んでいた人がひさしぶりに帰ってきたとき、
家族、親友、友達は喜んで迎えてくれるでしょう。

善い人生を歩んだ人は、その善い原因によって、
次の生に向かうときよい結果が迎えてくれることでしょう。
まるで家族が愛しい人の帰りを喜んで迎えてくれるように。