原始仏典（ダンマパダなど）コミュの非暴力の実践とは

自由訳ダンマパダ　
第十章『非暴力の実践とは』


すべての生き物は暴力を振るわれることを殺されることを、死が訪れることをおそれています。
人間と他の生き物を比べて、あるいは自分と他人を比べて劣っているとか思い上がって、暴力をふるってはいけないし、ましてや殺すなどということをしてはいけません。暴力行為や殺害行為を容認してもいけません。

すべての生き物は暴力を振るわれることを殺されることを、死が訪れることをおそれています。
すべての生き物にとって自分の命は愛しいのです。
人間と他の生き物を比べて、あるいは自分と他人を比べて劣っているとか思い上がって、暴力をふるってはいけないし、ましてや殺すなどということをしてはいけません。暴力行為や殺害行為を容認してもいけません。

自分を含めて、すべての生きとし生けるものは幸せを求めています。
だからこそ他の生き物に暴力をふるってはいけないのです。
自分が幸せになるために他の生き物に暴力をふるう、
そういう自分勝手な人に幸せは訪れません。

自分を含めて、すべての生きとし生けるものは幸せを求めています。
だからこそ他の生き物に暴力をふるってはいけないのです。
もしも非暴力を実践し、平和に生きるのならば
その人には幸せが訪れます。

他人の心を傷つけるような言葉を使ってはいけません。
言われた人はあなたの心を傷つける言葉を返してくることでしょう。
怒りの感情をおさえられずに言葉を出すことはあなたの苦しみになります。
言葉を言い返されることにより、あなたの心はより傷つくことでしょう。

怒りの感情に流されることなく、こわれた鐘のようにうるさくなく、
静かによい言葉のみを語る人は安らぎに満ちています。

死神の鎌はすべての生き物の命を駆り立てるためにやってきます。
あたかも牛を牛飼いが棒で牧場へ駆り立てるように。

悪い行いは自分の背中に火をつけるようなものです。
しかし悪い行いをした人はそのことに気づきません。
悪い行いを繰り返す人はそのことによって悩み苦しみます。
火に焼き焦がれても消すことをしません。

なんの抵抗もしない人々に暴力を振るうのならば、次の十種類の災いに出会うことでしょう。

１、 激しい痛み
２、 老衰
３、 重傷
４、 重病
５、 精神の乱れ
６、 行政からの迫害
７、 恐ろしい告げ口
８、 親族の災難
９、 財産の損失
10、火事

さらに死んだ後に地獄に生まれることになるでしょう。

なにも持たずに裸で暮らしたりするのも、
髪を切らずに伸ばしっぱなしにするのも、
体を洗わずに生活するのも、
断食も、
住まいを持たずに地べたで寝るのも、
泥を体中に塗るのも、
長い時間動かずにうずくまるのも、
それが意味のあることでなくてはいけません。
見た目だけ、かっこいいことしても、
それによって平和な気持ちにならないのであるならばなんの意味も持ちません。

見た目のかっこよさはどうでもいいのです。
平和な気持ちをもって、
心が浮つくことなく、落ち着いていて、
体の感覚を統御できていて、
謙虚で、正しい生活を行い、
すべての生きものにたいして、暴力をふるわない人、
この人こそ、バラモンであり、道の人であり、僧侶であるというべきです。

どんなに良い馬でも、ムチを打たれることはあります。
どんなに慎み深く正しい生活を心がけている人でもよからぬ批判を受けることがあるでしょう。

それならば、良い馬のように疾走しましょう。
真実にたいして確信を持ち、
戒を守り、
努力を怠らず、
集中し、
気づきをもち、
正しい智慧により行い、
少なくない苦しみをなくしてください。

治水工事の人は水を導き、
矢の職人は、矢をまっすぐに作り、
大工は木を整え、
謙虚で慎み深い人は自分を整えます。