紀野恵コミュのイラスト古典『枕草子』

大和和紀さん画、紀野恵さん文で、枕草子のイラストつき現代語訳版が出ています。

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紀野さんの現代語訳も素晴しいのですが、解説に託したショートエッセイも面白いです。

「七日の日の若菜を」の段では、

つめどなほ耳無草こそつれなけれ　あまたしあれば菊もまじれり

（子供達が摘んできた草の名前を知らないので、「耳無草」というのではないかと言った際に少納言が詠んだ歌。『耳がないから私の質問がわからなかったのね。でもたくさんいれば中にはちゃんと聞く（菊）耳を持った子供もいるでしょう』という洒落）

という逸話に寄せて、紀野さんが次のように書いておられます。

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聞く耳あってこそのしゃれです。
私は短歌などつくっているのですが、歌集を読んでもさっぱりわからないから解説をしてくれ、とよく言われる。ムナシイ。自歌自注なんかやってられますか、恥ずかしくて。でも、あまたしあれば菊もまじれり、かなあと思ってあきらめないのだった。
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また、あとがきでは（ここには紀野さんのお写真も載っています）

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私は私の同類を平安朝にみつけた。楽しむことの好きな清少納言。ときどき廊下を踊りながら歩いている私は、彼女もそうだったかしらんと想像してにやにやしてしまう。
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歌の印象よりも茶目っ気のある方なんだなあと、嬉しくイメージを裏切られました＾＾

紀野さん風『枕草子』としては

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「好きなもの」

冗談を快く受け止め、ときには鋭く切り返す相手。
じょうずなダンス。
汲みたての水にいけた新鮮な花。
羽枕。
「薔薇色の人生」。
踊りだしたくなるような音楽。
シャンペン。
銀行口座への原稿料の振込み。

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とあります。
みなさんも「枕草子風短歌」なんて作ってみられても面白いかもしれませんね！