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登記の勉強と情報コミュの 境界確定に関する主要判例  

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http://www5d.biglobe.ne.jp/~Jusl/TomoLaw/Kyoukai.html



資料1) 境界確定に関する主要判例  
1 裁判所は,当事者の主張する境界線に拘束されない。
「境界確定の訴えにおいては,裁判所は、当事者の主張する境界線に拘束されるこ   となく,自ら正当なりと認める所に従い境界線を定めることができる。」(大審院(連)判大正12.6.2大審民集2鰲7号345頁)



2 相隣地の境界が不明であるとき,境界確定の訴えが提起できる。

 「相隣接する土地の境界が不明であるときは、右境界が主観的に不明であると客観   的に不明であるとにかかわらず、右土地の所有者は、境界確定の訴を提起し、裁判所  の判決を得て、右境界の不明に基因する紛争の解決を図ることができる。」   (最高裁1小判昭和43.5.23、91−65 *判例解説不見当)  



3 境界確定訴訟と当事者適格    

「相隣接する係争土地につき処分権能を有しない者は,土地境界確定の訴えの当事   者となり得ないと解するのが相当である(略)。」(最高裁1小判昭和57.7.15訟廷月報29.2.192)



4 境界確定訴訟と当事者適格    

「境界確定の訴において,当事者が相隣地の所有者であることについて争いがない   以上,たとえ被告が口頭弁論終結前その所有地を他に譲渡し移転登記を了したとして  も,裁判所が当事者についての要件に欠けるところはなしとして判決しても違法では  ない。」(最高裁3小判昭和31.2.7、最高民集10.2.38,判例タイムズ57号35頁)  


5 境界確定訴訟と当事者適格    

「争いのある境界によって隣接する土地の所有者は、境界確定の訴につき、当事者   適格を有する。」(最高裁1小判昭和47.6.29、106−377 *判例解説不見当)  



6 境界確定訴訟の当事者適格    

「隣接する甲乙両地の各所有者間の境界確定訴訟において,甲地のうち右境界の一   部に接続する部分につき乙地の所有者の時効取得が認められても,甲地の所有者は,  右境界部分についても境界を求めることができる。 (最高裁3小判昭和58.10.18民集37鰲8号1121頁,判例解説民事篇昭和58年度415頁)



7 境界確定訴訟の当事者適格
「甲地のうち、乙地との境界の全部に接続する部分を乙地所有者Aが、残部分をB
がそれぞれ譲り受けた場合において、甲乙両地の境界に争いがあり、これを確定する
ことによって初めてA及びBがそれぞれ取得した土地の範囲の特定が可能になるとい
う事実関係の下においては、A及びBは、甲乙両地の境界確定の訴えの当事者適格を
  有する。」 (最高裁2小判平成11.2.26判例タイムズ1001号84頁)




10 当事者間の合意により境界が確定することはない。隣接土地所有者間に境界についての合意が成立したことのみによって、右合意の  とおりの境界を確定することは許されない。」(最高裁3小判昭和42.12.26民集21巻10号2627頁、判例解説民事篇 42年度656頁)

コメント(78)

15 共有地の場合の境界確定の訴は,固有必要的共同訴訟
   「土地の境界は,土地の所有権と密接な関係を有するものであり,かつ,隣接する
  土地の所有者全員について合一に確定すべきものであるから,境界の確定を求める訴
  えは,隣接する土地の一方または双方が数名の共有に属する場合には,共有者全員が
  共同してのみ訴えまたは訴えられることを要する固有必要的共同訴訟と解するのが相
  当である。」
  (最高裁1小判昭和46.12.9民集25巻9号1457頁、判例解説民事篇46
  年度40頁)

16 共有者のうち境界確定の訴えに同調しない者がいる場合
   「境界の確定を求める訴えは,隣接する土地の一方又は双方が数名の共有に属する
  場合には,共有者全員が共同してのみ訴え,又は訴えられることを要する固有必要的
  共同訴訟と解される(最高裁昭和44年(オ)第279号同46年12月9日第一小
  法廷判決・民集25巻9号1457頁参照)。したがって,共有者が右の訴えを提起
  するには,本来,その全員が原告となって訴えを提起すべきものであるということが
  できる。しかし,土地の共有者のうちに右の訴え(注:境界確定の訴え)を提起する
  ことに同調しない者がいるときには,その余の共有者は,隣接する土地の所有者と共
  に右の訴えを提起することに同調しない者を被告にして訴えを提起することができる
  ものと解するのが相当である。」
  (最高裁3小判平成11.11.9判例時報1699号79頁,判例タイムズ102
  1)
  号128頁)
17 境界確定の中間確認の訴 
   「所有権に基づく土地明渡請求訴訟に関連して求められた境界確定の中間確認の訴
  は、係争土地部分の所有権の確認と異なり、元の訴訟の先決関係に立つ法律関係にあ
  たるものと解することはできない。」
  (最高裁1小判昭和57.12.2判例時報1065号139頁 *判例解説不見当
  )
20 境界確定訴訟の判断基準
   「境界確定の訴においては、裁判所はまず客観的に存在している境界線を発見する
  ことに努力し、それが不明な場合は、係争地域の占有状況、隣接両地の公簿面積と実
  測面積との関係、公図その他の地図、境界標識等を証拠によって確定し、それらの事
  実を総合して判断し合理的な理由のもとに境界線を確定すべきものである。」
  (東京高裁判昭和48.8.30判例時報719号41頁)

21
21 公図の証明力
   「公図は土地台帳の附属地図で,区割と地番を明らかにするために作成されたもの
  であるから,面積の測定については必ずしも正確に現地の面積を反映しているとはい
  えないにしても,境界が直線でるか否か,あるいはいかなる線でどの方向に画される
  かというような地形的なものは比較的正確なものということができるから,境界確定
  にあたって重要な資料と考えられる。」
  (東京地判昭和49年6月24日判例時報762号48頁)
22 公図の証明力
   「一般に,公図は,もともと測量技術が未だ十分に発達していなかったときに,一
  筆の土地ごとに測量して作成した図面をよせ集めてつくられたものであるため,各土
  地の関係位置などの点は大体において正確だとしても,各筆の土地相互間の境界線の
  細部の形状などについてはかなり大まかに記載されていて,必ずしもあてにならない
  場合も少なくないように思われるから,土地の現況その他境界の確定に当って実際上
  重視される客観的な資料がいろいろ存在する場合に,たまたま一方の主張する境界線
  の形状が公図上の境界線の形状により類似するというだけで,他の資料を一切無視し
  て直ちに一方の主張を正当とみなすことは,到底妥当といゝ難い。」
  (水戸地判昭和39年3月30日下民集15巻3号693頁)

23 境界確定訴訟における判決は,当事者の主張に拘束されない。
  「境界確定訴訟にあっては,裁判所は当事者の主張に羈束されることなく,自らその
  正当と認めるところに従って,境界線を定むべきものであって,すなわち,客観的な
  境界を知り得た場合にはこれにより,客観的な境界を知り得ない場合には常識に訴え
  最も妥当な線を見出してこれを境界と定むべく,かくして定められた境界が当事者の
  主張以上に実際上有利であるか不利であるかは問うべきではないのであり,当事者の
  主張しない境界線を確定しても民訴法186条の規定に反するものではないのである
  (大審院大正12年6月2日民事連合部判決,民集2巻345頁,同院昭和11年3
  月10日判決,民集15鰲6 95頁参照)。されば,第一審判決が一定の線を境界
  と定めたのに対し,これに不服のある当事者が控訴の申立をした場合においても,控
  訴裁判所が第一審判決の定めた境界線を正当でないと認めたときは,第一審判決を変
  更して,自己の正当とする線を境界と定むべきものであり、その結果が控訴人にとり
  実際上不利であり、附帯控訴をしない被控訴人に有利であっても問うところではなく
  ,この場合には,いわゆる不利益変更禁止の原則の適用はないものと解するのが相当
  である。」
  (最高裁3小判昭和38.10.15民集17巻9号1220頁、判例解説民事篇3
  8年度263頁)

24 境界確定訴訟の主文の表示方法
   「土地境界確定の訴においては、判決主文において、特定の隣接地番の土地相互の
  境界を表示すれば足るのであって,所有権確認の請求が含まれない限り,右土地の所
  有者が誰であるかを主文に表示することを要するものではない。」
  (最高裁3小判昭和37.10.30民集16巻10号2170頁、判例解説民事篇
  37年度390頁)

25 境界確定訴訟の主文表示の境界線の基点
   「判決主文に表示された境界線の基点が,判決理由および添付図面と対照しても,
  現地のいずれの地点にあたるかを確定しえないときは,当事者間ではその基点の位置
  につき争いがなかったとしても,主文不明確の違法を免れない。」
  (最高裁3小判昭和35.6.14最高裁民集14巻8号1324頁)

26 境界確定の訴の訴訟費用の負担
   「経界確定の訴が実質は非訟事件であることは,上段で判示したとおりであるが,
  訴訟によらせている以上,訴訟費用の負担について民事訴訟法によつて定めるのも当
  然である。その判決は,実質的にみても,当事者の主張に対比して,その請求を認容
  したかしないか,或はその一部を認容したかどうかということが,必ず云えるもので
  ある。従って,訴訟費用を常に必ず原告に負担させることなく,民事訴訟法に定める
  訴訟費用の負担の原則に従って,実質的にみて敗訴者に負担させることが,憲法に違
  反しているとはいえない。」
  (東京高裁昭和39.9.15下裁民集15巻9号2184頁,判例タイムズ169
  号189頁)
27 調停条項に土地の境界線を定めた場合の調停の効力
   「土地の地番と地番との境界は公法上のものであって関係当事者の合意で左右する
  ことのできない性質のものであり,当事者の任意の処分が許されないものであるから
  ,当事者の任意の処分ができることを前提とする和解または調停ができないことはい
  うまでもなく,したがって,かかる調停をしてもそれが無効であることは原告主張の
  とおりである。
   しかしながら,(証拠略)によれば本件調停は,(中略)その接触する部分がいず
  れの所有権の範囲に属するのかについて争いがあるため,その相互の所有権の範囲の
  一側面を確認したものであり,かつ同条項の第二項により被告の所有地に属するもの
  とされた部分の一部分の所有権を原告に移転することを約したものであることが認め
  られ(中略),当事者間に争いのある場合に双互の土地所有権の限界について当事者
  が合意することは何ら差し支えなく,これは当事者の処分の許される事項であると考
  えられるから,この点においては本件調停条項第一項が無効であると解すべきではな
  い。」
  (盛岡地裁一関支判昭和40.7.14判例時報421号53頁)

28 境界確定訴訟の本案部で「調停に代わる決定」をして紛争解決を図った事例
   「本件では,本件境界を正確に確定する必要はあるものの,被告らは,具体的に境
  界に関する主張をした被告次郎以外は,境界についての具体的な主張をせず,いわば,
  これを放置しているともいうことができる。また,前記訴訟の経過に照らせば,今後
  本件で訴訟を進行させて境界を確定するためには,鑑定を実施する必要があるが,本
  件におけるこうした被告らの対応に勘案すれば,いたずらに鑑定を続行して境界を正
  確にし,係争部分の紛争を解決させたとしても,鑑定費用約100万円を当事者のい
  ずれが負担すべきかをめぐり,新たに深刻な紛争が生ずるおそれも否定できず,かえ
  って,紛争の解決とはなりえないとも考えられる。(略)
   当裁判所は,以上の経過に照らせば,本件を抜本的に解決するためには,鑑定を実
  施し,境界を正確に算定して解決することの必要性は否定できないものの,本件請求
  の内容,被告らの対応を勘案すれば,上記訴訟経過及び本件請求の当否にかかわらず,
  現時点で紛争を円満に解決することもまた,紛争の解決方法として相当ではないかと
  考え,(略)調停に代わる決定の中で一定の解決内容を示すことにより,紛争を抜本
  的に解決することを打診した。(略)」
   本件の主文
  「1 原告と被告らとの間において,原告が別紙図面記載○○○の各点を順次直線で
    結んだ線により囲まれた部分について所有権を有することを確認する。
   2 被告甲野次郎は,上記土地上に建築した物件については,地上建物を改築する
    際に原告に返還するものとし,原告は,それまでは被告らに対し,同建物敷地部
    分の明渡しを猶予する。
   3 原告と被告らとの間には,本条項に定める他,何らの債権債務関係のないこと
    を相互に確認する。
   4 原告は,その余の請求を放棄する。
   5 訴訟費用及び調停費用は,これを2分し,その1を原告の,その余を被告甲野
    次郎の各負担とする。」
    (大阪地裁判平成13.3.30判例タイムズ1083号276頁)
11 取得時効の抗弁の当否は,境界確定には無関係である。
   「境界確定の訴は、隣接する土地の境界が事実上不明なため争いがある場合に、  判によって新たにその境界を確定することを求める訴であって、土地所有権の範囲の  確認を目的とするものではない。したがって、(略)取得時効の抗弁の当否は、境界   確定には無関係であるといわなければならない。けだし、かりに(略)土地の一部を  時効によって取得したとしても、これにより(略)各土地の境界が移動するわけのも  のでもないからである。」  (最高裁1小判昭和43.2.22民集22巻2号270頁、判例解説民事篇43年 度274頁
12 境界確定訴訟において,特定の境界線の主張の必要はない。
 「(略)本件訴は,当事者相互の相接する各所有土地間の境界に争いがあるため,
  その境界を現地に即し具体的に定める創設的判決を求める,いわゆる境界確定の訴え  であって」とし,「いわゆる境界確定の訴にあっては,当事者間の相接する所有地相  互の境界が不明ないし争あることの主張がなされれば十分であって,原告において特  定の境界線の存在を主張をする必要はないのであるから,本件原告たる被上告人が所  論のように境界線の主張を変更したからといって,何らの違法もな(い)。」
  (最高裁2小判昭和41.5.20裁判集民事83号579頁)
19 境界確定訴訟の判断基準
   「土地境界確定の訴においては,裁判所は,当事者の申立に拘束されずに,裁判所
  が相当と判断するところに従って境界を確定すべきであるとされているが,これはも
  ちろん,境界の確定が,裁判所の自由裁量に任されていることを意味するものではな
  い。
   すなわち,裁判所は,まずできるだけ客観的に存在している境界線を発見するよう
  努力しなければならないのはもちろんであり,その不明な場合に,いかにして境界線
  を定むべきかについては,法律は具体的にはなにも規定しているところはないが,古
  くから,裁判所の取扱と外国の立法例などによれば,係争地域の占有の状況,隣接両
  地の公簿面積と実測面積との関係を主にし,このほか公図その他の地図,境界木又は
  境界石,場合によっては林相,地形等を証拠によって確定し,それらの各事実を総合
  して判断するを要するとされているし,このことは条理に合したものと解せられる。
  殊に,境界線を確定することは直接に隣接地の所有土地の範囲を確定するものではな
  いが,多くの場合それに対し重大な影響をもつものであるから,隣接地の実測面積と
  公簿上の坪数の関係は,それがなくとも境界線が明らかに定められるような特別な場
  合を除いては,必ずこれを確定して,双方の関係を参酌して定むべきである。このこ
  とは,わが国でも裁判実務上相当古くから現在まで行われている実務上の慣行とも言
  える裁判所の取扱であることは,当裁判所に顕著なところである。もしこれらの証拠
  資料によっても境界を知ることができないときには,衡平の原則から争いのある地域
  を平分して境界を定めるなどしなければならない(大審院昭和11年3月10日判決
  ,民集15鰲695頁参照)。いずれにしても裁判所は,常に合理的な理由づけのも
  とに境界を確定しなければならない。」
  (東京高裁判昭和39.11.26判例時報417号44頁)

 土地分筆登記、土地地積更正登記を行う前提として、土地の境界確定が

 必要になります。

  土地の境界確定をするためには一般的に以下を参考にします。

 1.占有状況

 2.公簿面積

 3.公図その他の図面類

 4.境界標

 5.尾根、崖、谷などの自然地形

 6.道路、山道、水路

 7.主張の合致

 8.境界確定協議の結果(官民境界確定訴訟)

 

  わが国の現行法上は、境界確定訴訟に関する規定がありません。まして、

 境界を確定する基準や方法を規定したものもありません。そこでこれまで積み

 上げられてきた裁判例をもとにするなどして、境界を検証することになります。

  裁判例の底流にはドイツ民法が横たわっているようです。

 

 ドイツ民法920条(要約)

 1.境界線が分明すれば、そこを境界線とする。

 2.境界線が分明しないときは、占有状態による。

 3.占有状態が分明しないときは、係争地を平分する。

 4.上の2、3によって、その結果が実情−ことに土地の確定面積−に一致

  しないときは、その実情を斟酌して公平に適した方法で境界を定める。

 

 以下は、土地調査測量・境界確定・登記申請業務の流れを示したものです。

 

 1. 調査測量・境界確定業務

  イ. 資料調査・事前調査

   1, 法務局調査

   2, 現地調査

   3, 関係官公署における調査

  ロ. 官民境界協議

   1, 関係者(向こう三軒両隣)の立会依頼

   2, 多角測量及び現況平面測量

   3, 現況実測平面図、公図等の製図

   4, 境界確認申請書の作製(申請地の謄本、申請人印鑑証明書受理)

   5, 過去に実施した土地境界図の受領

   6, 過去に実施した境界点の現地表示

   7, 境界協議の日時決定と立会人に対する通知

   8, 官民境界協議の実施と境界標の設置

   9, 決定した確定点及び引照点の測量

   10, 土地境界図の下図作成

   11, 上記下図の官による検査並びに打合せ

   12, 土地境界図の製図と申請人、立会者全員の署名、捺印受領

   13, 土地境界図の原紙及び立会人数分のコピ−の提出

   14, 通知書(土地境界図)の受領

  ハ. 地積測量

   1, 外周土地所有者との境界協議の立会日打合せ

   2, 外周土地所有者との境界協議の立会実施

   3, 借地権者との境界協議の立会日打合せ

   4, 借地権者との境界協議の立会実施

   5, 境界標の設置

   6, 地積測量と求積計算

   7, 地積測量図の作成

   8, 土地境界確認書に申請人、立会者全員の署名、捺印受領

 

 2. 登記申請業務

   1, 委任状、地積測量図、現地調査書、その他の添付書類作成

   2, 各種登記申請(分筆・合筆・地積更正登記等)

   3, 上記登記済証の受領

 

 3. 登記済証、成果品等の引渡

   1, 登記済証、通知書(土地境界図)、土地境界確認書等成果品の引渡

 

 

 
 

21 公図の証明力
   「公図は土地台帳の附属地図で,区割と地番を明らかにするために作成されたもの
  であるから,面積の測定については必ずしも正確に現地の面積を反映しているとはい
  えないにしても,境界が直線でるか否か,あるいはいかなる線でどの方向に画される
  かというような地形的なものは比較的正確なものということができるから,境界確定
  にあたって重要な資料と考えられる。」
  (東京地判昭和49年6月24日判例時報762号48頁)
9 当事者間の合意で境界線は変動しない。
  「境界とは異筆の土地の間の境界で(略),かかる境界は(略)客観的に固有する  ものというべく,当事者の合意によって変更処分し得ないものであって,境界の合意  が存在したことは単に右客観的境界の判定のための一資料として意義を有するに止ま  り,証拠によってこれを異なる客観的境界を判定することを妨げるものではない。」  (最高裁2小判昭和31.12.28民集10巻12号1639頁、判例解説民事篇   昭和31年度239頁)

10 当事者間の合意により境界が確定することはない。隣接土地所有者間に境界についての合意が成立したことのみによって、右合意の  とおりの境界を確定することは許されない。」(最高裁3小判昭和42.12.26民集21巻10号2627頁、判例解説民事篇 42年度656頁)
7 境界線の判断基準
 ア 裁判実務上の基準
   これまでの裁判所の取扱は,外国の立法例なども参考にして,次のような規準によ
  り判断されている。
  (1) 裁判所は,まずできるだけ客観的に存在している境界線を発見するよう努力す
    る。
  (2) それが不明な場合は,係争地域の占有の状況,隣接両地の公簿面積と実測面積
    との関係を主にし,このほか公図その他の地図,境界木又は境界石,場合によっ
    ては林相,地形等を証拠によって確定し,それらの各事実を総合して判断する。
  (3) 隣接地の実測面積と公簿上の坪数の関係は,必ずこれを確定して,双方の関係
    を参酌して定める。
  (4) もしこれらの証拠資料によっても境界を知ることができないときには,衡平の
    原則から,争いのある地域を平分して境界を定める。
  (5) 裁判所は,常に合理的な理由づけのもとに境界を確定しなければならない。

     【判例】【18】大審院二民判決昭和11.3.10大審民集15鰲9号695頁
         【19】東京高裁判昭和39.11.26判例時報417号44頁
         【20】東京高裁判昭和48.8.30判例時報719号41頁

  (注)公図の証明力

     【判例】【21】東京地判昭和49年6月24日判例時報762号48頁
         【22】水戸地判昭和39年3月30日下民集15巻3号693頁

8 境界認定の基本資料
  (1) 占有状況                 → 現場の使用状況把握
  (2) 公簿面積との対比,両地の面積比率     → 登記簿謄本,公図との照合
  (3) 公図その他の図面(古図,土地台帳付図)  → 公図との照合
  (4) 分筆があったときの分筆図         → 公図との照合
  (5) 境界木,境界石              → 人為的痕跡との対照
  (6) 地形(道路,自然道,尾根,崖,谷等の地形)→ 自然的状況との対照
  (7) 林相(植林の状況,樹齢,種類,植林の時期)→ 自然的状況との対照
  (8) 当事者双方・古老の話 → 過去の状況,経緯
  (9) 鑑定人の鑑定結果
8 時効取得と境界確定の訴えの当事者適格
 「境界確定を求める訴えは,公簿上特定の地番により表示される甲乙両地が相隣接  する場合において,その境界が事実上不明なため争いがあるときに,裁判によって新  たにその境界を定めることを求める訴えであって,裁判所が境界を定めるに当たって  は,当事者の主張に拘束されず,控訴された場合も民訴法385条の不利益変更禁止  の原則の適用もない(最高裁昭和37年(オ)第938号同38年10月15日第三  小法廷判決・民集17鰲9号1220頁参照)。右訴えは,もとより土地所有権確認の訴えとその性質を異にするが,その当事者適格を定めるに当たっては,何ぴとをしてその名において訴訟を追行させ,また何ぴとに対して本案の判決をすることが必要かつ有意義であるかの観点から決すべきであるから,相隣接する土地の各所有者が,境界を確定するについて最も密接な利害を有する者として,その当事者となるのであ 。したがって,右の訴えにおいて,甲地のうち境界の全部に接続する部分を乙地の 所有者が時効取得した場合においても,甲乙両地の各所有者は,境界に争いがある隣 接土地の所有者同士という関係にあることに変わりはなく,境界確定の訴えの当事者適格を失わない。」(最高裁3小判平成7.3.7民集49鰲3号919頁,判例解説民事篇平成7年度 上)325頁)

http://www5d.biglobe.ne.jp/~Jusl/TomoLaw/Kyoukai.html

境界確定訴訟概説
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji104.html

筆界特定制度に関するQ&A
Q1  筆界特定制度とは,どのような制度ですか。
A1  筆界特定制度とは,土地の所有権の登記名義人等の申請に基づいて,筆界特定登記官が,外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて,土地の筆界の現地における位置を特定する制度です。


Q2  筆界特定制度の施行日はいつですか。
A2  平成18年1月20日です。


Q3  筆界とは何ですか。一般的にいう境界とは違うのですか。
A3  「筆界」とは,ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線であり,所有者同士の合意等によって変更することはできません。
 これに対して,「境界」という語は,所有権の範囲を画する線という意味で用いられることもあり,その場合には,筆界とは異なる概念となります。筆界は所有権の範囲と一致することが多いのですが,一致しないこともあります。


Q4  筆界の特定とは何ですか。
A4  ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線(筆界)を,現地において特定することです。新たに筆界を決めるものではなく,調査の上,登記された時に定められたもともとの筆界を,筆界特定登記官が,明らかにすることです。


Q5  筆界はどのようにして特定されるのですか。
A5  筆界調査委員という専門家が,これを補助する法務局の職員とともに,土地の実地調査や測量を含むさまざまな調査を行った上,筆界に関する意見を筆界特定登記官に提出し,筆界特定登記官が,その意見を踏まえて筆界を特定します。


Q6  筆界特定の申請は,誰が行うことになるのですか。
A6  土地の所有者として登記されている人及びその相続人などです。


Q7  筆界特定の申請はどこの法務局にしたらよいですか。
A7  対象となる土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の筆界特定登記官に対して,筆界特定の申請をすることになっています。


Q8  申請に際しては,どのような書類や資料が必要なのですか。
A8  申請書に必要な事項を記載し,添付書類とともに提出する必要があります。
 また,手続を迅速に進めるため,お手持ちの資料をできるだけ提出していただけると助かります。

※筆界特定申請書の書式はこちら

   一太郎Ver.12版 Word2003版 PDF版


Q9  筆界特定の申請に必要な手数料はどのくらいですか。
A9  申請手数料は,対象土地の価額によって決まります。たとえば,対象土地(2筆)の合計額が4,000万円の場合,申請手数料は8,000円になります。


Q1 0 手数料以外に必要な費用について教えてください。
A1 0 手続の中で,測量を要することがあり,そのときには,測量費用を負担する必要があります。


Q1 1 筆界特定がされた結果はどのように公開されるのですか。また,登記記録において公示されるのですか。
A1 1 筆界特定の対象となった土地を管轄する登記所において筆界特定書が保管されるので,筆界特定書の写しの交付請求等によって,公開されます。また,筆界特定の対象となった土地の登記記録に,筆界特定がされた旨が記録されます。


Q1 2 筆界特定の申請に関する相談窓口は,どこになりますか。
A1 2 最寄りの法務局又は地方法務局にお尋ねください。


 
10 当事者間の合意により境界が確定することはない。隣接土地所有者間に境界についての合意が成立したことのみによって、右合意の  とおりの境界を確定することは許されない。」(最高裁3小判昭和42.12.26民集21巻10号2627頁、判例解説民事篇 42年度656頁)
境界確定訴訟の当事者適格
「甲地のうち、乙地との境界の全部に接続する部分を乙地所有者Aが、残部分をB がそれぞれ譲り受けた場合において、甲乙両地の境界に争いがあり、これを確定する ことによって初めてA及びBがそれぞれ取得した土地の範囲の特定が可能になるとい う事実関係の下においては、A及びBは、甲乙両地の境界確定の訴えの当事者適格を 有する。」
(最高裁2小判平成11.2.26判例タイムズ1001号84頁)





「相隣接する係争土地につき処分権能を有しない者は,土地境界確定の訴えの当事   者となり得ないと解するのが相当である(略)。」(最高裁1小判昭和57.7.15訟廷月報29.2.192)

当事者間の合意により境界が確定することはない。隣接土地所有者間に境界についての合意が成立したことのみによって、右合意の  とおりの境界を確定することは許されない。」(最高裁3小判昭和42.12.26民集21巻10号2627頁、判例解説民事篇 42年度656頁)
 境界確定訴訟の判断基準
   
「土地境界確定の訴においては,裁判所は,当事者の申立に拘束されずに,裁判所 が相当と判断するところに従って境界を確定すべきであるとされているが,これはも ちろん,境界の確定が,裁判所の自由裁量に任されていることを意味するものではない。

すなわち,裁判所は,まずできるだけ客観的に存在している境界線を発見するよう努力しなければならないのはもちろんであり,
その不明な場合に,いかにして境界線を定むべきかについては,法律は具体的にはなにも規定しているところはないが,
古 くから,裁判所の取扱と外国の立法例などによれば,

係争地域の占有の状況,
隣接両地の公簿面積と実測面積との関係を主にし,
このほか公図その他の地図,境界木又は界石,
場合によっては林相,地形等を証拠によって確定し,
それらの各事実を総合して判断するを要するとされているし,このことは条理に合したものと解せられる。

殊に,境界線を確定することは直接に隣接地の所有土地の範囲を確定するものではな いが,多くの場合それに対し重大な影響をもつものであるから,隣接地の実測面積と公簿上の坪数の関係は,それがなくとも境界線が明らかに定められるような特別な場 合を除いては,必ずこれを確定して,双方の関係を参酌して定むべきである。
このこ とは,わが国でも裁判実務上相当古くから現在まで行われている実務上の慣行とも言 る裁判所の取扱であることは,当裁判所に顕著なところである。もしこれらの証拠 資料によっても境界を知ることができないときには,衡平の原則から争いのある地域 を平分して境界を定めるなどしなければならない(大審院昭和11年3月10日判決
  ,民集15鰲695頁参照)。


いずれにしても裁判所は,常に合理的な理由づけのも とに境界を確定しなければならない。」
  (東京高裁判昭和39.11.26判例時報417号44頁)

14 筆界特定制度の創設
 ア 不動産登記法の改正
    平成17年4月6日,不動産登記法の一部が改正され,「筆界特定制度」が創設さ
   れた。
    この制度は,筆界(境界)に争いがある当事者の申立により,筆界特定登記官が筆
   界調査委員の調査を経て筆界を特定するというものである。
    「筆界特定」とは,改正後の不動産登記法123条の「用語の定義」によれば,
   次のように定義されている。  一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。

    土地の筆界の迅速かつ適正な特定を図り,筆界をめぐる紛争の解決に資するために
   設けられたものであるが,筆界特定登記官が行うことは,事実の確認(特定)であっ
   て,形成的な効力はなく,最終的に筆界を法的に確定する必要があるときは,従来ど
   おり境界確定訴訟によることとなる。これにより境界が確定した場合には,筆界特定
   は,抵触する範囲でその効力を失うとされている(同法148条)。
    当初は,行政型の境界紛争制度の創設によって境界確定訴訟の制度は廃止され,行
   政処分として行われ,不服がある場合は行政訴訟によるとする意見が提示されていた
   が,行政作用が強大になる反面,利便性も低いことから,最終的には,境界確定訴訟
   による手続も存置することとされた。

 イ 筆界特定制度の概要
   (1)  筆界の特定は,土地の所有権の登記名義人等の申請により,手続が開始される。
   (2)  筆界特定の手続では,専門的な知識,経験を有する者から任命された筆界調査
     委員が,筆界特定のために必要な事実の調査,測量及び実地調査等を行い,筆界
     特定登記官に意見を提出する。
   (3)  筆界特定の手続において,土地の所有権登記名義人等は,意見を述べ,資料を
     提出する機会を与えられる。
   (4)  筆界特定登記官は,筆界調査委員の意見を踏まえて諸事情を総合的に考慮し,
     対象土地の筆界特定をし,その結論及び理由の要旨を記載した筆界特定書を作成
     する。
      筆界特定登記官は,筆界を特定する場合は,筆界調査委員の意見のほか,「登
     記記録、地図又は地図に準ずる図面及び登記簿の附属書類の内容、対象土地及び
     関係土地の地形、地目、面積及び形状並びに工作物、囲障又は境界標の有無その
     他の状況及びこれらの設置の経緯その他の事情を総合的に考慮」(不動産登記法
     143条)する。
   (5)  筆界特定の結果は,申請人に通知するとともに,その記録を登記所において公
     開する。

 ウ 筆界特定手続と境界確定訴訟との関係
   (1)  筆界に争いがある場合,筆界特定制度を利用するか否かは当事者の選択に委ね
     られ,その申立により手続が開始される。
      筆界特定の手続を経ることなく,従来どおり筆界確定訴訟(境界確定訴訟)を
     提起して筆界の確定を求めることも可能とされている。
   (2) 筆界確定訴訟における釈明処分の特則
      筆界特定がされた場合において,当該筆界について境界確定の訴訟が提起され
     たときは,裁判所は,訴訟関係を明瞭にするため,登記官に対し,筆界特定手続
     記録の送付を嘱託することができる。また,境界確定の訴訟提起後に筆界特定が
     されたときも,同様である(不動産登記法147条)
   (3) 筆界確定訴訟の判決との関係
      筆界特定がされた場合において,当該筆界特定に係る筆界について境界確定訴
     訟の判決が確定したときは,その筆界特定は,判決と抵触する範囲において効力
     を失う(同法148条)。
筆界未定地の分筆(登研459号)
《分筆》
 ○要旨 筆界未定地については、原則として分筆の登記をすることはできない。
 ▽問 昭和47年2月4日民三第110号民事局第三課長回答によれば、◆国土調査◆の際に筆界未定とされた土地の分筆の登記について、当該分筆部分が紛争地と全く関係のない旨の証明書が添付され、かつ、登記官がそのことを現地において確認できる場合は、分筆の登記をすることができるとされているが、右先例は当該事案の場合に限り便宜認められたものであり、分筆の登記には、原則として分割後のすべての土地について測量し求積した地積の◆測量図◆を添付することとされているところから、筆界の一部が未定である土地の分筆の登記は、本来、認められないものと解されますがいかがでしょうか。
 ◇答 御意見のとおりと考えます。

2
地図訂正(登研273号)
《◆国土調査◆》《地図・建物所在図》
 ○要旨 ◆国土調査◆法に基づく地籍調査の結果筆界未定として処理された土地について、地積◆測量図◆を添付して、当事者双方から地図訂正の申出があれば、受理して差し支えない。
 ▽問 ◆国土調査◆法に基づく地籍調査により筆界未定として処理された土地の筆界が確定した後、地図訂正申出書に地積◆測量図◆並びに利害関係人の承諾書(必要なとき添付する。)を添付して当事者双方から申出があれば、受理して差し支えないと思いますが、いかがでしょうか。
 ◇答 御意見のとおりと考えます。

国土調査・地籍調査とは                


 国土調査は、国土の開発及び保全並びにその利用の高度化に資するとともに、あわせて地籍の明確化

の図るため、国土の実態を科学的且つ総合的に調査することを目的として実施されています。    

<国土調査法第1条引用>   

 地籍調査は、国土調査のなかの1つの調査で、一筆ごとの土地についてその所有者・地番・地目を調

査するとともに、境界の確認・測量、面積の測定を行い、現況にあった正確な地図(地籍図)及び台帳

(地籍簿)を作成する調査です。

 ※「一筆」 土地の所有権等の公示をするために、人為的に分けた区画のことです。登記所では一筆ごとに登記がなされ、

土地取引の単位となっています。

 ※「地籍」 一筆ごとの特徴実態(地番・地目・面積・所有者・権利関係)を記録したもので、人の戸籍にあたるものです。

 地籍調査により作成された地籍図と地籍簿は、土地の境界・面積・形状などを正確に示したもので、

個人の土地取引から公的機関による地域の整備・開発まで、およそ土地に関する行為のための基礎デー

タとなるものです。

 地籍簿が登記所に送付されると、登記官の職権により土地登記簿の記載が改められます。また、地籍

図は現在使用されている公図に替わり登記所に備え付けられます。

 ※「地籍簿」 土地の所在、地番、地目、地籍・所有者住所・氏名等を記載した簿冊、

 ※「地籍図」 土地の境界及び地番等を記載した地図



旧公図(和紙)の着色には塗り分けの規定があるのですか?

和紙で作られた公図、いわゆる「旧公図」では土地に着色されているのをよく見かけます。
基本的には以下のような色分けがなされているようです。*1
道… 赤色             宅地… 薄い赤色
水路… 水色            原野… 黄緑色
田… 黄色             山林… 緑色
畑… 薄茶色

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