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さしゃの二次小説(ハリポタ)コミュの本編第十六章 惨劇5

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ハリポタ二次小説 レナスの物語

第十六章 「惨劇」5 決断



「あら…助けに行くつもり?ナイト様…?」


一歩動くスネイプの前に、地に伏せていた筈のヘルが立ちはだかる。


「貴様…何をした!」


スネイプの頭の中は、疑問でいっぱいだった。
シオンもレナスも油断をしてはいなかった。にも関わらず、こうも簡単に捕らえられてしまったのは何故か?
動きを封じられたゴーレムが、頭を失っても尚、動けるのは…?腕が増えた理由は?そして…最大の疑問は…。


「貴様…。麻痺光線をまともに浴びて、何故動ける?!」


再び杖をヘルに向けた。
しかし、ヘルのほうが早かった。


杖を掴まれ、スネイプの首にヘルの手刀が振り下ろされる。
ドサリと床に倒れるスネイプの腕をヒールで踏みつける女。


「頭がグラグラして、私の顔が5つ6つに見えるでしょ…ナイト様?」

「な…に…?」


スネイプから見えるヘル。
彼女が言うほど、簡単なものでは決してなかった。

何もかもが揺らめき、夢の中と言うよりは、ぐるぐる回りうねった空間に放り込まれたような感覚だった。内臓をかき回され、嘔吐しそうな程のものを必死で耐える。
手足が痺れ、立ち上がることは愚か、視線を向けるのもやっと。
スネイプは、虚ろになっていく意識を、どうにかつなぎ止める。


「沢山疑問があるようね?ナイト様?教えてあげましょうか…?」


ニヤニヤ笑ったまま、女の足が容赦なくスネイプの腕を貫く。
痛みすら感じなくなったスネイプは、されるがまま、しかし女の声だけは頭にハッキリと入ってくる。


「ゴーレムって言うのはね、召喚した術士の能力に比例するの。もともと、土で出来たお人形が、どう形を変えたって不思議じゃないわ。例えば腕を何本も生やしたり…ね?」

「ゴーレムの弱点さえ分かっているのだから、冷静に仕留めれば簡単。その考えが仇になって、死角が生まれるのよ。……本当に…お馬鹿さんね……。」

「そして…貴方の魔法だけど…。私の体を貫いたのは事実。でもね、ナイト様?元々命を捧げた私達ヴァンパイアに、麻痺光線が効くとでも思って…?」


全ては、隙を生むための芝居。
朦朧とする意識の中で、スネイプの視線が捉えるもの。


シオンを握っている拳が、徐々に締め付けられていく。拳の中心に居る者が吐血する姿。
そして、捉えられたレナスが、何度も何度も壁にたたきつけられ、そのたびに壁が血に染まっていく光景。


「や…めろ…」

「なんですって?よく聞えないわ…」

「やめ…させろ…!」


ようやく声にしたが、それをヘルが笑う。


「おかしなこと言うわね…?言ったでしょ…?逃がさないって…。」


言葉とは裏腹に、腕から足を離す。
すると、巨大な腕が、スネイプにゆっくりと伸びる。


ついには、スネイプまでもがゴーレムに捕らわれてしまった。



ゴーレムの力をまざまざと見せつけられた一同が、頭の中で考えた言葉。


まったく…歯が立たない……



「口ほどにもないわ…」


ヘルがつぶやいた時には、ゴーレムの腕が数本さ迷い、頭を再生させていた。
その一本の腕が、ヘルを乗せ、巨大な肩へと誘導する。


「まったく…分らないわ…。潜在能力を秘めてる癖に、どうしてそれを発揮しないの?お姫様?」


ヘルが軽く手をあげると、ゴーレムが攻撃を止めた。
玩具の様に玩ばれたレナスは、体中の衣服が擦り切れ、穴だらけになっている。所々見える素肌が赤黒く染まっていた程。


「何故マスター・オーディーンは、貴女に手出しをしようとしないのかしら…?」


不機嫌そうに、呟いたヘルの意味深とも取れる言葉。
女はレナスを睨み付けたが、感情を抑えるかのように、にっこりと冷たく微笑んだ。


「さぁ、お姫様。条件を提示して差し上げますわ。」


倒れたレナスは、意識を朦朧とさせていた。それでも全身に力をこめて、立ち上がろうとする。


「貴女が私と一緒に来て下さるのなら、今までの非礼をお詫びしましょう。」


四つんばいの状態がやっとのレナスは、ゼーゼーと、肩で息をする姿が痛々しい。滴り落ちる赤が、どれほどの傷を負ったかを物語り、今にも途切れてしまいそうな意識と戦う。


「貴女が、【うん】と言ってくださるなら、この2人を解放して差し上げます。もちろん、このホグワーツの生徒にも手出しはしないとお約束しましょう。」


立ち上がることが出来なくとも、レナスの耳に届いていたのか、痛みと血に染まった顔を上げ、ヘルを見る。




「さあ…。良い返事を、いただきましょうか…?」




静止するかのような間が流れる。



まるで、ふわふわと浮いているような感覚がレナスを襲った。
パニックに陥らないのが奇跡的だ。



私の選択で…2人が殺される…?



もはや、力つきる寸前のレナス。
それでも、拳を握り、地に爪あとを残す。


「レナス…」

「レナス…!」


男達が少女の名を呼びかける。
しかし、彼女は応えない。


ここで、わたしがこの女について行けば…、2人も、ホグワーツも助かる…


でも…それは…


見放すことなく、信じてくれた
シオンも、セブルスも、アルも、ギルも、ダンブルドアも…
みんなを…


皆を裏切ることになる…

もう二度と戻れなくなる…



踏み込んでしまったら…
皆が敵になる…



死ぬ位だったら…簡単だったのに…



みんな…



「レナス!迷うな!!」


ビクリと肩が跳ね上がるレナス。


「スネイプ殿…?!」


スネイプと同じように囚われたシオンが声の主の名を呼ぶ。
レナスもシオンも、戸惑いを隠せず、目を開く。そして、スネイプの言葉は続いた。


「お前が信じるものは、お前が思うほど軟では無い!!皆を信じろ!!」



「セブ……」



「五月蝿いゴミめ!!握り潰せっっっ!!」



「やめろっっ!!!」



シオンの言葉が空振り、ゴーレムがスネイプを握る腕に一気に力を込める。


悲鳴を聞く間もなく、バキバキと鈍くおぞましい音を立てると、スネイプの頭がだらりと垂れ下がる。


「セブルスっっ!!!」

「スネイプ殿っ!!」



「余計なことを言って、姫を惑わすからいけないのよ?ナイト様…?」


そして、動かなくなる男の体があった。


レナスが、スネイプを見たまま、ガタガタと震えだした。
瞳からは、生理的に伝ってしまう涙。

瞬きひとつせずに、その光景を見入っている。


「さあ…!!同じような死骸を増やしたくないなら、従いなさい!!」


うつむくレナスは、目を閉じる。湧き上がってくる何かに身を委ねる。


「応えろ!!」


ヘルが怒声を発し、レナスめがけ掌から光線を放った。
光線が無数に増え、狙い打つ。レナスは、まだ立ち上がらない。


「レナス、逃げろ!!」


シオンの言葉も虚しく、ひとつまたひとつレナスを狙って降り注ぐ。


爆音が響き、舞い上がる砂が、レナスの姿を隠す。
しかし、光の光線は、止むことはなかった。


「私は、貴女が死体であろうとも構わないのよ。死体さえあれば、血の抱擁で甦るのだから…ね?」




…………?!



閃光は確実にレナスを捉えた筈。
立ち上がることさえままならなかった筈。


しかし、そこにいたのは、両足で地を踏みしめるレナスの姿。


「……なぜ…無事でいるの…?」


よけた…?


ヘルの疑問をよそに、レナスは何事も無かったかのように歩き出した。その背中には、大きなコウモリのような翼を背負ったまま。


「往生際が悪いわね!!」


掌から、光の玉が作り出される。
そして、光の速さで放たれ、レナスに襲い掛かった。


「うるさい…」


拳を握り、光の玉を見事に弾いた。


「な…なんですって…!」


起動を変えた光の玉が爆発し、天井、壁、床の岩という岩を抉り出す。

ヘルが驚くのも無理は無い。
それほど、強力なエネルギーを帯びた力を放ったのだ。容易に跳ね返すことなど、今のレナスを見ている限り不可能。

岩がガラガラ落ちるのもお構いなしに、レナスは一歩一歩く。


「何が起こったっていうの…?歩けもしない体にしたのに…!」


顔を上げることなく、歩き続けるレナスに、得体の知れない恐怖を感じるヘルは、焦りを隠せない。






「止まりなさい…」




「止まりなさい…!」




「止まれって言ってるのよっっ!!!!」




その言葉で、ぴたりと足を止めた。



「レナス…?」



明らかに様子がおかしいのはシオンから見ても明白だった。
これは同考えても、異変なのだから。


「良いこと?それ以上近づいたら、今度は、このすばしっこいネズミを握りつぶしてやるわ!あんたは、私の言うことを聞けばいいのよ!!」


怒鳴り散らすヒステリックな声が充満する。
しかし、明らかに怯えた様子のヘル。こめかみに汗を貯え、するりと滴る。


そして、レナスが、顔を上げた。


「【言うことを聞く】って言うのは…、あんたに付いて行く事か…?」

「な…」


言葉を放ったレナスの姿が消えた。
ふわりと砂埃だけを残して。


突如、凄まじい音を立ててゴーレムの腕が落ちる。
シオンとスネイプを捉えていた腕だ。


シオンは、開放された瞬間身を翻し、うまく着地をする。スネイプを助けようと、視線を上げたときには、赤い影が彼のを捕まえ、着地の衝撃を和らげていた。


「何をしたっていうの…?何が起こってるの…?」


機敏さと、おぞましいほどの重圧を備えたレナスを目の前に、ヘルはただただ疑問を投げかけることしか出来ない。


「一緒に来いといったな…?ヘル…」


ゾクッ…。
呟くような言葉。
しかし、その言葉に恐怖を感じ取った。


「その質問に答えるのは、これで最後だ…。」


スネイプの息がある事を確かめると、一息つき立ち上がる。

顔をあげ、ヘルに眼光を向ける。



「もう二度と言わない…!」



レナスの顔には、薬を飲んでから、まったく浮かび上がる事のなかった紋様が浮かび上がっている。
普段の紋様よりも色濃く、そして頬を覆う様に広がっている。





【答えは……NOだ…!!】







ヴァンパイアの能力と、魔力を失ったレナスの【 復 活 】






「さぁて…反撃開始…みたいな…?」











****続く****

コメント(9)

ヘルと、レナスのイラスト描いてます。
もう少々お待ちください(^^;;

というか…ヘルのイメージがあったのに、だいぶ違う感じになってきたなぁ…。
7:3でショート、整髪料でピッタリ撫で付けられたイメージだな〜

薬で封印されていた事実をヘルゎ知らない訳なんだよな
だから吃驚してるのか、なるほろ。
クラウドさん

覚醒!おお!まさにそんな感じです!
覚醒したレナスって…あたしも怖いかも。

なんていうか…もう、人間じゃない…的な…( ̄▽ ̄;)
しらけさん

ヘルはいろ〜〜んな意味で、レナスやその周りの事を「勘違い」してるのだと思う。
自分の目に写ってるものだけを真実と思い込む。
見えていない部分だって、ちゃんとあるのにね。

だから、レナスの力量を、ただ測りきれていなかったってだけ。だから、驚いてるのよ。まさかこんなはずじゃ〜〜みたいな?

ちなみに、ヘルはあと、色をつければ完成!
しかーーし!色塗りは、明日以降になりそう〜。

にゃるほろ、
「ヘル」というキャラにゎそのような役割があったのか…

|Д゚)φ_メモメモ

ヘルの完成図待っとるでよウッシッシ=ヒ
しらけさん

一応、居なくて良い奴というのは、作りたくなくて。
一人一人を薄くなんてしたくないからさ。

だから、私はヘルという存在も好きだよo(^-^)o
私の子だもん☆役割を果たして頂くのだ♪へ(^o^ヘ)(ノ^o^)ノ♪


ヘルの完成図…アップできる代物じゃないかも…←どうやら酷いデキらしい(爆)
はわわわわわ目がハート目がハート目がハート目がハート目がハート目がハート目がハート

レナスの反撃開始exclamation ×2exclamation ×2exclamation ×2カッコいいハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)

スネイプ先生がレナスに言う、


迷うなexclamation ×2
お前が信じる者は、お前が思うほど柔ではないexclamation ×2
皆を信じろexclamation ×2



って台詞exclamation ×2
感動しました目がハート目がハート目がハート目がハート目がハート目がハートハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)
やっぱりスネイプ先生ぴかぴか(新しい)カッコいいハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)

でも気絶中…
先生は大丈夫なんですかexclamation & questionexclamation & questionexclamation & questionexclamation & questionexclamation & questionexclamation & question
璃っちゃん

いやーそんなにかっこいい〜?照れる〜ハート達(複数ハート)←お前じゃないって(笑)

セブちんは、きっとレナスの軌道を修正するかなぁ〜とか思ったのよ(*^_^*)


しかし気絶中…。
以前もこんなことあったね(ToT)

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