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さしゃの二次小説(ハリポタ)コミュの本編第十六章 惨劇4

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ハリポタ二次小説 レナスの物語

第十六章 「惨劇」4 団結



「召喚ゴーレム!!」


両腕を付き、大きく開いた目は、完全にシオンを捉える。



「遊んであげて…?私の可愛いお人形さん。」


ヘルが口元を歪める。

言葉と同時に、振り下ろされる巨大な腕。


「シオン避けて!!」


レナスが力の限り叫ぶ。
同時に、ひらりと身を交わす黒い影。


振り下ろされた拳が、地面をえぐり石礫を飛ばす。


「くっ……」


視界を塞がたとき、反対方向から飛んでくる平手がツンと跳ねた髪を掠る。
再び飛んでくる拳。


「へぇ?結構すばしっこいのね?ネズミさん…?」


眉を寄せるが、それでも口角を上げるヘル。
その間も、ゴーレムとシオンの戦いは続いている。

瞬時に移動をするシオンと、、そこに目掛けて拳を振り下ろすゴーレムの攻防。そして、壁を蹴り、天井を蹴り、素早いそれは完全にゴーレムを翻弄している。しかし感情を持たない人形には、ソレが精一杯だった。


「なんて速さだ…」


ため息にも似た言葉を呟くスネイプ。しかし当然かもしれない。それほど、激しく動き回るシオンの潜在能力は、いったいどんなものなのか…?
とても間に入って何かできる状態では無い。
そう、何処かで認めざるを得なかったスネイプだった。


そして、疑問が浮かぶ。


≪アレだけ動けるにも関わらずに、何故反撃をしない…?≫



巨大な拳に手のひらを向け、なにやら呪文めいたものを唱えるシオン。
同時に、ゴーレムの腕がボロボロと崩れ去り、ただの土へと還る。


「よしっ…!これで反撃の機会が…」

「いや…違う…!」


レナスが指し示す方向を負うスネイプは驚愕した。
還ったはずの土が集結し、再び巨大な腕へと形成されていく。

そして、完全に元に戻る腕。


「あれは…。」

「ゴーレムは、ヴァンパイアの血文字を核に動く。核を潰さない限り、永遠に再生を続ける。」


≪それでか…反撃をしなかったのは…。≫


険しい顔つきで見守る2人。


「避けてばかりじゃ、勝てないわよ?!」



………殺れ…!


静かに響いたヘルの言葉。
ゴーレムが、力の限り腕を薙ぎ払う。

一瞬の隙を突かれ、弾き飛ばされたシオンの身体。岩の突出した壁に打ち付けられ、床に倒れる。


「くっ……!!」


「シオン!!」

「……私を怒らせるからいけないのよ?ボウヤ…?」


笑みを浮かべるヘルを鋭く睨むレナス。
駆け寄ろうにも、スネイプがレナスを掴んで放さない。


「待つんだ!」

「邪魔しないで!この女は、私が…!」



「あら?お姫様はご立腹?大丈夫よ、次は貴女の番なのだから…。」



「それはどうかな…?」


ヘルの言葉を途中で裂いたのはスネイプだった。


「えぇ…勝負は…これからです…!」


ヘルの耳元で聞こえたのは、低く唸るような声。


「な……!」


振り返った時に飛んでくるのは、シオンの蹴り。

しかし、その足を防ぐのは、ゴーレムの腕。尽かさず薙ぎ払われる腕を除け飛びのく赤い影。

重い蹴りと巨大な拳の衝突で、再び土と砂が舞う。
一瞬静止するが、シオンが圧し勝った。衝撃でまたもやゴーレムの腕が破壊され、崩れる。


ひらりと着地したシオンは、不機嫌そうにスネイプに視線を向ける。


「まったく…余計な邪魔を……」

「それが嫌なら、是が非でも切り抜けてみ給え。」

「………簡単に言ってくれる…」

「【主人】を守るのだろう?」

「えぇ…当然です…!」


腕の再生を始めるゴーレムに向き合い、小さな剣を構える。


「シオン…【核】は見つけた?」

「ヤツは、執拗に頭を守っている、恐らくは……」

「狙うのは頭か…。」



「【核】?何だそれは。」


訳がわからないと言った具合のスネイプを他所に、シオンとレナスの会話は進んでしまう。


「ゴーレムの動きを止められるか?」

「ヤツは血の魔力で動いている。クラーケンのようには行かないでしょう…。持って数秒かと……」

「数秒か…、短いな…」

「動けますか?その体で…」

「大丈夫。やるよ!」

「ではこれで…。ゴーレムの首を落として下さい。」

「え…?これって…。」


シオンがレナスに差し出したもの。先程まで構えていた、まるで玩具の様な鞘に納まった小さな剣。


「重い…」


手に取ったレナスは、玩具の様に見えた剣に、只ならぬものを感じた。
黒く光る鞘には、様々な装飾がされているが、遠目から見たら普通の短刀に見える。しかし、手に取った瞬間に全身の神経を刺激されるような感覚と、まるで抱擁され守護されているような、間逆の感覚が吸い付いて離れない。

いざと言うときに、シオンが必ず手にする剣だという事を、知っているレナスは、この剣には何かがあると、直感した。


「あぁ…その剣は抜けませんので、鞘ごと使ってください。」

「はっ?!」


目を見開くレナスは、またもやシオンに食ってかかる。


「抜けないって…。そんなんで、どうやって、あの馬鹿でかいヤツの首落とせっての?!」

「相手は所詮、土で出来た人形です。貴方の馬鹿力なら、出来るでしょう?」

「カッチーン!!」


既に背中を向けていたシオンに対し、死ぬほど溢れ出てくる文句を何とか堪えた。


「スネイプ殿、貴方はヴァンパイアを足止めして下さい。」

「待て!何の話だ!」


会話についていけないスネイプは、とりあえず並んで杖を構える。
シオンとレナスのWの睨み攻撃がスネイプに向く。

何故睨まれるのか分からないスネイプは、肩を小さくしたい気分だった。


ため息混じりに口を開くのはレナスだ。


「さっきの血文字が書いてある布。その文字は、ゴーレムに必要な【核】になる。ゴーレムを倒すには、書かれた文字【emeth】(心理)の頭文字を切って、【meth】(死)にするしかないの。わかった?!」


少しツンとした言い方に加えて、素早いしゃべり方。
焦っているのが、手に取るように解る。


「オレが動きを止め、主が核を探し出し、断ち切る。だが、あのヴァンパイアが、易々それを許しますかね…?」


シオンの呟くような言葉に、スネイプが全てを察する。


「それで、我輩の助力を乞うのかね?」

「えぇ…一つ【貸して】居る事ですし…返していただきませんと…ね?」


スネイプの脳裏に、先ほど宙に浮いていた自身の姿が浮かんだ。


「不愉快極まりないな。さっさと返すとしよう。」

「どうも…」


お互いが不愉快そうな顔をしていたが、どことなく口元を上げる。

レナスは思った。


≪このいがみ合いが無ければ、いいコンビだと思うんだけどな…≫


見事と言える冷静さを取り戻して叫ぶ。


「よし!行くぞ!」


意気込むレナス。


「お前が仕切るな!」


その頭を軽く叩くスネイプ。


「さっさと…終わらせますか…」


ソレをみて少し笑うシオン。


しかし瞬時に切り替わる。
険しい顔と、緊張を帯びた顔へと。



再生が終わったゴーレムが再び動き出す。


一斉に飛び出し、配置についた3人。


ゴーレムの足元に飛ぶレナス。大きな翼を生やし空中を舞うシオン。


そして、スネイプが、ヘルの前に。


「悪いが、相手をしてもらうぞ。」

「生意気な…!」


杖から放たれた閃光がヘルを襲う。
ひらりと交わし、反撃する。


ガキィィィーーーン!!


杖で防いだヘルの攻撃。
指から、30センチ以上伸びたソレは、赤く染められたヘルの爪。

ぶつかり合う両者。
一歩も引かない。否、引くわけには行かない。


「へぇ?ゴミの割には良い反応するじゃない…?素敵よ?ナイト様?」


ギチギチと迫ってくる長い爪。そのターゲットはスネイプの首元。
しかし、スネイプは、ニヤリと笑ってみせる。


「爪の手入れも出来ん女に、興味も湧かん…。」

「何ですって?!」


ヘルの感情が乱れた感情の一瞬をついて、ヘルの胸元を蹴る。
大きくよろめき、数メートル後ずさる。


「ゲホっ…!女を蹴るだなんて…!なんて下品な男…!」

「悪いが、死人を女と見る程、我輩は甘く無い。暫しそこで大人しくしていて戴こう…」


そして、杖を向ける。


【ステューピファイ】麻痺せよ!!


赤い光線が、ヘルの胸を貫く。ゆっくりと膝をつき、地面に沈むヘルの体。


「…き…きさま…殺してやる……!!」

「黙って見ていろ…!貴様には聞きたい事が山ほどある。」


そして、スネイプは床に伏せるヘルを横目に、シオンとレナスを見る。


「あの2人がゴーレムを仕留めるまでな…。」


舞い上がるシオンは、完全にゴーレムの気を引き、風の音を立て、飛びまわる。


≪速い…≫


思わず声に出そうになった。
しかし、ゴーレムの死角で、機をうかがうレナスは、動かない。


振り下ろされる腕に、掌を向けるシオン。


「破っ!!」


肩を破壊。
崩れる腕が落ちる。

掌を向けたまま、得体の知れない何かを放つ。いつかクラーケンの動きを封じた能力だった。


「レナス行け!」


叫ぶシオン。


「わかってんよ!」


動かなくなった、ゴーレムの腕を蹴り肩を蹴り、素早く昇りつくレナスが、剣を振りかぶる。


「ってか呼び捨てを…すん…なっっ!!」


言葉に乗せて振り下ろす。
音を立てて弾け飛ぶ。ゴトリと落ちる頭が転がり、徐々に地に溶け込んでいく土。

動かないゴーレムの肩から飛び降りるレナスの目に入った物。
泥だらけに汚れた、血文字の書かれた布。


「これで終わりだ!」


剣を構え、飛び降りた勢いのまま剣で狙う。




地上まで、
2メートル




1メートル




しかし、床に伏せたヘルが不適に笑う





「……甘いわね…」





一転に向かって飛び降りたはずだった。地上に降りてくる筈のレナスの姿が一瞬で消える。
いや、消えたのではない。
どす黒い塊が、レナスの体を打ち付け、岩の壁を深くえぐる。


「あ゛ッッ…!!」


その衝撃が全身を貫き、口から鮮血を吐き出す。崩れるように倒れ、その体を黒い塊が握りつぶす。


「「 レナス!! 」」


男2人が叫んだときには遅かった。


シオンの背中に伸びる魔の手。


「何…?」


振り返ったときに、頭を出したまま、体を握りこまれる。
それは、動かないはずのゴーレムの背中から新たに生えた、巨大な腕。


「くっ…!」


凄まじい握力で拘束されたシオンはもがくことさえ出来ずに、体力を消耗する。体中の骨がきしみ、音を立てるのが分かる。痛みで顔をゆがめる。
このゴーレムは、掌にいるシオンを、間違いなく握りつぶすつもりだ。



「シオン!」




叫び、一歩動くスネイプ、しかし目の前に立つ者で、動きを静止させた。



「あら…助けに行くつもり…?ナイト様…?」




地に伏せていた筈のヘルが立ちはだかる





****続く****

コメント(4)

倒れてくれませんねぇ…ガクー
しかも、ヘル殿は遊んでいる様な感じが見受けられますし。

レナスとシオンが超ピンチで〜うぃっしゅ!
しらけさん

倒れませんね〜〜( ̄д ̄) 
遊んでる遊んでる。

ヴァンパイアってのは、魔力がハンパないんすよ。
というのは、また後ほど説明する機会があると思うのだ〜〜。

レナスとシオン、セブちんもピンチねぇ。
この3人がピンチって、パネェと思うんすよ〜!←ウィッシュというから、DAIG●が降臨しちゃったよ〜〜σ(⌒д⌒;)
わーげっそりげっそりげっそりげっそりげっそり
魔法が効かないって事ですかexclamation ×2exclamation ×2exclamation ×2exclamation & questionexclamation & questionexclamation & question

どうなっちゃうんだろう…がまん顔がまん顔がまん顔がまん顔がまん顔
続きに行ってきますexclamation ×2exclamation ×2exclamation ×2

スネイプ先生ぴかぴか(新しい)とシオンのコンビexclamation ×2exclamation ×2
私も好きですハートハートハートハートハートハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)ハート達(複数ハート)
璃っちゃん

詳しく書いてないけど、
ヴァンパイアは死んでいる種族なので、生きている人間のように筋力に制限をかけないのよ。←医学的に人は、無意識に体に制限をかけているという説。
実は、その制限をかけないと、体の耐久力がもたない。だから痛みという、危険信号があるのよ。←雑学。

つまり、ヴァンパイアはその歯止めが効かず、痛みもあまり感じない。
弱点になる急所はもちろんあるけどね。


セブちんとシオンは、協力するなら、もっと平和的にすればいいのにね(ToT)

みんな素直じゃないからねー(^_^;)

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