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さしゃの二次小説(ハリポタ)コミュの本編第十二章 特訓と成果11

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ハリポタ二次小説 レナスの物語

第十二章 「特訓と成果」11 通じるもの



絶望の淵に立たされた生徒達だった。


しかし


「……確かに、東洋でも【守護霊】は存在します…。」


意外な人物からの助け船だった。低く、ゆったりとした独特の話し方と、その声色で、注目を集めるシオン。疑問を抱いていた者達が彼に耳を傾ける。


「一般的に、東洋で【守護霊】は人の姿…。しかし、魔法という呪により…獣に具現化される…。それが…別名【パトローナス】…。【無意識】、【魔がさす】という言葉がありますが…、この守護霊の影響だとも言われてる。目に余る悪影響を齎す者があれば、守護霊を取り替える、【守護霊交代の儀式】さえも行う。それ程までに、守護霊の影響は大きい。」


瞬きを多くしながら、レナスはシオンから視線を逸らせないでいる。


「ですから…主のお考えは…強ち間違っては…いませんよ…。」


一瞬で空気が変わる。


「じゃあ…もしかして…。」

「やってみる価値は…あるかと…」


跳ね上がりたい気分が、彼女の表情を明るくさせた。


「ダンブルドア!シオンの言葉だったら、信用できるよね?!ね!?」


ダンブルドアは、困惑したような表情を覗かせてはいたが、明らかに先程とは違った。
可能性を信じるか否か。
再び、考えを覆そうとしている様子がレナスに希望を持たせた。
レナスだけではない、アルティアや、ギルガにも。


「貴様…。何故、異国の【魔法ではない知識】を知っている…?!」


シオンに詰め寄るスネイプ。
一瞬、冷ややかに視線を交わした。


その瞬間レナスの背中に冷たいものが這う。

また、勃発するのでは無いか…?と。


しかし、レナスのそんな感情を察したのか、彼女に一瞬視線を投げ、シオンは表情を和らげた。


「オレは…少なくとも貴方の4倍は長生きしていますので…。それなりには…。」

「……ふんっ!ジジイめ…!」

「はい。しかし…伊達に、年は食っていません、よ…?」

「モウロクした知識で無い事を祈りたいものだ。」

「どこぞの、どなたかと…一緒に、なさらないで戴きたいのですが…?」

「まさかとは思うが…それは、わしの事かのう?」


シオンを睨みつけるスネイプとのやり取りに、ダンブルドアまでもが加わる。
皮肉を言い合ってるはずなのにも関わらず…。


何処か柔らかい空気が包み込む。


「フフッ……。」


思わず笑いが零れ落ちる。
今まで緊迫と絶望に包まれていた空間が嘘の様だった。

緊張からの解放と、心底の安堵によって、レナスは口元を押さえ、笑いを堪えている。


「主…?」

「何が可笑しいのだね…?」


シオンとスネイプから、Wの疑問。


「だって…なんか、仲いいなぁ〜って思って。」


クスクス笑うレナス。
爆裂仲の悪い2人が視線を交わし、何処がだ!?とでも言いたそうに、同時に溜息をついた。


《だから…そゆとこが、仲が良いって思うんだけど…。絶対この2人、何か通じてるものがあるよな…。本人達は気付いてないのか…?》


柔らかい空気に包まれた空間に、明らかに置いて行かれてる者達がいた。
アルティアや、ギルガは、それ所ではないと言った雰囲気で、一同を見つめている。



しかし、それをよそに、レナスは何故笑えるのか、疑問だった。




「あの!……許可を…頂けるのでしょうか…?!」



結論を急ぐアルティア。





「そうじゃのう…。」




その顔に携えた、白く長いひげを玩ぶ老人に注目が集まる。




「ダンブルドア…。そうやって、いじめるの…悪い癖だよ…?少なくとも、アルもギルも単純なんだからさ……。」



レナスの呆れかえった表情と言葉。
まるで、ダンブルドアが出す結論を、解っているかのような…。



「え?いじめるって…」


今度は、レナスとダンブルドアを交互に見やる、アルティアとギルガの2人。


「それじゃあ…許可を……」


アルティアが言いかけた時。


「オレが就けば、何も…問題は生じないかと…思いますので、ね。」


柔らかい表情でシオンはアルティアに返す。


「ギルガくん!続けて良いって!!」

「マジっすか!!」


やっと事情を察した2人が、腕を組んで飛び跳ねる。
それを、にこやかに見守る一同。


「ギル、またビシビシ行くから、覚悟しといてね?」

「うっす!!がんばるっす!!」


沈んでいた空気が、生き生きと蘇る。
レナスは、そんな少年の表情に、笑顔を向けた。


「しかし…問題が…。」


激しく喜びを分かち合っていた、生徒達に水を差してはまずいとは思ったようだが…。
シオンは言葉にせざるを得なかった。


「パトローナス召喚魔法は、高度な魔法…。それを彼が扱えるか否か……」

「うん。確かに難易度は高い魔法だね。」


シオンとレナスの言葉に、再び表情を曇らせるギルガ。


「でも、ギルなら出来ると思う。この子の魔力が半端ないのは、シオンも知ってるでしょ?」


ケロリと言ってのけるレナス。
どこからこの自信が沸いてくるのやら…。


「仮に…召喚魔法を扱えるようになったとして…。パトローナスの説得は…、誰がするのです…?」

「私とアルが居るじゃん。目には目を!なんて〜。ちょっと使い方が間違ってるけど…。」


その場に居た全員が、固まる。
確かに高度な魔法。技術も精神力も要する。



「レナス…。お前は…パトローナスの召喚魔法が使えるというのかね…?」


スネイプの言葉に、レナスは目を見開く。


「出来ないのに、こんな事言ってるって思ったわけ?!」


ついつい声を大にする。
そして、それに対して、深く一同が首を縦に振る。


「そうだよね…。あたしが、パトローナス召喚できなかったら、そりゃ無謀に見えるよね……。」


床に突っ伏したい気持ちを抑えて、気を取り直す。


「パトローナス召喚だったら、教える事が出来る。」

「そう簡単にいけば良いがな…。」


スネイプの怪訝そうな表情に、レナスは口角だけを上げる。


「あたしを誰だと思って…言ってるの?」


その自信は何処から来るのか…。
スネイプはそう感じたが、瞬時にその考えが消え去った。


それは、レナスの日頃、怠ることがない弛まない努力がそうさせたのだ。


「と、言うわけで、シオン…じゃなくて、ウォルハさん。お願いして良いかな…?」

「お役に立てるのであれば……」


そのやり取りを見ていたスネイプ。


彼が、シオンに歩み寄る姿を見て、今度は何だ?とレナスは再び警戒する。


スネイプが右手を腕をあげた瞬間、一瞬レナスは足を踏み出す。



しかし、彼がとった行動は意外なものだった。



シオンに向き合い、彼の左肩に手を乗せ…



そして……



「彼等を…よろしく頼む…」


この信じられない程の柔らかい言葉に、シオンは言葉無く頷き、応える。



レナスは、そんな2人を目の当たりにし、心の奥底から湧き上がって来るものを感じた。



爆発しそうな程の嬉しさが、顔を赤く染める。



顔を崩し、微笑む。








ほら





やっぱこの2人





通じるものがあるんじゃん






****続く****

コメント(2)

スネイプ先生とシオン君を繋いでいるのは、レナスだよねー(*^.^*)
レナスの為にケンカしたり、協力したり。
そんな繋がりを生み出せるって、素敵です(*^-^*)
みけちゃん

この2人は元々、なんとなく似てるんだよね…。
んで、レナスも、この2人、どちらとも似てるんだよね( ̄▽ ̄;)

でも、やっぱ、この2人は、レナスの為ってのがあるんだろうね〜〜(*^▽^*)
レナス本人は、自分がその架け橋になってるなんて、気付いて無さそうだけど…。

誰か一人でも欠けてたら、絶対に生まれない繋がり。
それも含めて、レナスの存在って、大きいっぽい!!

人ってそう言うものさ。

皆、繋がってるんだよね☆

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