シリーズの原題を列挙すると、『ダイ・ハード2』(Die Hard 2: Die Harder) 『ダイ・ハード3』(Die Hard: With a Vengeance) 『ダイ・ハード4.0』( Live Free or Die Hard アメリカ本国の原題)Die Hard 4.0(国際版のタイトル) 『ダイ・ハード/ラスト・デイ』(A Good Day to Die Hard)。
5作目の『ラストデイ』はあくまでも邦題で、原題のA Good Day to Die Hardは、「死ぬにはいい日だ(="It's a good day to die.")」の文字りだそうで、それじゃあ終わらないよね。この邦題は誤解招くよ。
ちなみに3作目のWith a Vengeance は「猛烈に」という意味でヴェンジェンス (Vengeance) のみだと「復讐」という意味になる。確かに、敵のボスは1作目のボスの弟で、マクレーンに倒された兄貴の復讐をテロに乗じて企てるという話だった。
原題のKilling Them Softlyとオバマの演説と物語の中心となるチンピラ強盗の後ろ姿がザッピングされる映画の冒頭がまず素晴らしいのだけれど、タイトルのKilling Them Softlyはブラピの台詞から。
そういえば中国人監督チェン・カイコーがアメリカで撮った『キリング・ミー・ソフトリー』は原題:Killing Me Softlyそのままだけど、me(私を)Them(彼らを)の単数と複数の目的格を使った言葉遊びかと思いきや、『キリング〜』は同名原作小説があるから、オリジナルの『ジャキー〜』で脚本も兼任した監督のアンドリュー・ドミニクがそれを意識したかは、映画の内容も全く被らないので分からない。
どちらにしてもやっぱり元は、日本でもコーヒーCMで使われたので耳にした人も多い、’72年にロバータ・フラックが唄い大ヒットしたナンバー、Killing Me Softly with His Song(邦題:やさしく歌って)なんだろうな。何度もカバーされてその際は、Killing Me Softlyに略されることもあるらしいから。
恥ずかしながら、「やさしく歌って」は子供の頃に日曜洋画劇場の放送時にCMで流れたので聴いたことはあってもタイトルまでは知らず、音楽ドキュメンタリー映画『ブロック・パーティー』で、フージーズの再結成でメンバーだったローリン・ヒルがカバーしたのを聴いて、初めてこの曲がKilling Me Softly with His Song(邦題:やさしく歌って)だって知った次第。名曲は何年経っても色褪せないなぁ。
その『ブロック・パーティー』で、ローリン・ヒルがKilling Me Softly with His Songを唄ってシーン↓
『マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺』原題:Die Verfolgung und Ermordung Jean Paul Marats dargestellt durch die Schauspielgruppe des Hospizes zu Charenton unter Anleitung des Herrn de Sade
●ベルリン忠臣蔵
1985年制作の西ドイツの映画。原題は『SUMMER OF SAMURAI(夏の侍)』。現代のドイツに大石内蔵助が蘇り、悪い事をする会社の人間を成敗していくという内容からしてトンでもな作品。大石内蔵助=忠臣蔵ということでつけられた邦題なのですが、作品の舞台はハンブルグでベルリンはまったく関係なし(笑)。