宮崎伸一郎先生コミュの５，あいだを生きること

５，あいだを生きること

　以前、ある人から「死ぬの反対って、何だと思いますか？」と聞かれたことがあります。「生きるじゃないの？」と答えると、その人は「残念でした。死ぬの反対は生まれるですよ」と教えてくれました。
　確かに人間ができることは、生と死のあいだを、どのように生きるかということだけなのかもしれません。生まれることも死ぬことも、決して自分の自由になんかならないことは、誰でも知っている事実です。
　しかし、「生きる」ことは、その人の自由と責任に関わってきます。　
　考えてみれば、人はいつでも二つの相反する概念の中で生きているように思います。生と死、正と悪、男と女、勝ちと負け、老と若、強と弱、光と影、幸せと不幸などなど。
　二つのあいだで、自分の位置を見失うことなく生きることが、私たちの人生のテーマなのかもしれません。
　どちらか一方の極端な生き方をすることは、いずれ必ず行き詰まっていくと思います。

黒と白のあいだで

　１００点か０点か？、真っ黒か真っ白か？なんて二つに一つのような生き方ではなくて、50点や70点、もしかしたら20点の自分のとき、そのときそのときの自分を嫌うことなく、自分らしく生きるためにどう考え行動するのか。黒と白のあいだで、いろいろの自分自身を見つけ出すことができるのか。一人ひとりが、自由に使うことができる「こころ」の向き方一つにかかってくると思います。
　人が生きていくなかで、たくさんの悩みや苦しみに出会っていくことは、それらのことを通して、今以上に豊かに自分自身を生きていくための、神様のお計らいなのかもしれません。

　　しあわせに向かうキップ　宮崎伸一郎　より