潮谷義子（前熊本県知事）コミュの（熊本県知事選）未来を予見し　活発な議論を

（熊本県知事選）未来を予見し　活発な議論を

　薬害エイズ事件は、担当の不作為判決で終結。見識有る公務員、特にキャリア官僚は、国を導くはずの優秀な人物が「不作為＝怠慢」では、国民に憂いが広がるばかりです。

　三国志の英雄・諸葛孔明を「時務を識（し）るは俊傑に在り」と評し、後世まで功績が語られています。俊傑とは、時代に対する深い洞察力と適切な企画力を備えた人物のこと。何の分野でも時務を間違うと取り返しがつかないと、今回の薬害被害が物語っています。後を絶たない不祥事は、予兆を見逃す体質にあると考えます。

　知事選挙真っ最中ですが、時務を司るリーダーは誰かも問われています。「マニュフェスト選挙」を錦の御旗的に掲げ、実施すること大事ですが、県の指導者として、刻々と変わる社会変化、事件に対応できる人物（俊傑）を選択する必要があります。　

　知事選の公開討論会に何度か足を運び気づくのが、傍聴の顔ぶれはいつも同じ、また県議会傍聴も同じ、重要なのは県民が選挙だけでなく、その後の政策にも関心を持ち続けることです。県政は、県民の思いの結集。選挙の議論で、様々な要求が出ますが、良いことばかりでなく、矛盾も多く含んでいます。

　五日の熊日朝刊「新生面」に、ノーベル平和賞のワレサ氏の言葉、「『連帯』をつくって見える世界が広がった分、矛盾も多くなった。しかし矛盾から逃げないつもりだ。」とありました。新知事には、山積する課題や矛盾する問題にも、怯むことなく取り組んで欲しいと願っています。選挙中、未来を予見した活発な議論を期待します。

＊地元紙投稿文