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呻吟語(しんぎんご)を読む

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詳細 2023年11月29日 22:25更新

『呻吟語(しんぎんご)』(呂新吾著)


呂新吾と『呻吟語』

 『呻吟語』の著者呂新吾は、今から四百年ほどまえ、明代の万歴年間に活躍した高級官僚であり、政治家であった。

 儒学は「修己治人」の学だと言われる。「己を修め人を治む」である。つまり、人を治める立場の者はなによりもまずそういう立場にふさわしいように己を修め、自分を磨く必要があるのだ。


(解説本)
『呻吟語を読む』(安岡正篤・著)

 この本は,中国,明代の儒学者 呂新吾の著した『呻吟語』を,正岡氏が講義するものです。
 呻吟語では,「人物」についての,次の言葉が有名です。
  「深沈厚重は是れ第一等の資質。磊落豪雄は是れ第二等の資質。聡明才弁は是れ第三等の資質」
   どっしりと深く沈潜して厚み,重みがあるのが第一の資質であり,物事にこだわらず,器量があるのは第二の資質。そして頭が良くて才があり,弁が立つのは第三の資質。
 いかがでしょう。今は“人物”といわれても,第三の人物が多いような気もしますが……。さて,本の章立てを。
 
第1講  不朽の人間学
  「平を得る」ことへの求道/偏見を去り虚心に読む
第2講  自己改造の哲人・呂新吾
  呂新吾の名と字/名は体を現す
第3講  個の力の根源をなす核とは
  オルテガの文化論/マンフォードの「人間の変形」論/“躁浮浅狭”を去る
第4講  現代社会の“呻吟”の種
  現代は“呻吟”の時代/繁栄と・廃の源
第5講  己を修め人を修める
  暮夜知るなし/己の心を賊わず/聖賢の学問は王道に即する/天徳と王道/心術・学術・政術/治人の器量
第6講  人はいかにあるべきか
  道なればこそ偶然に惑う/事を賊するもの/上士・中士・下士/無偽と不争 等
第7講  道を志す者の七見識
  人情の識/物理の識/事体の識/事勢の識/事変の識/精細の識/濶大の識
第8講  事を行う者の心得
  四つの難/明白簡易/正見識と邪見識/孟浪の人
第9講  人間の九つの品格
  人間の品格/君子型と小人型/九通りの品格/朝に道を聞く夕に死すとも可なり
第10講  深沈厚重の徳
  修業・応事・蓄徳・処衆の賊/人物の見分け方/精神爽奮すれば百廃興る/費・労・苦・通/真のわざわいとは何か/沈静と涵養/深沈厚重の徳を養う
第11講  学問・政治の要訣
  怨みに任ずる/世の中が衰えれば秩序が乱れる/聖人はよく情を整える/公道の四敵
第12講  真の交友のあり方
  道義の友/疎狂の人
第13講  政を行う道とは
  利を興すに性急であってはいけない/聖人の偉大さ/世教が廃れると混乱・破滅する
第14講  東洋の人生観の原理原則
  女性は社会秩序の要/陰陽相まって健全な営みがある/人情と好悪/風を移し俗を易える
第15講  いま待望される宰相像
  現代の堕落を救えるか/三つの恥/三つの不顧/五種の人柄/俗検と礼検・通達と放達/人豪と八景

  人間錬磨の書『呻吟語』に学ぶ───豊田良平
 

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