秋月の乱コミュの尊皇攘夷と鬼畜米英

　
　以前或るキーワード検索を行った際
　表題に関する論評がございました

　残念ながら
　詳細に関する記憶がなく
　再度その文面にふれることあたはずですが
　其の時「成る程」と思つたものです

　江戸後期をむかえ
　欧米侵略の脅威を察した
　もののふ達が
　水戸学や平田国学等の影響をうけ
　彼らを支えた観念が
　『尊皇攘夷』でした

　明治の扉が近づくにつれ
　尊皇攘夷は『尊皇倒幕』へと観念が移行し
　徳川は倒れ
　東都遷都となりました

　しかし岩倉等の中心人物たちは
　西洋列国と肩をならべ
　不平等条約をあらためるためと
　西洋化が進められ
　【先の大戦で
　　皇国観念や大和魂を
　　悪用するに至る萌芽期を
　　この時期に感じるのですが】
　『文明開化』に至つたわけであります

　当時の博徒や兇徒さゑ
　命を捧げた
　『尊皇攘夷』は『文明開化』へと
　すりかわつてしまつたのです

　・・・

　日清日露戦役から
　大東亜太平洋戦争にいたる
　先の大戦では
　銃後をささえた
　『鬼畜米英』の観念も
　戦後は『欧米万歳』となりました

　黄色人種の中で
　未だに「白人化」することが
　至上価値のように解釈され
　平成の御世では
　二千年近く続いてきた
　日本の文化も
　崩壊の一途を辿つているやうに
　みえてしまいます

　決して今の日本のすべてが
　悪いわけではありません
　よくなつたことも
　たくさんございませう

　しかし
　一抹の寂しさ

　例ゑば
　（脱線いたしますが）
　日常生活において
　三島由紀夫の言葉を借りるなら
　「静けさの欠如」

　小生が付け加えるのなら
　「暗やみの欠如」

　これら寂しさが
　侘しさを誘ひます

　時代に翻弄された
　草莽の志士たち

　そして
　南海や大陸で散華した
　幾柱の英霊たち

　
　いまかれらは
　平成の今を
　草葉の陰から
　どうみていらつしやるのか

　明るさからは
　暗やみは見えませんが
　暗やみからは
　明るさは
　よくみえるのです

　　　　　　　　　　　子燕