日本ぶらぶら歩きコミュの石垣島

石垣島にて
4月4日（金）、西表島から石垣島に戻って翌日、目の痛みに気づいた。そのうち治るだろうと目を洗ったりしていたが翌日になっても痛みは続いた。眼科へ行こうとしたがバイトもあり、もう少し様子を見る事にした。2，3日してどうしても痛みが止まらずバイト中に眼科に行く羽目になってしまった。宮良(みやら)眼科という如何にも八重山らしい名前に親近感を覚え地図を頼りに自転車を走らせると、珊瑚の石垣が残る旧市街地の民家が立ち並ぶ一角に在った。旧い建物でどっしりとした存在感の感じられる家でもあった。昔の医院といえば皆こんな建物だったような気がする。診療する医師も建物に負けないくらいの年季の入った老医師だった。診察椅子に座り自分の曖昧な症状説明を聞くがはやいか拡大鏡で目を覗き込まれた。さっとピンセットのようなもので何かをつまみ出すと「はい！もういいよ」とさっさと診療を終えてしまった。内心もっと大変な治療になるのかと思っていたがあっ気なく終ってしまい拍子抜けしてしまったが、まずはホッとした。木の葉の破片ようなものが入っていたと医師が言っていたので西表島のジャングルを歩いたときに入ってしまったのだろうと思う。
ところで今住んでいる民宿がとうとう予約客で混みだして満杯になり、最初の約束どおり満室の時は倉庫に寝るという誓約を実行する羽目になってしまった。倉庫に寝てみると予想以上に狭くて窓も無く蒸し暑く、やりきれない気持ちになってしまった。そこで新たに住まいを見つける事にした。休日に自転車を借りて石垣市内を住まい探しに奔走したがなかなか自分のイメージした物件は探し当てられず日焼けだけが残りヒリヒリと痛かった。それから数日して、幸いバイト先の主任が紹介してくれた住まいが気に入り早速そこに決めてしまった。　　　
そのアパートは石垣島の繁華街からバスで15分程離れたれた処の「大浜」という地名の海がよく見える集落にあった。家賃は少し高くなったが1LDKの部屋も新しくロケーションも抜群の、理想に描いていた夢のような住まいであった。此処から先は「宮良」「白保」とサンゴ礁の美しい海が続く地域で、特に白保地区のサンゴ礁はすばらしいと言われているが、ここは以前から石垣島の新空港建設問題で騒がれている所でもある。最近では海の埋め立てを止めて山側に建設地を移したそうだが、それでも山を削る時に流出する赤土の被害でサンゴは傷んでいるという。特に盛んな産業も無い島なので飛行場を新設する事も無いのではと思うが、我々のような他所から訪れるものが増えるので結果的に自然が壊されてしまうのだとすれば心が痛むことではある。人間と自然の関係というのはどこまで行っても拮抗するものなのかも知れない。京都議定書や洞爺湖サミットなどの環境対策のトップ会談は形骸化されている様だし、地域の最前線で頑張っている小さな団体に運命を委ねるには余りに酷なような気がする。現地の海に立ってみると自然は余りにも寛大で何事も無いような表面上は美しい様相を呈しているが、少しずつ悪化していることは事実の様である。自分達この地球で暮す者一人一人が真面目に考えていかなければならない事なのだろう。