岸田秀『性的唯幻論序説 改訂版 「やられる」セックスはもういらない』

昨日、読み終えた。いやー、非常に面白かった。気持ち悪いほど異論なし。

初めに目次を引用する。

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すべての人間は不能である
男の性欲は単純明快である
文句を言い始めた女たち
女体は特殊な商品である
売る女たち
「女」は屈辱的な役割である
母親に囚われた男たち
性欲の発明
色の道と性欲処理
神の後釜としての恋愛と性欲
恥の文化と罪の文化
資本主義時代の惨めなセックス
性交は趣味である
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こんな内容だ。

出だしが「人間は本能が壊れた動物である」といういつもの岸田節。

俺が主に気に入ったのは次の事柄に関する説明

- 動物世界にはなく、人間社会にだけ存在する強姦や売春
- キリスト教と資本主義と性欲の発明、それを輸入した近代日本
- 資本主義を支える性欲、恋愛、結婚
- 女性の性欲の否定
- 処女や「清純な乙女」

「資本主義と性欲」の関係はまさに目から鱗であった。

で、最後に「性交は趣味である」と。無理してする必要もないし、趣味の合わないもの同士でやることはない。

427ページから
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もちろん、男と女が同じ方式で性交し、同時にオルガスムに達することができるのなら、文句なく理想的であるが、さっきも言ったように、そうしようとすると、事実上は、しばしば男だけが満足し、女はおいてきぼりにされるか、または、満足したふりをするかのどちらかになってしまう。（略）わたしの提案した交互方式は現実に男と女が、時間的にズレるものの、ともに満足する可能性が最も高いのではないかと思う。（略）この際、重要なことは、（略）サービスする役割に回った側は、（略）今ここにいる相手の特徴をよく研究する労を惜しまないことである。このようにすれば、セックスが終わった後、どちらかが一方的に相手の快楽のための道具に使われてしまったというような被害者意識に陥ることはないであろう。本能が壊れた人間の性欲は性的対象を道具に使って満足を得るような構造になっていることを忘れてはならない。この構造を前提として、対等な性交を模索すべきである。
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そんなセックスは楽しいだろうなぁ。

もし俺に恋人がいたら、是非この本を読んでもらって感想を聞きたい。俺はこんな屁理屈が大好きだけど、そんな屁理屈が好きな人を好きになれるだろうか？

とは言っても俺は恋人なんか作れないだろうな。だっていい男ではないのに「かわいいこ（美人）」しか心ときめかない。これも、「恋愛しなきゃ」「いい嫁さんを見つけなきゃ」という共同幻想の所為なのかな？

まあ、俺は下記のように批判される「好ましくない」状態なんだろうな。

414ページから
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ナルチシズム的・自閉的・自己中心的になって、自我が傷つくことを極端に恐れ、自我を守ることに汲々としている者にとっては、性交のような親密な関係は同時に自我が傷つく危険が大きいわけで、それを恐れて性交を裂けるとしたら、やはり好ましいことではないであろう。自分のことにしか感心がなく、他人とかかわるのは面倒臭いということがあって、性交すれば他人と深くかかわることになるので、それが理由で、性欲があって性交そのものはしたいにもかかわらず、尻込みするのだとしたら、これまた好ましいことではないであろう。つまり、性欲はあるにもかかわらず、個人対個人として接しなければならない普通の女を相手にするのが面倒で、もっぱらその場限りのかかわりで済む風俗へ行くとか、売春婦を買うとかしかしないのなら、いやさらにそれすら面倒で、ヌード写真かアダルトビデオを見ながらオナニーするだけで誰ともかかわらないのなら、それも趣味だといえなくもないが、やはり好ましくないであろう。
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「めんどくせぇ」が口癖だしなぁ。

情けない男。それでいいやと諦めている情けない男さ。


関連：
明るい時もあれば暗い時もあるその訳は［2008年10月03日］
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=951749598&owner_id=7106525
面倒くさい［2008年10月04日］
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=953012254&owner_id=7106525


追伸：俺は「処女じゃなきゃ駄目」という思いは、もうこんな歳だし、強くないんだけれど、流石に↓こんな女はご遠慮したいな。まあこれは事実ではなくて、釣りだろうとは思うけれど。
痛いニュース(ﾉ∀`):「私の初体験を話したら、夫が嘔吐し号泣しました」…Yahoo!知恵袋
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1185490.html



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「性的唯幻論序説」でぐぐれ
http://www.google.co.jp/search?q=%E6%80%A7%E7%9A%84%E5%94%AF%E5%B9%BB%E8%AB%96%E5%BA%8F%E8%AA%AC&lr=lang_ja