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2008年07月01日10:20

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居候72時

居候がやって来た。
なんでもデザインの課題の締め切りが30日19時にあるらしく、それまでにどうしても家のパソコンを使わせてもらいたいらしい。
幸い家にはイラストレーター、フォトショップと所有しているので快く承諾したい所だったが、一つ問題があった。
嫁入り前の娘(娘と言ってもオバちゃんだが・・・)を一人暮らしの男の部屋に泊まらせる事は道徳に欠ける。
だが、彼女の「信頼してる」の一言で全ては丸く収まった。
何故、パソコンを所有する彼女が自宅で課題の作業をしないのかは、彼女の尊厳を守る為に一切語らないものとする。
彼女(通称、姫)は6〜7年程前にサンクスのイベントで一緒に仕事した元女優さんだ。
よくもまあ、そんな前の俺のメアドを取っておいたものだ。
数年の年月を経て久し振りに再会する。
28日の夕方にイラストレーターの本を片手に姫はやって来た。
笑える・・・
家に着くやいなやパソコン起動。
姫の長い死闘が始まった。

「直線が引けない・・・」

その一言に背筋が凍った。
ちょっとした同棲気分を味わえるかな〜?と思った自分は浅はかだった。
気付くと深夜にまで参考書片手に一緒に死闘している自分の姿があった。
明日にハードな仕事を抱えてる自分は仮眠につく。
姫は何やら呪文のような独り言を呟きながらモニターに向かっている。
こわい。
「ねえねえ、これどうやるの?」と質問を受け、たまに吐き出されるヒステリックな悲鳴に起こされ、熟睡出来ないまま一晩を過ごす。

朝、アラームと同時に起きるとそこにはモニターに向かう姫の姿。
フォト

これは感動に等しい。
姫を家に置いて仕事へ向かう。
仕事中、なんだかんだ言って課題の進行状況が気になってしまう。
仕事を終えて家に戻ると朝と変わりない光景が。
うーむ、姫の本気が伺える。
これは出来る限り応援してやらねば。
そう思いつつも寝不足の私は横になるとすぐに異次元の世界へ旅立って行った。

3日目、ついに課題期限終了の日。
朝起きると作品がある程度の仕上がりを見せていた。
線引きや色塗りなど最初はままならなかったが、この数日でよくここまで出来たものだ。
ちょっと、うるっときてしまった。
今日は仕事が休みなので映画を観に新宿へ。
夕方には家に帰り姫のラストスパートを見守る。
なんか申し訳ないと思ったので自分もなんか作業しようと思った。
給料日前の極貧状況なのでヤフオクに出品していた物がある。
それで落札された品の梱包をすることにした。
ダンボールを切ったり貼ったりしてる姿を見ていた姫が「ヤフオクって大変だね。もう1時間くらいは梱包してるでしょ?」と言った。
「みんな貧乏がいけないんだ」と一言残してぼくは作業を続けた。
フォト

そうこうしているうちに課題締め切り時間が訪れた。
姫は4作品を書き上げデータを会社へアップロードした。
不眠不休で本当によく頑張りました。
化粧もせずボロボロの姿でやり遂げた姫は大変美しかった。
心の中で「怪獣」と少しは思ってしまったが。
駅近くまで女戦士を見送り、俺も人生頑張ろうと気合を入れ直した次第です。
森嶋家に訪れた季節外れの小型台風であった。
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