やはり安直すぎるせいか、自分のみているテレビ番組のことを書く人はあまりいません。
私が書いてきたのは、後で見返した時にどのタイミングでなにを見ていたかはけっこう重要だと思うからです。
ドラマについては放送開始のタイミングで触れてきましたが、それだと全体を振り返ることができない(さすがに2回も書く気にはなれない)ので、終了後に取り上げることに方針を変更した矢先、このトピックと相成りました。
1月に始まって1年間続く番組ですが、2月いっぱいで見るのをやめました。
セーラールナとか、怪盗セレネーとか、高橋優とか、これだけ見る前から出演者の顔に見覚えのある番組は初めてで、楽しみにしていました。
しかしながら、どうも脚本があいませんでした。
ベテランの脚本家の方ですが、とにかく登場人物たちが殺伐としています。キャラクター同士をぶつけあうことで互いの立場や性格が明確になるし、ストーリーの駆動力が生まれるのもわかります。シナリオとしての精度も高いと思うのですが、彼らが潤いのないやりとりを始めるたびに「ああ、またか」としか思えず、そうなったらもう見るべきでないと判断せざるをえませんでした。
それから、もう書いたのであらためてトピックは立てませんが、『篤姫』も同じタイミングで見るのをやめました。
島津の分家出身という境遇やそこで受けた教育を軽視したまま、闊達さや奔放さだけを強調してしまったため、「現代的な視点で描いた歴史上の人物」でなくて「現代的な視点で描いた現代人」にすぎなくなっています。
たまたまその人物が和服を着ているからこれは江戸時代の話だということになっているようですが、メンタリティはあくまで現代人のそれです。
もちろん、もはやわれわれには当時の人たちのメンタリティがわかりませんし、わかるところまで書いたとしてドラマが成立するかは別の話です。しかし、嘘でいいので(それが脚本家の仕事です)それらしい心理の風景を描くことが必要だったはずです。
のんべんだらりと現代のメンタリティを垂れ流しても、時代考証をしているから江戸時代ですというのは、プロの仕事といえません。
コスチューム・プレイの意味がないと思います。
オープニングの音楽は素晴らしいので(映像は目が疲れます)、そこだけまた見るぐらいでしょうか。
1年続く番組を早い時期に切ると、次の番組までが長くて手持ち無沙汰です。
というか、大河は来年の『天地人』も脚本が小松江里子なので、おそらく見ません。
ここ数年間は佳作が多かったと思いますが、大河はしばらくお休みです。
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