この世界はすべてこれ一つの舞台
人間は男女を問わずこれ役者にすぎぬ
それぞれ舞台に登場してはまた退場していく
そしてそのあいだに一人一人がさまざまな役を演じる
七幕に分かれた時代をへながら
ルールの冒頭にシェークスピアの『お気に召すまま』が引用されているこのゲームが扱うのは紀元前4000年から西暦2000年、6000年にわたる人間の歴史です。
ゲームには全世界を描いたマップと110枚のカード、876個のカウンターを用います。
1枚のカードには国名とアーティファクト(建築物や発明、政治制度や宗教など)とイベント(天変地異や反乱など)が記されています。
カードを国として出せば建国したことになります。カードの指示の通りに初期のユニットを配置し、生産・移動・開発・通商などを使いこなして発展させ、グローリー・ポイントを獲得していきます。
最終的にグローリー・ポイントを最も多く獲得したプレイヤーが勝者となりますが、一人のプレイヤーが保持できる国には上限があるため、稼げなくなった国は破棄して、さっさと別の国を建てる必要があります。その見極めもこのゲームの重要なポイントです。
国ごとにグローリー・ポイントの獲得方法がことなるのがミソでして、海洋国家ならば海域の支配や保持する船舶数、通商国家なら保有する金の量、文化国家なら建設したアーティファクトの数が重要になってきます。
特定の地域を支配することにより得点する国も多く、同一地域を得点源とする国が建国された場合は、血で血を洗う抗争の幕開けとなります。
この点でホットポイントになりやすいのは中国とヨーロッパでして、この両地域はカード化されている国も多いため、まさに治乱興亡の巷となって驕れるものも久しからずなありさまです。
また、周辺には得点力は乏しいながらとりあえず勢いのある国(いわゆる蛮族)があって、先行プレイヤーを引きずりおろすために建国されてますます状況は混迷の度合いを増すのでした。
そういうゲームです。
ちょっと古い話になりますが、2月9日のYSGAの例会にてこのゲームをプレイしたので、憶えていることを書き残しておきます。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/21434/2605303#2605303
強豪4人に挟まれてひさしぶりのプレイということで、「大丈夫?」と心配されたりもしたのですが、そこはマルチですから、チェックが甘くなるだけに生き残る余地もあろうというスタンスで参加しました。
まずは、こちらをご覧ください。
http://img.doblog.com/22000/u21434/4000/FI2605304_3E.JPG
写っている2つのうち、右が国の技術的発展段階を記録する表です。
1行目がAge1といいまして、以下、Age2からAge7まで続きます。
いくつかマスが白でなくてベージュになっているところがありますが、これがいってみれば停滞ポイントです。
技術はたいていの場合、勝手に進んでいきますが、ここに到達していると科学者がいるか通商によって進めない限り、進歩しません。
特にAge3はベージュが多く、いわゆる中世の暗黒時代となっています。
このAge3の次、Age4のルネッサンスからイギリス・フランス・ドイツ(そういえば、神聖ローマ帝国はなかったような)といった強国、あるいはスペインやポルトガルといったそれに準じる国々が登場してきます(スペインとポルトガルの覇権の後に前記3国の伸長がありますが、なにせ6000年を1つのゲームのなかに押しこんでいるので、こういう扱いになっています)。
「Age4から本格的にゲームが始まる。Age3までは助走にすぎない」
言われてはいましたし、想像もしてはいたのですが、実際のすさまじさはそれどころではありませんでした。
Age3まではだいたい中ぐらいの位置につけて健闘できていたのですが、Age4への移行に失敗し、それからはみるみる低落して、最終的にはほとんど最後尾でゲームを終えました。
終了後に尋ねたところ、強国カードはゲーム序盤に確保してずっと持っておくそうです。カードの回転効率は下がりますが、強い国家カードにはたしかにそれだけの価値がありそうです。
Age5に入ったあたりで時間切れになりましたが、このあたりで新しく登場する国は少なくなってきます。メジャーなところでは、アメリカとモダン・チャイナ(いわゆる共産中国)でしょうか。
アメリカは登場時点ではさして強くありません。
また、ソ連はありません。清と中国はつながっていないけれど(たしかに異民族征服王朝ですから)、ソ連はロシアからつながっているということなのでしょう。
新しく誕生する国は少なくなりますが、その代わりというべきか、イベントで世界大戦が勃発する可能性があるため、世界はいまだ平穏ではありません。
漫然と国を作ってぶつけあっても楽しいのですが、熟練したプレイヤー同士の場合にはこうして各Ageごとのテーマに沿った闘いが発生する(ヨーロッパでのキリスト教、アラブでのイスラムをめぐる中世における宗教抗争など)のも見所の一つといえます。
ちなみに日本ですが、ユーラシア大陸の端にあって安全な上に、穀倉地帯を持って豊かでもあり、放置しておいても安定して得点を稼いでくれるので人気の高い国の一つです。
もっとも、放置しておくとさすがにどこで技術が停滞してしまうため、往々にして後進国になってしまうのが、悲しいといえば悲しいです。
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