因果応報

祝日、我がゴミ屋敷に何年振りかに悪友が宿泊した。
シャワーを浴びたいという事で優しい俺様は嫌々貸してやる事にした。
シャワーから出てきた悪友は悲しそうな顔をして呟いた。

「シャンプーなんかおかしくない？髪がゴワゴワする。」

むむ！？
悪友が泊まるというから、今さっき空になりかけてるシャンプーに詰め替え用を丁寧に入れてあげといたというのに！！
早速、私は事の真相を追究するべく風呂場へと急行した。
さてどういう事だ？
小指の爪ほどしかない私の脳みそを働かせる。
すると浴槽の棚に詰め替え用のシャンプーが見えた。
むむ！？
私は詰め替え用のシャンプーとボディソープを買いました。
そしてシャンプーがここにあるという事は・・・

ゲボハハハ！！

謎は全て解けた。
何の事はない。
私はシャンプーの空いた容器に詰め替え用のボディソープを入れてしまったのだ。
悪友は何も知らずにボディソープで頭を洗いおったのだ。

ゲボハハハ！！

あまりの愉快さに笑顔で部屋に戻ると浮浪者のようなゴワゴワ髪になった悪友は悲しい顔で私を待っていた。
明らかになった真実を悪友に伝えると悪友は浮浪者のようなゴワゴワ髪しながら悲しい顔で私を見ていた。
という大変微笑ましい出来事があり満足そうに悪友は浮浪者のようなゴワゴワ髪で帰って行った。
悪友が帰った後、悪友が犯した失敗を二度と繰り返さないように私はシャンプーとボディソープをしっかり入れ替えてシャワーを浴びた。（正確に言うと悪友は何も失敗していない）
頭を洗うと私の頭の油分が無くなりゴワゴワし始めた。

「なにぃ！？」

私はしっかりとシャンプーとボディソープを入れ替えたはずだ。
こ、これは一体・・・！？
シャワーから上がると浮浪者のようなゴワゴワ髪で私はこの不可解な出来事を小指の爪ほどしかない私の脳みそで考え始めた。
シャンプーを手に取りシュポシュポと中身を出してみる。
香りをかいでみると・・・
なんという事でしょう！
出てきた液体はシャンプーではなくボディソープではないですか！
考えが甘かった。
容器の中身を変えたはいいが、ポンプ内にはまだボディソープが残っていたのだ！

時既に遅し。
俺様も悪友と同じくボディソープで頭を洗ってしまったようだ。
私は笑い飛ばした浮浪者のようなゴワゴワ髪の悪友と同じ姿で今この部屋にたたずんでいる。