1月27日のYSGAの例会に参加して、『リング・オブ・ファイア』をプレイしました。
プレイの記録については、YSGAのブログに追記するのが筋だと思っていたのですが、どうもあちらにコメントするのはのは推奨されないようなので、こっちに書くことにします。
ちなみにYSGAブログの当該記事はこちら。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/21434/2605291#2605291
ゲームについて簡単に紹介しておきますと、扱っているのは1943年の東部戦線、第四次ハリコフ戦です。
特徴的なルールは、ZOCボンド・戦車戦・予備部隊といったところでしょうか。
戦闘結果に後退がないので、ものすごい勢いで両軍(特にソ連軍)の部隊がすり減っていきます。
それと後退がないので、戦闘後前進もありません。そのため、ルールもコンパクトにまとまっています。考えてみれば、たしかに退却関連のルールは煩雑になりがちです。これは目からウロコでした。
最初、またルールを勘違いしていました。
ソ連軍の機械化部隊の大半(独立戦車ユニット以外)はドネツ河の西に配置しなければならないのに、東に配置しなければならないと思いこんでいたのです。
そのつもりで、リプレイや研究記事を読んでもわけがわからず(当たり前)、ルールを読み直して正しい解釈にたどりついたのは対戦の前日でした。
おかげでソロプレイも満足にできないまま当日を迎えるのでありました。
相手の方はすでに対戦経験があるとのこと。
この手のゲームの大半がそうであるように、このゲームも序盤に守備側がミスすると、その時点でゲーム自体が崩壊してしまいます。
やり直しの判断をしたり、ユニットを並べ直すのも大儀なので、ソ連側の担当を申し出て認めてもらいました。
ドイツ軍のセットアップは2線防御でした。
私はソロプレイで1線防御しか試していません。
2線防御の場合、ソ連軍は砲撃マーカー(3コラムシフト!)を使用せずに戦線を突破します。ドイツ軍としては、ソ連軍にできるだけ序盤で砲撃マーカーを消費させる方が望ましいと思ったのです。
実際に較べてみると、後退して小河川で防御ラインを構築できる2線防御の方が良さそうです。小河川の攻撃力半減が効いて、ソ連軍としては攻撃がかなり困難になりました。
以上がドネツ河西岸の状況です。
一方、東岸では航空攻撃を利用して、渡河点を渡りました。
上記のリンク先の『リング・オブ・ファイア』の2枚目の写真がそれにあたります。
この渡河点はZOCボンドにより守られていました。
ZOCボンドとは通常のZOCと異なり、2つのユニットの間で敵ユニットの移動をブロックします。なので、どちらかのユニットを除去できれば河を渡ることができます。
それぞれのユニットに航空攻撃マーカーを上限の3枚ずつ置きました。1ターンに使える6枚をすべてここにつぎ込んだわけですが、ソ連軍の場合はマーカー1枚につき1/3の確率で1ステップロスさせることができます(ドイツ軍の場合は確率が1/2)。そして、ドイツ軍歩兵連隊ユニットは2ステップです。
事前に確率は計算しませんでしたが、まあ割のいい手だったと思います。結果は予想外の成功で、片方は除去、もう片方も1ステップロスでした。
ただし、ここで2つ失敗してしまいました。
1つめはドネツ河東岸に配置できる独立戦車ユニットをすべてここに配置しなかったことです。すべての航空攻撃マーカーをここで用いる以上、渡河の可能性はここにしかありません(ドネツ河越しでは攻撃力が1/4)。1スタックだけでは戦力としてまるで足りません。他の場所に配置すべきではありませんでした。
2つめは、1つめのために兵力が不足したことと関連があるのですが、手前の敵ユニットを包囲することにかまけて、要塞の第2線に突破口を確保しなかったことです。
マップ上の小さくて赤い三角の連なりがドイツ軍の要塞線です。効果が1コラムシフトとソ連軍1ステップロス追加&ドイツ軍1ステップロス減少。前者はともかく、後者がとにかく痛い。泣けます。しかも、チタデル作戦時のクルスク突出部もかくやというほどマップ上にはりめぐらされています。実際にはこんなに要塞化されていなかったと思います。これはまあ、ゲーム的なマップの処理でしょう。
閑話休題。というわけで、成功当初は相手にも「どうなることかと思った」と言わしめた渡河でしたが、成果を拡大することはできませんでした。
もっとも、序盤には4個ある装甲師団のうちの1つを南方に引きつけ、中盤にもマップ南端から登場したダスライヒと第3装甲師団を引きつけて主戦線の支援には有効だったと思っています。
肝心のドネツ河西岸における攻撃ですが、結局、突破できませんでした。
ふつうは突破できるそうです。
突破した例を私が知らないので一般論でしか原因を語ることができないのですが、これまでの私の攻撃失敗例からしても理由は下記の2つでしょうか。
1.攻撃箇所が当てずっぽう
2.損害を忌避しすぎて攻撃が不徹底
1.についてですが、とりあえず比のたつところを攻撃するといういつもの悪い癖が今回も発動してしまいました。
しかし、このゲームでは補充ポイントを用いて再建したユニットの配置の自由度が高く、突破口を塞ぐヘクスにぽんと登場することが可能です。
ドイツ軍の補充ポイントは毎ターン合計で3ですから、ユニットにして3つ、7ヘクスの突破口を補充ポイントだけで塞げてしまいます。
攻撃箇所を集中して大きな突破口を作るべきと言われました。たしかにソ連軍の兵力は強大ですが、それができるほどかといえば、そうではないと思います。
おそらく、予備指定ユニットによる予備移動で突破口を拡大・保持すべきだったのでしょう。システムに慣れないせいもあって、予備の使い方がうまくなかったのは事実でした。
とはいえ、これは2.と関連するのですが、予備移動で突破口を形成するのは移動力からしても大半が戦車ユニットです。しかし、これでは必然的に戦車が前に出ることになります。
攻撃して戦車が前に出たくないとはどういうこっちゃと書いてて自分で思いますが、ここで問題になるのが戦車戦のシステムです。
攻撃開始時に互いに隣接している両軍の戦車ユニットの間には、自動的に戦車戦が発生します。これがドイツ軍に圧倒的に有利でして、ほぼ一方的にソ連軍が殴られます。
リプレイを読んでいると、突出したソ連軍戦車ユニットのフルスタックが1ターンで壊滅させられていたりします。これだといくら突破しても割が合わない気がして、私なんかはもっぱら機械化歩兵ユニットばかり前進させていました。
変な話ですが、こうすれば戦車戦は発生しません。敵の戦車がこわいばかりに自軍の戦車は歩兵やトラックの陰に隠れているわけです。敵の戦車はそんな歩兵やトラックを蹂躙しないでおいてくれます。このあたりもちょっとゲーム的な処理になっています。
とはいえ、機械化歩兵ユニットは少ないので、あまり前進できません。結果、突破できませんでした。
今回は全14ターン中、6ターンぐらいしかプレイできませんでした。
突破はできませんでしたが、終始、ドイツ軍に出血を強いていたので、最後までプレイしていれば、それなりに形になったのではと思っているのですが、どんなものでしょう。
プレイの終盤、損耗した装甲師団に対して航空攻撃とからめて3つの戦車ユニットによるフルスタックで攻撃を敢行し、こちらも被害甚大ながら2個師団を葬りました。サイの目に助けられましたし、損耗していなかったなら返り討ちにあったぐらいドイツの装甲師団は強力ですが、とにかくソ連の勢いは失われていなかったと思います。
要塞の地形効果が強力で、包囲による攻撃効果の微妙さ(1コラムシフト)と消耗のみの戦闘結果からして、突破が有利な状況につながる展開もうまくイメージできません。無理に突破を目指す必要はないと思うのですが、それはおそらく間違っているのでしょうね、ええ。
勝利条件にやや不備があるとのことで、ソ連軍がハリコフを指向せずにとにかく西端突破を目指すと、ドイツ軍には防ぐ術がないといいます。
私はあまりゲーム上の勝利を目指さないのと(だから上達しないのですが)、いずれにせよ突破できなかったので関係ないといえばないのですが、その作戦はとにかく採っていません。なにより、つまらなくなりそうなので。
いくつか批判がましい言及ばかりになりましたが、プレイは白熱しました。
世上で評価が高いのもうなずける好ゲームです。
メモ代わりに航空マーカーによる移動阻止について書いておきます。
移動阻止されたヘクスへ機械化ユニットが進入しようとすると、追加で4移動力が必要になります。予備移動に費やせるのは額面移動力の半分でして、たいていの機械化ユニットの移動力は8ですから、攻撃へクスを移動阻止すれば防御予備移動による増援を回避できます。
この移動阻止の用法を相手の方はご存じなかったらしく、当初はこちらがしてやったりと思っていたのですが、装甲師団所属の偵察大隊の移動力が10であることを見逃していたせいで、ある戦闘で増援に入らえてしまい、その時はこちらが泣きを見ました。
驕れるものは久しからず。
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