mixiユーザー(id:809122)

2008年01月15日12:31

39 view

悪趣味な好奇心

若い頃。親と一緒に暮らしていた頃だから30年近く前になるわけだが、僕をターゲットに家までセールスマンがやって来たことがあった。あれは浪人生の頃だ。

ダイレクトメールとかではそれまでにも勧誘を受けたことがあったが、どこから個人情報を仕入れたのか、名指しで僕の自宅(決して交通の便のいいところではない)にまでやってくるセールスマンは初めてだったこともあり、興味を覚え会うことにした。

やってきたのは歳若のいかにも新人臭いセールスマンだった。話を聞くと前職はオフコースのマネージャーだったとのこと。当時オフコースはまだ知る人ぞ知る的なマイナーな存在だったが、僕は「オフコースってもちろんの意味じゃなくて、コースを外れるって意味なんですよね」などと話を合わせて世間話をした。
何を売りに来たのかはとんと覚えていないが。


自室まで招じ入れて話を聞いていたら、母親が帰ってきてこっぴどく叱られてしまった。

セールスマンは玄関で対応するもので、部屋にまで入れるもんじゃない。セールスマンの方も家の中にまで上りこむなんて身の程知らずにも程があると言うのだ。

まったく僕は世間知らずのお子様だったわけだ。


その後、学生になって一人暮らしし出してからも、同じような失敗をしてしまった。

駅のコンコースで声をかけてきたキャッチセールスのあんちゃんの、そのあまりに巧みな話術に興味を持ってしまい、いかにもその商品に興味があるみたいなそぶりで話を聞き始めてしまった。

映画をただで見れるといったよくある話で、そんなチケット(だかなんだか)にはまるっきり興味はなかったが、同じ大学生だというその人物が、そんな詐欺的仕事をどういう心境でやっているのかを知りたくなったのだ。

その場で僕は自分の住所をその男に教えると、彼はしめしめとばかり後日僕のうちまでやってきた。

そこで営業トークをまくし立てる彼に、僕は「ご覧の通り(僕の下宿は見るからにひどい貧乏アパートだった)僕はそんなものを買うゆとりはなくて、ただ単にあなたに興味を持って話を聞いてみたかっただけなんです」と言うと、今度は母親ではなく彼に説教されてしまった。

「こっちはそっちがその気がありそうだからこんな所までわざわざやってきたんだ。
その気がないんだったら興味がある振りするんじゃねぇよ!」
と言うわけである。
もっともな話だ。

そんな彼に僕が謝ると、僕より2〜3歳上の学生であるところの彼はその後、懇々と世の中の仕組みについて世間知らずの僕に教え諭して帰っていった。
いい人だ。


そんな経験から僕が学んだことは、引っ掛けようとしている人たちの立場も考えて、見え透いたキャッチの人達は、あえて無視してあげるのがスムーズな世の中を形成するのだということだった。
例え犯罪者だったとしても、彼らだって犯罪を犯すために忙しいのだから。



mixiで僕の所に足跡を残す人たちで、どこからたどり着くのか、違う人物なのに同じような人たちがいる。
プロフィールはきまって自分の貧乏だった暮らしを紹介し、そこから在宅ビジネスで脱出したとある。その成功を知りたかったら読んでみてとリンク先があるというパターンだ。

先の教訓からそのリンク先を踏むことはしないのだが、こういう人たちのプロフィールの文章を読むのが、秘かな愉しみだったりする。結構いろんなバリエーションがあるのだ。


若い頃の悪趣味な好奇心が未だに残っているようだ
0 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する