mixiユーザー(id:7793076)

2007年03月17日00:36

9 view

トレイン・ブレイク

まともな生活を送れると思ったらこれだ。
それは夜勤が終了し日勤生活が始まった初日に起こった。
通勤ラッシュ。
「経験した事はもちろんあるが、まさかこれ程とは・・・。」
もみくちゃもいいところで、人間の体格では不可能な格好で私は電車内に存在した。
「この中途半端なヨガのような格好で新宿までもつだろうか・・・?」
不安という文字が私の頭をよぎる。
そしてそれは現実のものとなった。
途中駅で停車した電車に更なる人間共が乗り込んできたのだ。
「もう無理だああ!!」
悲痛なる心の叫びとは裏腹に人間共は猛烈な勢いで車内へとなだれ込む。
その顔は全てが般若だった。
「ここは沈没船から脱出する救命ボートか!?」
密着度120%で電車は動き出す。
既に私はバレリーナのようなつま先立ちで白鳥の湖を演じていた。
「むっ!?」
私はある異変に気付いた。
その異変は確実に地獄へと続く扉だった。
電車は新宿へと向かう。
決められたレールの上をただ単調に走っていた。

                  続く

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する