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2007年01月10日01:39

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推定無罪6分の5

明らかに誰かが屁をこいた。
33階立てのビル、満室のエレベーター内で事件は起きた。
確実に誰かがやってのけた。この密室の空間で。
勇気があるなあ!と褒めたくないほどの腐臭が漂う。
俺ではないと周りに意思表示しなければと咳をしようと試みたが、よくよく考えて思いとどまった。
注意が自分に向けられ、「こいつか?」と周りの連中に思われるのを避けたのだ。
我ながら好判断だ。だてに歳は食ってない。
犯人は分からない。
皆が何事も無かったかのようにポーカーフェイスだ。
アカデミー賞主演男優か?こいつら!
尻の穴を震わせて空気を振動させる警報機は鳴ってない。
だが、音が鳴ってないとは言え確実にサリンのような毒ガスの臭いは存在する。
一体、どいつが・・・?
しかし、私は考えた。
まあ人間の生理現象、自分だって四六時中やっているではないかと。
もし、この毒ガス散布犯人が周りのオッサン連中(俺もオッサンだが)でなく斜め横にいる女性だったとしたら、犯人を暴いた所で自分になんのメリットがあるのだ。
女性はあまりの恥ずかしさに自殺でもしかねない。
それにこの女性が毒ガスを撒いたと考えれば、毒ガスの臭いがブルーベリーの香りに感じるではないか。
また一つ大人になった私は犯人を暴く事無く、澄んだ顔をしてアウシュビッツと化した密室にたたずむのであった。

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