消費減税、物価連動の福祉給付を抑制 児童扶養手当は年8千円試算
2026年11月5日 5:00
吉田徹
食料品の消費税減税が福祉関連の現金給付の水準を下押しする可能性がある。減税によってインフレ率が下がると、物価連動で決まる給付額も伸びが抑えられる。簡易な推計ではひとり親向けの児童扶養手当の場合、2029年度に年8000円ほどの抑制要因になる。
支給額は前年の消費者物価指数や過去の改定率をもとに毎年度見直すものが多い。児童扶養手当のほか、低年金・低所得の高齢者向けの年金生活者支援給付金や、障害児を育てる世帯向けの特別児童扶養手当などが物価連動の対象となる。
消費者物価に関する第一ライフ資産運用経済研究所の新家義貴氏の試算をもとに、日本経済新聞が影響を推計した。児童扶養手当の第1子分の満額の支給額は29年度に減税がなければ月5万1200円ほど、減税があれば月5万500円ほどとなる見込みだ。
年間で28年度は約5800円、29年度は約8000円給付額が抑制される。児童扶養手当の受給者は24年度末時点で約78万人に上る。
新家氏は減税によって消費者物価の伸びは27年に1.0ポイント、28年に0.4ポイント押し下げられると見込む。内閣府の中長期試算の26〜30年度の物価見通しを暦年と読み替え、減税しない場合とした場合の物価上昇率を用い、手当の改定率を単純計算した。
消費税減税による福祉の給付への影響は一部の高齢者や障害者にも及ぶ。
過去に国民年金に加入していなかったために障害年金を受け取れない人らが対象の特別障害給付金も、物価に応じて毎年度改定している。
26年度の支給額は障害が最も重い1級で月5万8650円。26年8月末時点の受給件数は自力での生活が困難な人が対象の2級を含め約7700件となっている。同じ物価見通しを当てはめると、29年度の給付額は減税しなかった場合と比べて、満額受給で年1万円ほど抑えられる。
年金生活者支援給付金も基準額ベースで年1000円程度の下押しにつながる。給付金の受給は全体で25年3月時点で約780万件に上る。これらの給付の抑制額は受給者の状況によって上下する。
公的年金そのものにも波及する可能性がある。68歳以上の年金は賃金の伸びが物価の伸びを上回れば、物価変動率をもとに改定する。消費税減税によって押し下げられた物価の上昇率を賃金上昇率が上回れば、給付額の伸びを抑える要因になる。
公的年金は「マクロ経済スライド」と呼ぶ年金額の伸びを抑える仕組みが働く場合があり、実際の額は見通しづらい面がある。
消費税減税による各種給付の抑制額が最大になる29年度は食料品の税率が1%から8%に戻る。政府は減税に代わって所得に連動する「就業者負担軽減支援金」を本格的に始める方向だ。この制度設計次第では福祉の給付を受ける世帯の家計負担が十分に軽減されない可能性がある。
過去の消費税の増税時には給付が増えた例がある。安倍晋三政権が14年4月に税率を5%から8%に引き上げた翌15年度に、児童扶養手当は前の年度より月980円、年1万1760円増えた。
生活保護の水準にも物価や消費実態を加味する仕組みがある。減税や就業者負担軽減支援金の制度設計においては切れ目のない的確な支援が求められる。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA218AZ0R21C26A0000000/
減税しても物価は下がらなかったんじゃね?
いよいよ法案通過が現実化したら、低所得者を脅し始めた^^;
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA29AJF0Z21C26A0000000/
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