『花嫁人形』(1919年・ドイツ・監督:エルンスト・ルビッチ・上映時間:64分)。
1920年代後半のトーキー(発声映画)の登場まで、映画のフィルムには音がありませんでした。その頃の映画を、現代では「サイレント映画(無声映画)」と呼びますが、しかし、当時の映画館が決してサイレント=静かだったわけではありません。楽士という専門の音楽家が、ピアノを中心とした楽器の生演奏で、スクリーンに映しだされる映像に、音楽の彩をそえていました。 そうした、当時の劇場の雰囲気を再現するのが、本町文化堂連続イベント『音楽と無声映画』です。
[ものがたり] シャントレル男爵は唯一の跡継ぎ、甥のランスロットに結婚を強要。内気で女性が苦手なランスロットは結婚を拒み、修道院に逃げ込んだ。修道院の僧侶たちはランスロットに本物そっくりの人形と結婚することを提案するが…。(本町文化堂 ウエブサイトより)
<2025年10月19日 劇場鑑賞>
和歌山のミニシアター近くで営業されている古本屋さん、本町文化堂。ここの2階では時々イベントが催されます。この”無声映画上映会”もその一つ。今回は9回目になるらしいのですが、映画音楽専門のプロ楽士である鳥飼りょうさんをお招きしての上映。私は人生で初めての無声映画。ドキドキしながら申し込みました。
当日は、大きな(いや、普通のサイズだろうけど)ピアノが後方に置かれた2階の部屋で、寄せ集めみたいな不揃えな椅子が不規則に置かれてあり、自分の好みの椅子に勝手に座る、って感じでした。スクリーンの邪魔にさえならなければ椅子も動かせそうです。私は初めてなので、勝手わからず空いてる椅子にとにかく座りました。すぐ後ろにピアノがあって、「え?現実でここで弾くの?」とびっくりしました。まさか自分のすぐ後ろで、生身の人間が寸分たがわず映像に合わせてピアノを弾いているなんて!なんという才能!
おじの男爵に跡継ぎに指名され、結婚すると多額の持参金をもらえることになった男。花嫁候補が押し寄せ、寺院に逃げ込んだ女性が苦手な男は、女性の人形を作ってもらって結婚を装えばいい、という荒唐無稽な僧からの提案を拒めず、人形師に作ってもらうことになりました。僧たちは、もちろん持参金からの寺院への寄付を期待しています。寺院で結構お世話になっているし、男はとりあえずそうすることに。人形師は娘をモデルに人形を作りました。しかし、人形師の丁稚(小僧)がその人形を壊してしまったから大変。とりあえず小僧をかばって、娘は人形のふりをすることに。そんな馬鹿な(笑)!妙な動きはするし、都合よく動くし、人間なのはバレバレなのですが、当事者たちはわからないという設定。あぁおかしかった。
初めての無声映画はとても楽しむことができました。ピアノにも大感動。なんであんなに画面と1秒もずれることなく音を合わせてピアノが弾けるのかな。すごく練習してるんだろうけれど、それでも驚きしかありません。このあと、機会をとらえて何度か行ったことは、言うまでもありません。
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