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2026年05月15日22:11

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劇団パンデミックの役者さん

木村 正治

劇団パンデミックの役者さんの彼、6年ぶりの出番に張り切っていたそうです。
彼の今回の役割は、ハンタウイルスとやら感染したという設定でクルーズ船内で涙ながらにテレビカメラに向かって被害を訴えるという被害者役。

俳優や女優は常日頃から泣く訓練を積んでいますから、いつでもどこでも、またどこからでも涙を流す事ができます。
泣く演技は劇団員や俳優、女優にとっては朝飯前です。
迫真の演技をするコツは感情移入です。
被害者役に成り切る。
成り切るうちに自分が本当に被害者になった心理状態になる。
迫真の演技が生まれる瞬間です。
だから私は軽蔑します。

メガホンから指示が飛ぶ。
「クルーズ船内、被害者の涙シーン。テイク3!」
ベッドに横たわる劇団員が感情移入を高める。
撮影スタッフがそれぞれの持ち場にスタンバイ。
照明係が最適な光度に合わせる。
メガホンから指示が飛ぶ。
「3、2、1、キュ〜ッ!」
ベッドに横たわる被害者役の劇団員は迫真の演技で涙を流し、むせび泣きながらいかに辛い状況にいるかを語る。
何せ6年ぶりの劇団員としての仕事だ。
ここで監督を始め関係者に演技力を認めてもらえたら、次の被害者役が回ってくるかも
知れない。
彼は胸中に高鳴る期待感を抑えながら、横たわるベッドでの泣き方に集中した。

「カ〜ット!」
メガホンから撮影終了の指示が飛ぶ。
彼の出番はたったこれだけだ。
映像に流される時間は10秒かそこらだ。
お茶の間の人々が真に受けるかどうか。
真に受けて恐怖に慌てふためくお茶の間の人々が増えれば増える程、彼に次の出番が回ってくる。

しかし・・・。
こうして舞台裏が晒されてしまえばネタ明かしとなり、白けてしまう。
劇団パンデミックの役者を続けたい彼ではあるが、次の出番はもう訪れないかも知れない。
何としても次のパンデミックを仕掛けたい支配階級の方々。
どういう手段を使ってくるか、油断大敵です。
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