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2026年05月14日16:31

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おたふく風邪後遺症の無精子症

ワシがまだ大きい病院の勤務医で不妊症の診療をしてたころ。
その日の新患さんは23歳の結婚したばかりのカップルで、
他の患者さんより1世代若い感じ。
美男美女で元気でいい感じのご夫婦だった。
早く子供がほしいから、早めだと思ったけれど
基本的な検査を受けておきたい、ということだった。
いい心がけであることよ。
奥さんのほうにホルモン採血をして卵管検査の予約をとり、
旦那さんのほうには精子検査の手順を説明した。

数日後。
検査室から上がってきた結果を見て腰が抜けた。
旦那さんには一匹の精子もいない。いわゆる無精子症。
奥さんの検査結果には何も異常がない。

不妊症は原因により分類されている。
女性の卵管が狭窄もしくは閉塞して受精卵が通れない「卵管不妊」。
女性の子宮の形や機能に問題があって着床できない「子宮性不妊」。
このカップルの場合は「男性不妊」であることは間違いない。
隠しても仕方ないんで、ご夫婦に状態を説明し、
泌尿器科で精巣生検(一部切除して細胞検査)を勧めた。

数日後。
泌尿器科からの返事を読んで心臓が止まりそうになった。
旦那さんの精巣は全体がほぼ「線維化」しており、
男性ホルモンの数字もごく低く、「去勢」されたような状態だった。
妊娠の可能性はゼロに近い、という悲惨な結果をご夫婦に説明するしかなかったが、
ご夫婦はどこかふっきれたような顔をしていた。

実は、旦那さんは小学校高学年でおたふく風邪にかかり、
かなり重症化してしばらく入院してたらしい。
退院するとき、旦那さんのお母さんに「もしかしたら将来子供ができないかも」と
小児科主治医から説明があったんだって。
旦那さんは自分は友達とくらべてヒゲも薄いし性欲もあまりなく、
なんだか変だと思っていたので不妊症検査を早く受けたかった。
検査を受けたことを自分の母親に話したら、母親が
おたふく風邪で入院したときのことをやっと話してくれた、んだそうだ。

そりゃ「ふっきれる」しかないだろうね…

一応、慶応大学でやっている「第三者提供精子」による治療の話をした。
ふたりがそっちに行ったかどうかは不明である。

大人の「はしか」「おたふく」に要警戒、重症化で脳炎や不妊、一生続く難聴…後遺症のリスクも
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=8784999
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