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2026年02月24日15:53

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テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ(Thelma)

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「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」でアカデミー助演女優賞にノミネートされたジューン・スキッブが93歳にして映画初主演を果たし、オレオレ詐欺師に立ち向かうおばあちゃんの奮闘を描いたコメディドラマ。

夫を亡くし、寂しくも気楽なひとり暮らしを送る93歳のテルマ。ある日、仲良しの孫ダニエルが事故を起こし刑務所にいると聞いた彼女は、愛する孫を助けようと保釈金1万ドルを送金するが、それは典型的な詐欺の手口だった。犯人を突き止めてお金を取り返すことを決意したテルマは、旧友の老人ベンを巻き込んで、電動スクーターに乗って大冒険に出る。

「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」のフレッド・ヘッキンジャーが孫のダニエル役を務めた。旧友のベン役は、「黒いジャガー」で知られ、2023年10月に他界したリチャード・ラウンドトゥリーが務めた。そのほか、「ボーはおそれている」のパーカー・ボージーがテルマの娘ゲイル役、ドラマ「エージェント・オブ・シールド」のクラーク・グレッグがゲイルの夫アラン役で共演。「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクダウェルが、物語の後半に登場するキーパーソンを演じた。本作が長編デビューとなるジョシュ・マーゴリンが監督・脚本を手がけ、自身の祖母テルマとの実体験をもとに撮りあげた。(映画.comより)







<2025年7月13日 劇場鑑賞>

 いい映画でしたね。93歳のテルマは、夫を2年前に亡くし、一人で生きていくことに慣れてきたところ。孫のダニエルとは仲良しで、よくつるんでいます。ダニエルはおばあちゃんにとても優しいいい子なんですが、どうやら仕事やガールフレンドとの関係をうまく構築することができない人みたいで、目下無職・彼女なしみたいです。よく覚えていませんが、大学もきちんと卒業できなかった、という描写があったかもしれません。いろんなことを本人も気にしていて、「俺はダメな人間だ」と自分を責めることもあるようです。また、個人的にはここがリアルと感じたのですが、両親(テルマの娘とその夫)も、理解ある親であろうとするあまり、彼を責めないのは当然のこととして、ちょっと腫れ物に触るような感じで接してしまっていたり、「大丈夫よ、あなたならできるわ」と具体的な指標が見えているわけでもないのに励ましたり、そんな”壊れてしまうかもしれない息子に気を使っているけれど、自分もどうしていいか具体的にはわかっていない””でも一生懸命息子のことは考えている”・・・そういう感じがとてもリアルで、頑張ってしまえるおばあちゃんより、私はこちらの家族の方に注目してしまいました。



 パソコンが得意なダニエルは、おばあちゃんに乞われればいつも優しく教えてあげるし、なにかやりたいことがあれば協力も惜しみません。そんなダニエルがおばあちゃんも大好きです。すると、ある時、ダニエルから「事故を起こしてしまった。どうしよう」と泣きながら電話がかかって来て、「とりあえずお金がいる」と言われ、おばあちゃんは思わず送金してしまいます。後から冷静に考えたら、なんとでも言えます。なんでお金を封筒に入れてポストなんかに入れるんだ、とか。でも、ダニエルはボロだけど車を持っていて、今は無職だと知っているおばあちゃんは、必死だったのです。娘夫婦にも連絡しました。最初は「ダニエルが?!」と取り乱した娘(ダニエルのお母さん)ですが、やがて詐欺だと気づいたときには、送金済みだったのです。



 老母を責めるわけにもいかず、でも悔しいし、腹が立つし。本当に詐欺って、腹が立ちますね。でも、娘は「これを教訓に諦めるしかない」と、母に何もしないよう言って守りに入ります。しかし、おばあちゃんは「取り返して見せる」と行動を起こすのです。ここには、たぶん彼女のプライドがかかってるのです。「守られるばかりの年寄ではない。体力も時間(残りの人生)も限られているが、なにかできるはず」という、自分に対する能動的な姿勢です。



 彼女の自慢の電動スクーターで、出撃!おばあちゃんは、トム・クルーズをイメージしているようでしたが、実際はゆっくり動いています。旧友のベンを巻き込み、家族の心配をよそに、ぼちぼち始めます。その過程は、体がうまく動かなかったりなど、小さな事件が積み重なってできるものでしたが、いずれも現実的で、93歳のおばあちゃんがほんとうにあんなに元気なのか、という議論はさておき、楽しめる映画に仕上がっていました。





<ここからネタバレ>

 孫ダニエルの協力もあり、とうとう「オレオレ詐欺」の真犯人に行きついたおばあちゃん。しかし、ふたを開けてみれば、自分と同じような高齢者だったのです。生活の糧もない、社会から取り残されてどうしようもなくなった、若い男を一人雇っているだけの老人(♂)だったのです。なんか、切ないですね。おばあちゃんは、自分のお金だけ取り戻して帰ってきました。そして、次の日からはまた、電動スクーターで街へと出かけるのでした。



<ネタバレ終わり>





 上にも書きましたが「うまく意思疎通ができなくても、やっぱり家族」みたいな、若い人たちの描写が心に残りました。ダニエルは、もしかしたら今までより少しポジティブに生きれるかもしれません。腫れ物に触るようだった両親も、もっとうまく息子ダニエルとつきあっていけるかもしれません。個人的には、そちらの”副産物”の方に惹かれました。もちろん、おばあちゃんと旧友ベンも、素晴らしかったですけどね!


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