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2026年02月20日13:53

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アメリカッチ コウノトリと幸せな食卓(Amerikatsi)

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 ソ連統治下のアルメニアを舞台に、無実の罪で収監されたアメリカ人男性が、牢獄の小窓から見える部屋に暮らす夫婦を観察することに幸せを見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。

幼い頃にオスマン帝国でのアルメニア人迫害から逃れアメリカに移住したチャーリーは、1948年、自身のルーツを知るため祖国アルメニアを訪れる。そこはソ連統治下にあっても理想の故郷のように思えたが、チャーリーは身に覚えのないスパイ容疑で逮捕・収監されてしまう。悲嘆に暮れるなか、牢獄の小窓から近くのアパートの部屋が見えることに気づいた彼は、そこに暮らす夫婦の生活を観察しはじめる。チャーリーは想像力を研ぎ澄ませ、まるで夫婦と同じ空間にいるかのように彼らと一緒に食事をし、歌を歌い、会話を楽しむようになる。しかし夫婦仲がこじれて部屋には夫だけが残され、時を同じくしてチャーリーのシベリア行きも決まってしまう。移送の日が迫るなか、チャーリーは夫婦を仲直りさせる作戦に乗り出す。

アルメニア系アメリカ人のマイケル・グールジャンが監督・脚本・主演を務めた。ウッドストック映画祭長編映画賞・審査員賞など、世界各地の映画祭で数々の賞を受賞。(映画.comより)







<2025年7月13日 劇場鑑賞>

 オスマン帝国でのアルメニア人に対するジェノサイドは有名ですね。映画もいくつかあると思います。この映画では、幼い頃に家族とともにそのジェノサイドから逃れてアメリカに渡った少年が、およそ30年後に故郷を訪ねた際に起きた事件を描きます。ジェノサイド自体は描かれません。主人公チャーリーがなぜアルメニア(当時はソ連領)に帰国したかというと、当時のソ連邦の最高権力者であるスターリンが、戦後のアルメニア復興を掲げて行った帰還キャンペーンによるものなんですね。これ、日本でもありましたね。北朝鮮で「夢の国へどうぞ」みたいな、北朝鮮へ行けば楽しく暮らせるとか言われて渡った日本人も結構いたようですね。同じことがスターリンによっても行われ、チャーリーもアルメニアを訪ねたわけです。



 ところが、あれよあれよという間に無実の罪を着せられて収監。すっかり落ち込むチャーリーですが、ふと窓からある家族の日常が見えることに気づき、家族の一員であるような妄想とともに、毎日彼らを眺めることによって心のバランスを保つのです。外から見ることによって、中にいる当事者よりも気づくこともありますね。ある時期から仲違いした夫婦を何とか取り持とうと努力したことも。当時は「アカ」の思想に対する取り締まりが厳しく、チャーリーを監視する側であっても、寺院の絵を描いただけで捕まり、服従させられている画家だったりもするのです。いやな時代ですね。どこの国でも、こういう時代はあるのですね。



 ともかく、この映画は、声高にアルメニアの虐殺を批判するのではなく、その後のこんな時代でも考え方、受け取り方ひとつで人生に希望を見出した男の話です。ラストはハッピーエンドだったのかどうか。それは人それぞれかもしれません。でも、チャーリーは故郷に受け入れられたのではないでしょうか。ちなみに「アメリカッチ」とは、アルメニア語で「アメリカ人」のことなんだそうです。
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