李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化。任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人間ドラマ。
任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。
主人公・喜久雄を吉沢亮、喜久雄の生涯のライバルとなる俊介を横浜流星、喜久雄を引き取る歌舞伎役者・半二郎を渡辺謙、半二郎の妻・幸子を寺島しのぶ、喜久雄の恋人・春江を高畑充希が演じた。脚本を「サマー・ウォーズ」の奥寺佐渡子、撮影をカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「アデル、ブルーは熱い色」を手がけたソフィアン・エル・ファニ、美術を「キル・ビル」の種田陽平が担当した。2025年・第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門出品。
2025年6月6日に封切られて大ヒットとなり、同年11月には「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(2003年公開、173.5億円)の興行収入を超え、22年ぶりに邦画実写の歴代ナンバーワンの記録を塗り替えた。(映画.comより)
<2025年6月8日 劇場鑑賞>
私は、半年ほど遅れて感想文を書いているのですが、それでもまだ上映されている作品は、これが初めてです。本当に人気があるのですね。
これほど有名な作品に、いまさらあらすじも何もないでしょうが、ともかく歌舞伎の実力者(渡辺謙)が、才能を認めて他人の子を自分の息子と同様に育て上げる、そして長じてはその”他人の子”の実力を認めて起用したがために家族は崩壊してゆく・・・そんな話です。でも、実際の歌舞伎世界は厳しく、実力があっても血の繋がらない跡継ぎは、みんなにサポートしてもらえずに落ちぶれてゆく、それでも実の息子との固い友情は続くのか。そのあたりまで描かれます。
私は歌舞伎を見たこともなく、まったくの素人です。なので、素直に感動しました。主演の二人が出色でしたね。吉沢亮は「ぼくが生きてる、ふたつの世界」で主演を張っていたのを記憶しています。結構難しい役どころを演じていましたね。顔立ちが整っているのですってね。好みの問題だろうけれど、私は”あんまり華のない顔立ち”だと思っていました。横浜流星のほうが目立つというか。でも、彼ら二人の歌舞伎舞台は本当にきれいでした。素人の私も「あ、見てみたいなぁ」と思いました。あんな美形二人が主演なら話題沸騰で、伝統文化のチケットが映画並みにお安ければ、若い子も殺到するかも。いやもちろん、現実の歌舞伎役者さんたちも美形なんでしょうけれど。
それにしても、正式に三代目を襲名しているのに、周りの人の冷たさはなんなのですか。いくら先代(渡辺謙)が亡くなったからって、自分たちの家門(?)の正式な三代目をどうして盛り立てようとしないのですか。地方で恥をかかされていても平気なのですか。古式ゆかしい文化なのに。素人は理解に苦しみました。あと、寺島しのぶの存在感が半端なかったですね。彼女の、夫に対するセリフ「あんたは、ろくに歩けもせんのに、それでも襲名したいんやね。そんなに名前が欲しいんやね」とか「俊ぼんも俊ぼんや。負けを認めず姿をくらますなんて、卑怯や(ここセリフあやふや)」のセリフが実は一番印象に残っていたりします。名演でしたね。
あと、高畑充希の世渡りのうまさ。妙に感心しました。すごいなぁ、結局世継ぎを産んでおかみさんだものね。変わり身の早さも能力のうちってことで。
少し長かったけれど、勉強になる1本でした。詳しいことはわかりませんが、ちょっと興味を持ったので、この後映画で「六条御息所」を見る機会を得て、楽しむことができました。これだけですけどね(笑)。すごい映画だったと思います。
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