mixiユーザー(id:8729247)

2025年12月21日16:36

156 view

虐待の話

心身にそういう経験のある人には読みたくない内容かもしれない。

BEAMsの講習会を受けてきた。ばっちり2時間。
終わると「終了証書」と書いた小さいカードをくれた。
講師は秋田大学小児科の女の先生。
日本こども虐待医学会の理事をしている。
(虐待予防学会、というものもあってそちらにも所属している)
BEAMsはこの学会が作成した医療機関向け虐待対応プログラム。
自分が受けたのはBEAMs�機�one)という「すべての医療者」向けのもので、
�兇狼埖圓砲�かわる可能性が高い小児科医に対するもの。
(虐待を早期に発見し急性期に必要な医療を行う。)
�靴狼埖埓賁腟ヾ悗箸修海離好織奪佞妨�けた実際の対応。

たとえば「しつけ」と「体罰」の違いはこう説明されている。
「しつけとは、子供をサポートして、社会性をはぐくむ行為」。
「体罰とは、子供の身体になんらかの苦痛、不快感を意図的にもたらす行為」。
2019年に改正された児童福祉法には「しつけに体罰を加えてはならない」と
明記されている。

虐待の実際例、写真のスライドもあって、
広範囲のやけど(熱湯風呂に押し込まれた)の映像には「あっ」と声が出た。
パターン痕と呼ばれる「何でたたいたかわかる痕」にはタメイキが出た。
(今日見た映画でも主人公の息子の背中に「ものさしでたたいた」痕があった)
耳は普通の事故ではめったに傷つかないから、耳の傷は虐待を強く疑う、とか。

日本国民には少しでも虐待を疑えば通報する義務がある。
児童福祉法第25条「要保護児童を発見した者は通告しなければならない」
(福祉時事務所もしくは児童相談に)
医療者の場合でも「(通告は)守秘義務違反に当たらない」との法律もある。

なぜ「早期に発見」しなくてはならないか?
発見が遅れるほど虐待は慢性化、重症化していき、
子の脳の発達にも影響が出る。
虐待体験を評価するACEスコアというものがあるのだが、
このスコア値が4以上の場合、将来の病気の発症率が高くなる。
がん1.9倍、糖尿病1.6倍、といったふうに。

なるべく早期に虐待から引き離し、十分に安全で公正な環境に入らせ、
無条件の愛を受け、社会集団の一員となり親友ができれば、
虐待による悪影響は軽減され有害なストレスをいやすことができる。
(保護的小児期体験、PACE)
(Protective And Compensatory Experience)

海外でいち早く児童虐待に福祉の手をさしのべたのはアメリカ。
1874年にとある少女が虐待の末に亡くなった事件がきっかけだった。
1962年にはじめて児童虐待防止法が成立した。
事件が起こってから法律が制定されるまで100年かかっている。
日本で虐待防止協会(福祉団体)ができたのは
これに遅れることさらに30年の1990年代。
児童虐待防止法の成立は2000年。
先ほども書いた「しつけに体罰を加えてはならない」の条文が加わったのは2019年だ。

遅れている、十分ではない。でも何もしないことはできない。
子供には未来がある。その未来を、大人がつぶしてはいけない。

アメリカ児童虐待防止法の父と呼ばれたHenry C Kempeの言葉。
「虐待であるにも関わらず、判断を誤って保護せず、
生命を落としてしまった子供に謝罪するくらいなら、虐待でないのに、
間違って子供を保護したときに親に謝罪するほうがまだいい」。

日本で小児虐待に取り組む坂井聖二先生の言葉。
「我々が、虐待の存在を全く考慮に入れない時、また虐待の存在を疑いながら
様々な理由をつけてその問題に対処しないとき…
それは我々の行うネグレクトである。
我々は”常に加害者になりうる”ということを意識しなければならない」。

医療機関向け虐待対応プログラムの通称BEAMsには
虐待に光を当てる、虐待されている児童を暗闇から救出し光あふれる世界に導く、
の意味もある。

13 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2025年12月>
日 月 火 水 木 金 土
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   

最近の日記

もっと見る