ケイト・ウィンスレットが主演・製作を務め、トップモデルから20世紀を代表する報道写真家へと転身した実在の女性リー・ミラーの数奇な人生を映画化した作品。
1938年、南フランスでアーティスト仲間たちと休暇を過ごしていたリー・ミラーは、芸術家ローランド・ペンローズと出会い恋に落ちる。ほどなくして第2次世界大戦の脅威が迫り、日常のすべてが一変。写真家の仕事を得たリーは、アメリカ「LIFE」誌のフォトジャーナリスト兼編集者デイヴィッド・シャーマンとチームを組む。1945年、リーは従軍記者兼写真家として次々とスクープをつかみ、ヒトラーが自死した当日、ミュンヘンにあるヒトラーのアパートの浴室で自らのポートレイトを撮影して戦争の終わりを伝える。それらの光景はリー自身の心に深く焼きつき、戦後も長きにわたり彼女を苦しめることになる。
リー・ミラーを演じたケイト・ウィンスレットはゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートされた。リーの友人ソランジュ・ダヤン役でマリオン・コティヤール、恋人ローランド・ペンローズ役でアレクサンダー・スカルスガルド、編集者デイヴィッド・シャーマン役でアンディ・サムバーグが共演。「エターナル・サンシャイン」などの撮影監督エレン・クラスが長編映画初監督を務めた。(映画.comより)
<2025年5月11日 劇場鑑賞>
この映画を見た後で、先日見た「シビルウォー アメリカ最後の日」でキルスティン・ダンストが演じていた写真家が、当のリーだと知りました。そうなのか、そういえば「リー」と呼ばれていたな、と思い出しました。これを知っててあの映画を見ていたら、また違った印象を持ったかもしれません。しかし、彼女は確か「シビルウォー」の最後で撃たれて亡くなっていましたよね。と言うことは、この映画で彼女は、戦場カメラマンとして活躍し、有名になった後、沈黙したように描かれてましたが、最後まで意志の強いカメラマンであり続けた、ということなのですね。あるいは背負ったトラウマの大きさに悩み、封印し、変わって料理に凝ったりもしたけれど、やはりそうありたいと最後は本人が思ったのかもしれないですね。どちらにしても、何をやっても花咲く才能の持ち主だったということですね。
映画の最初は、モデル仲間と自由で華やかな人生を謳歌しているリーが描かれます。トップモデルだった彼女は自信に満ち溢れ、聡明さが際立つ会話を楽しみ、常に取り巻きがいるような感じでした。私には別世界(笑)。ハンサムなアレクサンダー・スカルスガルドともすぐに恋愛しちゃいます。彼女には最初の夫がいたようで、彼が芸術家というか写真を教えたようなのですが、映画ではそこはすっ飛ばされて、アレクサンダー・スカルスガルドとすぐにパートナーとなります。しかし、意志の強い彼女は徐々にモデル業に飽き足らなくなり、写真家へと転身していきます。何でもこなす天才肌の人って、いつの世にも存在するけれど、彼女もその一人。写真家としても成功し、やがて戦場カメラマンに。やりがいのあることが好きなのですね。当時、女性が写真を撮るために戦場へ行くなどとは、だれも考えなかった時代。あらゆる障害を突破して、遂行してしまいます。
しかし、現実は本当に過酷だった、という話です。いくら戦争が終わってヒトラーが死んだといって、そしてそれを彼の本当のバスタブを使って過激に表現したからと言って、じゃぁ誰が、地下(洞穴だったかも)に隠れていた女性たち(子供を含む)を救うのですか。怯え切っている彼女たち(特に子供)に何と伝えて明るい場所へ連れてくるのですか。”普通の生活”を誰が教えるのですか。そもそも生活の再建は誰が責任をもってやってくれるのですか。放置されている亡骸は。最初は迷わずカメラを向け、小さな女の子にも「大丈夫よ。私も女性だから。ほらね」と長い髪を見せていた彼女も、だんだんさいなまれるようになってきます。私はあんまり詳しくないのですが、彼女はこの後沈黙するようですね。ですから、この映画も、屋根裏から見つかった写真の数々をたぐりながら、年輩となった彼女にインタビューするという形式をとっています。
素人の私にとっては、ヒトラーが自殺したその日に、自由に彼の住居に出入りできたってことも驚きですし、ましてやバスタブに自らが入ろうと発想するなんて、すごいなぁと思いました。彼女は沈黙した後は料理に凝ったようですし、その多才さにも驚かされます。ところで、彼女のモデル仲間はマリオン・コティヤールとノエミ・メルランなんですが、このノエミ・メルランは、少し前にリブート版「エマニュエル」で主演を張っていました。
しかし、世界中が戦争で真っ二つになるような、先の大戦のような戦争はないにしても、これだけの活動家がいても、いまだに戦争がなくなるどころか増えている現実に、大きく失望します。
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