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2025年10月02日18:41

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ロシア軍とウクライナ軍の戦い(13)後編 戦時下のロシアとウクライナの経済 ゼレンスキー大統領の国連演説、モルドバの議会選挙戦の結果

  <ロシア軍とウクライナ軍の戦い(13)3部作後編 第6章から最終第9章>

今回、対ロ政策の行方を占うモルドバでの議会選挙戦、ゼレンスキー大統領の国連演説の様子と共に、9月末時点においての戦況の行方を考察する。

 前 第12回
・第1章 2025年8月26日 ベラルーシの強健体制
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990593550&owner_id=32437106
・第2章 2025年8月28日 アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノ・カラバフ問題が決着する
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990606327&owner_id=32437106

 
 前編 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990772092&owner_id=32437106
中篇 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990794917&owner_id=32437106

 モルドバ関連日記
2021年12月31日付 第3章より
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1981239833&owner_id=32437106

 目次
第6章 ゼレンスキー大統領の国連演説 
第7章 ロシアによるウクライナ兵士の虐待疑惑が深まる
第8章 両国の戦時下経済 日本が主催するウクライナ復興会議の詳細
第9章 対ロ政策。モルドバの選挙戦 9月30日迄の戦況の行方


  第6章  ゼレンスキー大統領の国連演説 

ゼレンスキー大統領は、9月23日の国連総会を前に、トランプ大統領と会談する予定であると明かした。自身のX(旧ツィッター)にて、この1週間で1500機以上のドローン(無人機)のほか、誘導爆弾やミサイルがウクライナに飛来したと訴える。停戦を拒否するロシアに対して、西欧諸国に圧力をかけるように求めた。9月23日に、トランプ大統領と会談した。開始直後、記者団に向って「米国や欧州各国による(ロシアへの)圧力や制裁が必要だ」と言葉を発した。会談に先立って、西欧によるウクライナへの安全保障政策や、ロシア産石油の購入停止による、代替エネルギーの確保について協議する旨を打ち明けていた。

詳細 米ウ首脳会談について ロイター通信 2025年9月24日午前5時3分
https://jp.reuters.com/world/ukraine/PW5W4QTYSFMULJIQA4LF3ZSUGM-2025-09-23/


ゼレンスキー大統領は、トランプ大統領が西欧諸国に求める中国産製品の100%関税については、大いに歓迎していた。インドについて、ゼレンスキー大統領は、自国側に立っているとの見方を示している。中国と同様の扱いについては、引き止める考えを示した。

写真=2025年9月23日にニューヨーク・シティで撮影されたゼレンスキー大統領 出展:ロイター通信 詳細記事 関税について ロイター通信 2025年9月24日午前10時16分
https://jp.reuters.com/world/ukraine/JNQJC6JTTZLSPJMFRMMR66P52Y-2025-09-24/
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トランプ大統領は23日に、SNSへの投稿にて、「ウクライナは、欧州連合(EU)の支援を受け、戦って元の全領土を勝ち取る状況にあると思う」と今後の見通しを語った。ロシアの経済が疲弊しているとみて「まるで張り子の虎だ」と表現した。仲裁者から一転して、ウクライナへ肩を持ち、「我々は武器を供与し続ける」と誓った。

 詳細 トランプ大統領の発言 2025年9月24日午前11時36分 読売オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250924-OYT1T50063/

 アメリカのルビオ国務長官は9月24日、ニューヨークにてロシアのラブロフ外相と会談した。両者の顔合わせは、7月10日にマレーシアで行われたASEANの会議前以来、2ヶ月14日ぶりとなる。停戦へ向けて具体的な措置をとるようにルビオ国務長官は求めたものの、ラブロフ外相は応じなかったとみられている。プーチン大統領の言葉を代弁するかのように「危機の根本的な除去が必要」と述べたという。ロシア外務省によると、ラブロフ氏は紛争の解決のためにアメリカが加わるように求めたとのことである。8月15日に米アラスカ州の州都アンカレッジ郊外の会談での合意内容を双方守る必要性があると説いた。

 詳細米ロ外相会議について NHK NEWS WEB 2025年9月25日午前6時20分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250925/k10014931401000.html



 トランプ大統領は、就任早々ロシア軍とウクライナ軍の戦いに決着を付けると意気込んでいた。停戦交渉に載るゼレンスキー大統領に対して、プーチン大統領はまったくその気がない。停戦に向けた協議が行われるたびに、ウクライナへの攻勢を強めている。一次政権時代、トランプ大統領は確かにロシアから資金提供を受けた可能性がある。対抗勢力の民主党は「ロシア疑惑」をトランプ氏に追及していた。8月15日のプーチン大統領との直接会談で、恩義を感じながらも、仲裁者として断固とした態度で望んだ。停戦交渉に反するかのように、首都キーウを狙って遠隔攻撃を激化させる以上、ウクライナの人々やインフラを守るべく、圧力をかける方向へ舵を切ったのである。いまやトランプ大統領しだいで、世界の安全保障環境や経済の動きが変わっていく。

 

翌9月24日、ゼレンスキー大統領が、国連の一般討論演説に望んだ。ロシアによるウクライナ侵攻で、「世界が軍拡競争の道を進んでいる」との分析したうえで、警鐘をならす。ドローン(小型無人機)の軍事利用が急速に進む中、人工知能(AI)の登場によって軍拡競争が人類史上「最も破壊的」な凶器になったと言及した。兵器へのAIの利用を制限するための国際ルールを策定する必要があると、力説した。ポーランド、ルーマニア、エストニアの上空には、既にロシア軍が使用したとみられる無人機が発見されている。ゼレンスキー大統領は、ロシアがNATO諸国を挑発し、戦線拡大の恐れがあると訴えた。つまり、NATO諸国の防波堤として最前線でロシア軍と戦っていることを認めたのである。

 写真=ゼレンスキー大統領 掲載元 国連演説の詳細 2025年9月25日 午前4時17分ロイター通信 https://jp.reuters.com/world/ukraine/CKRFEBEEW5JLFJ23AO2RJCVQII-2025-09-24/
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彼は、ロシアの軍事侵攻停止と引き換えに、「大統領職を辞任する用意がある」との決意も表明していた。


なおゼレンスキー大統領は、国連の本部があるニューヨークで、シリアの指導部と会談したことを報告した。ロシア軍の侵攻後、断交したものの、当時のアサド政権の崩壊に伴い、対応を見直していたのである。シャアラ暫定大統領を信頼したことで、シリアと国交を回復した。

    第7章 ロシアによるウクライナ兵士の虐待疑惑が深まる

戦況が長引くと、兵士の心のケアも欠かせなくなる。いまだ不透明感が漂うのは、捕虜の待遇である。欧州安保協力機構(OSCE)の民主制度・人権事務局は9月26日までに、ロシアが拘束した捕虜のうち、少なくとも169人が収容施設内で死亡したとの報告書を公開した。2022年2月24日のロシアによる一方的な軍事侵攻後、捕虜になったウクライナ兵は少なくとも1万3500人に上る。そのうち約6300人が依然収容されている。約6800人が捕虜交換により解放された。捕虜からの証言に基づくと、ジュネーブ条約に反して、日常的にロシア軍による虐待が行われていたとのことである。聞き取り調査に応じた捕虜のうち89%の割合で、身体的な暴力を受けたと回答していた。電気ショック、または訓練犬による身体的な被害も確認されている。なおOSCE加盟国であるロシアは、義務に反して、回答を避けた。

 詳細 ウクライナ人捕虜の証言 読売オンライン 9月27日 午前6時15分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/438738


写真=欧州の安全保障の枠組みについて 掲載元 実業之日本フォーラム 2022年6月8日付 https://forum.j-n.co.jp/narrative/3764/
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 AFP=時事の報じた内容に基づくと、OSCEは「広範で体系的な国際法違反」を犯しており、「恣意(しい)的な殺害」も含まれていると、結論づけた。同機関から任命された3人の専門家は、報告書の内容を受けて、国際刑事裁判所(ICC)に提訴する意向を示している。

 直近の捕虜交換において、ウクライナ当局は2025年8月14日付で、84人を帰還させたと明らかにした。ウクライナの捕虜問題を担当する議会委員会によると、その内訳は兵士33人、民間人51人である。拘束期間の最長は4000日以上に上る兵士だった。もう一人の拘束者は、2019年にロシアの支援を受ける分離主義者に捕らえられた小学校教員と明かされた。

 詳細 捕虜交換 ロイター通信 2025年8月15日午前9時32分付
https://jp.reuters.com/world/ukraine/ZKTTTL6ACVJGJIEZWNJFKXUCOE-2025-08-15/

 戦時中、健康だった若い働き手の命が失われ、傷ついた人々のメンタルの回復にも時間を要する。国土が一方的に荒らされるウクライナは、大きな傷を負っていた。

 8月15日の米ロ首脳会談以降、実務者レベルにおいても、協議が停滞している。ロシアは、ウクライナを屈服させるべく、攻撃を強化した。9月28日未明にかけてのこと、ウクライナ当局によると、首都キーウに、ロシア軍が使用したおよそ600の無人機と48個のミサイルが飛来したとのことである。クリメンコ内相によると、12歳の少女を含む死亡者4人、負傷者70人以上に上った。キーウのクリチコ市長は、20箇所以上の住宅や医療施設が被害を受けたと訴えた。

 写真=9月28日に、爆撃の被害を受けた首都キーウの住宅。掲載元 詳細記事 NHK NEWS WEB 2025年9月29日午前6時17分付 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250929/k10014935021000.html
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 ウクライナは一矢報いるべく、国境に接したロシア領土を攻撃する。AP通信が報じた内容によると、9月28日にロシア本土ベルゴロド州の政府が、大規模な停電が起こったと明らかにした。グラトコフ州知事が、住民に向って、停電に伴い外出を控えるように要請した。SNSの情報に基づくと、火力発電所内で爆発音がして、いっせいに停電している。

 詳細 Yahooニュース 2025年9月29日午前10時34分配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/6fb800e2f56ba3a7ba950d0bc79a4622647b57c6

ウクライナ軍は、2025年3月に越境領土クルスク州から撤退後、ベルゴロド州を狙って一時的に攻勢をかけていた。撤退部隊に対するロシア軍の圧力緩和が目的だったとみられる。人員が足りていない以上、ウクライナは国土防衛に精一杯だった。仲裁者の立場だった米国も姿勢が一転する。バンス米副大統領は9月28日、米CNNニュースのインタビューの中で、長射程の巡航ミサイル「トマホーク」を売却する用意があると、明らかにした。西欧諸国が資金を捻出して、ウクライナへ引き渡す予定である。トマホークの射程は2500キロ、ウクライナがロシアのミサイルやドローン(無人機)による攻撃に反撃する上で強力な兵器となる。戦況の行方について、「膠着状態」との見方を示した。そのうえで、ロシアに停戦を働きかけた。「われわれは政権発足当初から積極的に和平を追求してきたが、ロシアは目を覚まして現実を受け止めなければならない。多くの人が亡くなっている。彼らには得られるものがほとんどない」と釘をさした。

 詳細 バンス副大統領のインタビュー、ロイター通信 2025年9月29日午前7時15分付 https://jp.reuters.com/world/ukraine/QIZ3QDEBPNOMLCLWX3TKCDXRF4-2025-09-28/

 売却の手はずは整っていない。戦況が膠着状態となれば、さらなる長期化が懸念される。ウクライナは、停戦交渉に応じる構えを見せているものの、領土を明け渡す気はない。一方のロシアの方は、ドンバス地域の完全に割譲を要求している。戦闘能力が維持できる限り、互いに戦い続けていく。


   第8章 両国の戦時下経済 日本が主催するウクライナ復興会議の詳細

 交戦国のロシアは、2025年春先、ウクライナに唯一則られた越境領土クルスク州を奪還宣言して以降、兵士を犠牲にして、ドンバス地域でも邁進していた。領土を広げた代償は他にもある。国内においては、燃料不足が顕在化したのである。ウクライナ軍のドローン攻撃による施設破壊が一因とみられている。ロイター通信によると、ウクライナは8月末までにロシアの製油能力の少なくとも17%を妨害することに成功した。エコノミスト誌は、その比率をさらに高く、およそ20%と見積もっている。直近では、ロシアのボルガ地方のサラトフにある製油所を攻撃していた。2025年9月16日にウクライナ参謀本部が、テレグラムにて発表している。ゴールドマン・サックス・グループは、8月以降の攻撃により操業停止に追い込まれたロシアの製油能力を日量約30万バレルと推計した。同国で稼働中の石油精製能力全体の実に5%超に当たる。

詳細 TBS CROSS DIG 2025年9月17日午前3時12分付
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/2173208?display=1

 9月24日、ロシア南部バシコルトスタン共和国にある同国最大級の石油化学施設「サラバト石油化学コンビナート」が、ウクライナのドローン攻撃を受けた。地元ラディ・ハビロフ知事が、被害の詳細をSNSにて語った。

写真=2018年8月、サラバトの石油化学施設で撮影(2025年 ロイター/Maxim Nazarov)掲載元 ロイター 2025年9月24日午後5時20分付
https://jp.reuters.com/markets/commodities/UNTZYCVS5NPVJN6PR6G7NK7MOY-2025-09-24/
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 ウクライナは、敵国に通じている工作員からの情報を元に、限られたドローンを使って、有効に攻撃をしている。広大な国土を持つロシアを確実に痛めつけていた。

軍事侵攻の長期化でロシアも苦しい事情が見えてきた。相次ぐウクライナ軍のピンポイントでのドローン攻撃を受けて、石油の生産能力が落ちて、燃料危機に瀕している。ロシア財務省は、9月24日に政府に提出した案では、日本の消費税にあたる「付加価値税」を2026年以降、20%から22%へと引き上げるように求めた。付加価値税の増税は2019年以来6年振りとなった。ロシアメディアによると、増税による追加の収入は1兆3000億ルーブル、日本円でおよそ2兆3000億円になる。戦時下において、国の歳出に占める軍事費の割合はおよそ4割に達した。

 詳細 ロシアの燃料不足について TBS NEWS DIG 2025年9月24日付
https://topics.smt.docomo.ne.jp/amp/article/tbs/world/tbs-2188321


労働需給の逼迫に伴うインフレの進行により、経済的には大きく停滞している。 国際通貨基金(IMF)は、2025年のロシアのGDP成長率はわずか0.9%にとどまると予測した。昨年の成長率4.1%と比較すると、今年の予測値は大幅な後退となる。IMFは26年の同国の経済成長率も1%と控えめに見積もっている。中国やインドに支えられているとはいえ、西欧からの経済制裁が徐々に効いてきていた。ロシア国内で厭戦感情を抑えるべく、国防省は25日付で独自に名々した「特別軍事作戦」の成果を誇示する。2025年1月以降、侵攻を続けるウクライナ東部を中心に、あわせて205の集落、面積にして和歌山県とほぼ同じ4714平方キロメートルを掌握したと発表した。

 写真=9月25日に日本で開かれたウクライナの復興に向けた会合 掲載元 詳細記事 ロシア国防省の主張やウクライナの復興について NHK NEWS WEB 2025年9月26日16時付け
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250926/k10014910501000.html
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 一方的に被害を受けるウクライナ側の事態はさらに深刻だった。将来の復興を見据えて、9月25日に日本で会合が開かれた。ウクライナと日本の企業が参加する「在日ウクライナ商工会議所」やEU=ヨーロッパ連合の関係機関を含め、オンラインを合わせ、120人が参加する。戦争終結後、ウクライナの資源を目的に投資を呼び込み、経済の活性化に伴い、速やかな復興事業を掲げる。現在ドンバス地域と共に戦闘の最前線とみられる北東部スムイ州の関係者は、復興と投資はセットだと訴えた。防衛産業を育成する政府機関の幹部は、無人機やAI=人工知能など、戦時下で発達した技術が日常生活でも応用できると、力説した。ロシア軍との戦いで培われた技術が、将来にも生かされる。現時点で今後10年間にかかるウクライナの復興費用は、概算で5240億ドル、日本円換算77兆円にのぼる。参加した日本の商社マンは、「EUのサポートを受ければ、投資のしがいがある」と話していたという。

ウクライナの2026年の予算案では、2兆8000フリヴニャ(約8兆9000億円)を国防と安全補償費として計上されている。GDPの実に27,2%に上る額だった。その内訳は、一般財源から2兆3000億フリヴニャ(約8兆2300億円)が充てられる。その他軍事個人所得税から2204億フリヴニャ(約7900億円)を、特別基金から1253億フリヴニャ(約4500億円)を拠出する。停戦交渉が停滞する中、軍事費が重くのしかかった。ほかに、準備金から2000億フリヴニャ(約7200億円)、国家保証から300億フリヴニャ(約1100億円)を投入する。

 詳細 ウクライナの2026年の予算案について 現代メディア 2025年9月25日
https://gendai.media/articles/-/158086?page=3

 6月30日に発表されたIMFによるウクライナの経済成長の見通しについて、2%から3%とした。国内のインフレ率は7月の14.10%から、2025年8月に13.20%に減少している。過去の例を見ると、1995年から2025年までの平均で28.75%に達していた。最高値は1995年9月の530,30%である。通貨が極めて不安定だといえる。中央銀行にあたるウクライナ国立銀行は、戦時下のインフレに備えるため、最新2025年9月11日の会合で、政策金利を15,5%に据え置くと決定していた。インフレ率を5%以下に定め、金利を調整する。西欧からの支援により、外貨準備金も十分蓄えていた。IMFも厳格な金融政策が、インフレを抑え込んでいるとの評価レポートを公開していた。

 詳細 2025年6月30日に公表されたIMFのレポート UKRINFORM 2025年7月1日午前10時23分付 https://www.ukrinform.jp/rubric-economy/4010145-ukurainano-jin-nian-duno-cheng-zhang-lu-yu-cewode-wei-chi.html


若い働き手が、戦地に借り出され、例え生きて帰ってきたとしても、障害を負っていれば、国は手当てを支給する。労働市場の逼迫、福祉手当による税負担が大きい。復興への鍵を握るのは、潜在的に眠っているとされる資源である。すでに戦時中から、外国企業からの投資を呼び込み、復興へ向けて準備を整えている。


第9章 対ロ政策。モルドバの選挙戦 9月30日迄の戦況の行方

 トランプ大統領は、対ロ政策の一環として手を打った。9月25日に、NATOの一国であるトルコのエルドアン大統領を、ホワイトハウスに招待した。EU非加盟のトルコは、ロシアとは黒海を挟んで、貿易では通じていた。トランプ大統領は、取引を持ちかける。トルコが求めていたF35戦闘機を売却する代わりに、ロシア産の石油購入を停止するように求めた。実のところF35戦闘機の多国間生産体制から、トルコを排除していたのである。エルドアン大統領の返事内容は明らかになっていない。

写真=トランプ大統領とエルドアン大統領 出展:ロイター通信 詳細記事 米国とトルコの首脳会談について 読売オンライン 2025年9月26日午前10時50分 https://www.yomiuri.co.jp/world/20250926-OYT1T50050/
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 トルコはNATOの一員でありながら、EUは未加盟である。黒海を挟んで対岸のロシアとも経済的につながる。2022年3月、2025年5月と6月に行われた実務者レベルの停戦協議においても、両国の橋渡し役として主催した。トルコを完全に対ロ制裁の一員に加えることにより、停戦交渉がますます停滞する懸念もある。外交解決が難しければ、互いに限界に達するまでやり通す。実に複雑な事態に陥っていた。

 ロシア軍によるウクライナ侵攻は、ヨーロッパ各国の選挙戦の重要な争点となる。9月29日に投開票が行われたモルドバ共和国の議会選挙戦(定数:101)は、EU加盟の手続きを加速させるのか、それともロシア側に寄り添うのか、分岐点となった。ロシア側の視点に立つと、モルドバを勢力圏内に組み込みたい。現にモルドバ東部には、親ロ派が実効支配する「沿ドニエストル共和国」が存在する。ロシア自体も国家承認していないとはいえ、ウクライナでの軍事作戦が上手くいけば、クリミア半島からヘルソン州、西のオデーサ州を経て、回廊を築く狙いがあったとみられる。

ロシアの介入疑惑が高まる中、選挙戦は親EU派のサンドゥ大統領が率いる「行動と連帯(PAS)」が、単独過半数となる50,2%の票を獲得して勝利した。真逆の政策を打ち出す親ロシア派の野党連合「愛国者選挙ブロック」の獲得票は24.2%である。投票の総計160万、投票率52,2%である。EU加盟や民主主義を支持する国民の声が反映された。EUの首脳やウクライナのゼレンスキー大統領も、サンドゥ大統領に祝意を表した。EU側に入れば、国境を越えて、自由に物が行き交う。経済的に困窮すれば、財政面を支えてくれる。もっとも財源に見合った出費を求められ、行き過ぎた借金は認められない。資源が乏しい同国は、開かれた西側社会の助けを必要としていた。一方ロシア側につけば、安く電力が供給される。エネルギー価格が高騰する中、原油の調達費用を抑えられると、生産の能率が上がる。EU側に付くか、ロシア側に付くか、全く異なる結果を生み出すことになった。

 写真=投票するサンドゥ大統領 掲載元 詳細記事 モルドバの議会選挙戦 BBC NEWS JAPAN 2025年9月30日最終更新
https://www.bbc.com/japanese/articles/c2kn3j54njlo
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 ロシアは9月30日付けで、与論に軍事作戦の進捗状況を明らかにした。既に国防省は、26〜29日にドネツク州の集落4カ所と東部ドニプロペトロウスク州の集落1カ所、北東部スムイ州の集落1カ所を制圧したと宣言する。30日付けで新たにドネツク州の集落ひとつを手に入れたと戦果をアピールした。一方ウクライナのシルスキー司令官の主張は、180度異なる。29日付で、ドネツク州での反攻作戦でこれまでに計175平方キロの領土を奪還したと明らかにした。なお同州ドブロピリア方面で露軍部隊の一部を包囲したと、成果を主張する。一方、政府から独立したウクライナの有力軍事メディア「ディープステート」は、冷静な見方をしていた。9月30日付け、戦況は押し込まれていることを示すかのように、ポクロウシク方面の集落ポルタウカがロシア軍に制圧されたと報じている。両軍は、互いに成果を表して、軍の士気を高め、将来的な停戦交渉に弾みをつける。ロシア軍は自国で人員や兵器を賄える一方、ウクライナ軍は、西欧諸国頼みの姿勢に変わりなかった。

 写真=シルスキー司令官 2025年9月25日 ウクライナ軍提供 掲載元 詳細記事 THE SANKEI SHINBUN 2025年10月1日午前9時8分
https://www.sankei.com/article/20251001-POVFTC4HW5IQBJIZZGU5WR3PKY/
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8月15日に米ロ首脳会談が開かれたものの、まったく紛争の結末について予測がつかない。西欧諸国の間でもウクライナの支援疲れが顕著だった。その最たる例が、2025年6月1日に投開票が行われたポーランドの大統領選挙戦だった。ナヴロツキ新大統領は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、国の脅威ととらえる。ポーランドの独自性を強調し、EUにあわせることを否定する。ウクライナからの避難民について、自国民同等の権利を与えることを否定した。スロバキアでは、フィツォ首相が、ロシアと中国と接近し、ハンガリーのオルバン首相と共にEUの足並みを乱していた。2025年に入り、トランプ大統領の就任に伴い、停戦へ向けて動き出したかに見えた。交渉に応じる構えを見せるプーチン大統領による経済制裁引き延ばし作戦は明白だった。ロシアはウクライナの制空権を握り、首都キーウを中心に遠隔ミサイルやドローン攻撃を繰り返した。西欧各国は、口ではロシアを非難するものの、核に怯えて、対応は控えめだった。第3次世界大戦を回避しながら、紛争終結へ向けて、外交努力を重ねていく。
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