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2025年06月03日16:11

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関心領域(The Zone of Interest)

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「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」のジョナサン・グレイザー監督がイギリスの作家マーティン・エイミスの小説を原案に手がけた作品で、2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリ、第96回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。ホロコーストや強制労働によりユダヤ人を中心に多くの人びとを死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描く。

タイトルの「The Zone of Interest(関心領域)」は、第2次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉で、映画の中では強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしを描いていく。

カンヌ国際映画祭ではパルムドールに次ぐグランプリに輝き、第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞、音響賞の5部門にノミネートされ、国際長編映画賞と音響賞の2部門を受賞した。出演は「白いリボン」「ヒトラー暗殺、13分の誤算」のクリスティアン・フリーデル、主演作「落下の解剖学」が本作と同じ年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したサンドラ・ヒュラー。(映画comより)





<2025年2月4日 録画鑑賞>

 公開当時に見逃したので、今回はwowowの録画鑑賞。思ったより静かな映画でした。素人目でいうと、世の中にナチス関連の映画はあふれていて、それこそ、ピンからキリまで、無数にあります。だからこそ、どういう独自色を出すか、ということを考えたのだと思います。しかし、実話だとも聞くので、案外そんなことは関係なく作ったのかもしれませんが。

 舞台はアウシュビッツ強制収容所のすぐそばに住む、ナチス高官(収容所所長)の自宅。広々とした敷地。きれいなお庭やプールもあり、その広さゆえ、お花が咲き誇る庭でのピクニックだってできちゃいます。そのお庭も、所長のワイフの手作り。いろいろ凝ってます。ただ、壁の向こうに”それらしい建物”が見えていて、時々変な音や悲鳴が聞こえて、建物の煙突からは煙が出ている、それだけのことです。映画ではわからなかったけれど、きっとにおいも時々漂ってくるのでしょうね。でも、それが何だというの。こんなに贅沢ができるのに。笑って楽しく過ごしましょうよ。

 ワイフは、庭ができた時に実家の母親を招待します。広くて美しい庭に「すごいのね」といってチェアーに座っていた母親も、3日目くらいの夜には黙って帰ってしまいました。娘はちょっとショック。でも、いいわ。何不自由ない暮らしですもの。母はなじまなかったのね。

 夏の暑い日には、近所の川でみんなで水浴び。でも、なにか見慣れないものが流れてきました。所長はすぐさま子供たちを川から上げ、家に帰るように命じます。そして体をきれいに流させます。これは、はっきりとは映りませんでしたが、たぶん人間の身体のパーツかと。

 家にはもちろん召使もいます。優しいワイフは、囚われていた女性でも、非ユダヤ人であればメイドとして雇い、破格の待遇を与えています。でも実は、夫は彼女に手を出しているようです。ワイフもうすうす気づいています。そしてまた、(多分)別の少女は、脱走してきたユダヤ人のために、あちこちに(所長の家からかすめて来た)リンゴを埋めています。一人でも多くの人が食いつなげて助かりますように、の願いを込めて。

 ある時、所長に配置転換の命が降りました。でも、一緒に行くのを妻が渋ったため、単身赴任します。だって〜ここの生活手放したくないし〜。庭できたとこだし〜。そして夫は数年で戻って来ます。「また家族一緒に住めるぞ」「あっそ」そっけない妻(笑)。そりゃ逆らえない女に手を出してるあんたが悪いでしょ。史実によると、妊娠してしまった彼女は餓死させられそうになったとか。ひどい話です。妊娠されて困るのなら避妊しておけ!と思うのは私だけではないはずです。当時は女性が軽んじられていたのかもしれませんが。

 しかし、ラスト近くで、所長は唐突に嘔吐します。空嘔吐みたいなのを何度も。普通に考えれば、やって来たことに対して耐えられなくなって嘔吐したってことでしょうが、私は懐疑的です。もちろん、読み通りなのかもしれませんが、何を今さら、とも思います。まぁ命令だから、良心の呵責があったけれども、耐えに耐えてきたのかもしれませんが。単に体調が悪かったとか(笑)。

 そして、今現在の収容所の姿。今は当時の悲惨さを現す品々が展示された資料館になっています。そこを開館前に黙々と掃除する人々。このシーンは完全に無音です。ハッとさせられますね。今までわりと淡々と描かれたシーンが多かった(たとえ浮気のシーンであっても)ので、ここで本当にドキッとしました。誰が悪いとか無神経だとかいう話ではなく、人って慣れるんだよな、と思いました。


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