今日、私は殺生をした。何を殺生したのかって? そりゃあ人が忌み嫌う”ヤツ”だよ。
しかしヤツと対峙したのは久しぶりだ。ヤツは定期的に姿を現すが……ここ数年は全く見ていなかった。久しく忘れていたよ、この恐怖を。暖かくなってくると変なやつが出てくると言うが……そのとおりだったな。
ヤツは賢く、そして臆病だ。私が見つけた瞬間はジッとしていたくせに、武器を手にするため少し目を離した隙に身を隠していた。おかげで探すのに苦労したし、無駄に時間をかけさせられたよ。
どこに隠れているかわからないから所構わず隙間に毒霧を噴射したよ。さながらHPが少なくなってきたボスがやってくる発狂攻撃のようにね。
それでもなかなか出てこないし、どうしたものかと思考を巡らせていたら……ヤツがのそのそと歩いて出てきたんだ。そこはちょうど私が最初に目星をつけて念入りに毒霧を噴射したところだった。それが効いてきて出てきたのだろう。出てこなければ、やられなかったのに……!
人類の嫌悪を思い知れーーーっ!!!! プシューーーーーーーーーーー
ヤツは絶命した。完全に動かなくなるまで十数秒、念入りに毒霧を浴びせ続けた。
そしてその後、使い捨ての割り箸に武器を持ち替え、テッシュを詰めた袋に入れ、回収した。
愚かなやつよ、人前に姿を現してしまったのが運の尽きだ。お前に罪は無いが、我々人類にとってのヤツらへの嫌悪は計り知れないからな。
人前に出てこない”ヤツ”だけが良い”ヤツ”だ。
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