mixiユーザー(id:8729247)

2025年05月17日20:00

170 view

映画「教皇選挙(コンクラーベ)」

取税人は、ただ自分の胸をたたきながら、
「神さま。こんな罪人の私をあわれんでください」と祈るだけでした。
(ルカによる福音書からの引用)

この映画の最後に「世界最大級の秘密」が明かされるわけだが、
その瞬間、上記の言葉を思い出したよ。
思い出すと同時に胸をたたいて天をあおいでいた。
「神よ、罪人たるわれを憐れみたまえ」
映画館の天井は真っ暗だったけどね。

映画の中にでてきたコンクラーベで一番覚えているのは「天使と悪魔」。
教皇が亡くなり、コンクラーベのために枢機卿が集まる。
教皇庁で雑用をこなす「カメルレンゴ」が実は黒幕で、
教皇を殺害し(資格がないのに)自分が後釜に座ろうと計画してた、という話。
ラングドン教授ことトム・ハンクスがローマ中を駆け回って陰謀を暴くんだけどね。

だからこの映画もそういう、権謀術作、魑魅魍魎みたいな
影の軍団による権力闘争が描かれるのであろう、と思っていた。
いやホントに、広場で爆発事件があってコンクラーベ会場の窓が吹き飛ぶときも
次の瞬間上からミサイルとか機関銃の雨あられではないか?と思ったり。
(ゴッドファーザーじゃあるまいし)
コンクラーベが終わり鉄壁の情報漏えい防止柵が上がって窓が明るくなり、
その窓をあけてレイフ・ファインズが外の空気を吸うときも
「このまま銃撃されて殺されるのでは?」と思っていた。

ところがどっこい。
最後の最後にどんでん返しというか、誰も予想しなかった「病状」が明かされる。
あの瞬間、誰もが自分の罪を思い知ることになる。
「神の前に人は平等」という当たり前の事実をいったいどう解釈していたか、
誰も口には出さないからこそとんでもない差別、ずっと目の前にあった疑問、
爆破された天窓から明るい光が「最後の審判」に降り注ぐように
すべての人たちが自分の「無意識の罪」を知ることになる。
この映画のラストシーンのもう少しあとに。

それにしてもレイフ・ファインズ。
闇の魔術の「俺様」帝王から枢機卿の筆頭まで演じる、ものすごい役者ですな。
レッド・ドラゴンもそういえばこの人だったよ。
イザベラ・ロッセリーニを見たのはたぶん「ブルーベルベット」以来だと思う。
あのときとあまり顔が変わってないような気がするけど、
あのとんでもない映画で顔はあんまり関係ないからよく見てなかっただけかも。

次席枢機卿役のスタンリー・トゥッチは何かでものすごく印象的な役で‥
って思ってて、それでもパンフレット読むまで思い出せなかった。
「プラダを着た悪魔」で主人公を助けるホモ編集者でした。

原作はロバート・ハリスが2016年に書いた小説。
(この映画の製作にも携わっている。映画「エニグマ」の原作もこの人)
映画の完成は2024年なので、まさか映画公開の時期と
本物のコンクラーベが重なるとは製作スタッフの誰も思ってもいなかっただろう。
この映画を思い出すとき「そういえば本物のコンクラーベがあった」って
誰でもみんな思い出すはずだ、まさに映画の奇跡。

最後にひとつ。
この映画の最初に亡くなった教皇様のために涙を流したのは
ローレンス枢機卿ことレイフ・ファインズただひとりでしたね。
きっと次の教皇に対してもよい相談相手になるのではないかしら。
8 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2025年05月>
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

最近の日記

もっと見る