2025年2月6日(木)
今回は、前日の続き、9月16日(月・祝)SARD UNDER GROUNDライブ前、科学未来館の第1部「科学を学ぶ」の第2章 ウロボロスの蛇 広大な宇宙から極小の素粒子の世界である。
前日作品
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989344547&owner_id=32437106
��ZARD 坂井泉水の58回目の誕生日 素粒子物理学の世界から現在の彼女のいる世界を考察する
以下 詳細記事 宇宙ヤバイchキャベチ 2024年2月8日(木)より
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/12c248a50494734343db42e2e6a587b0abe8303e
参考作品 素粒子物理から坂井泉水について語る
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985146406&owner_id=32437106
平成の音楽チャートを席巻したZARDの坂井泉水。身長165cm、清楚系で黒髪をなびかせる姿は、歳を重ねても、衰え知らずだと想像してしまう。
彼女の魂は何処へ行ってしまったのか。死後の世界は、究極の問いである。突き詰めると、我々の宇宙は、一つだけとは限らない。138億年前、超高温の火の玉ビッグバンから始まり、光速を超えるスピードで空間が広がった。最新のマルチバース理論によると、火の玉ビッグバンから始まった宇宙が、膨張するにつれて、空間そのものまで引きちぎられ、泡状と化した。我々の住む宇宙は、その無数の泡の一つにしか過ぎない。その泡と泡を結ぶ抜け穴についても考察されている。一見SFの世界のようである。ただ素粒子物理学において決して絵空事ではない。素粒子は、波と粒子の二重性を持つ。物理学者の中では、奇妙な性質を持つ素粒子は、泡構造の宇宙間を移動していると、推理している。
その多元宇宙論、別名マルチバース理論によれば、他の宇宙は全く別構造なのか。物理学者の見解は分かれている。たとえば、いくつもの宇宙で、自分の分身が存在し、それぞれわずかに異なる動きをする。一方の宇宙の自分は、天気が悪い中、外出が億劫で、デリバリーサービスを使って昼食を頼む。外出しないことにより、事故のリスクはない。もう一方の宇宙は、昼食をとるため、外出をして食材を買い足す。スーパーへ向う交差点で、運悪く車に跳ねられ、命を落とすリスクをはらむ。
現に量子力学においては、確率的な予想にとどまる。中性子が陽子に変わるベータ崩壊と呼ばれる現象から、説明がつきやすい。ヨウ素131という放射性元素は、半減期8日でキセノン131に変換する。その箱の中に1兆個詰まったヨウ素131を一個摘み出して、8日でキセノンに崩壊するか否か、特定はできない。あくまでも半分の確立でしか導き出せないのである。
多世界解釈論に従えば、ヨウ素131の崩壊が起こる世界とそのまま存在する世界とに分かれる。もちろん素粒子物理学の究極の謎を解けない以上、はっきりとした事実は掴めない。我々の世界では、坂井泉水は確かに去ってしまった。一方隣の宇宙では、2006年に手術した子宮頸がんを克服し、しっかりと音楽活動を再開していた可能性もある。医学においても、手術の成功率は、確率論でしか語れない。手術において、取り残した細胞が、肺へと転移し、亡くなるひと月前の2007年4月に、精密検査により発覚した。ファンは坂井泉水を思い続ける限り、きっと心が通じると、希望を抱いている。続いて素粒子の世界にも通じる天文学を取り上げる。
写真=1995年頃の坂井泉水 掲載元 オフィシャルインスタ
https://www.instagram.com/zard_izumi_sakai_0206/p/DFBoBxSTPWO/
第1部科学を学ぶ
第2章 ウロボロスの蛇 広大な宇宙から極小の素粒子の世界
目次
(1)超巨大ブラックホールを語る。
(2) ブラックホールを間接的に探る
(3) ブラックホールとダークマター
(4)ダークマターの正体を掴め。
(5)ダークマターの候補 アクシオンを観測
(1)超巨大ブラックホールを語る。
環境分野にに続き、天文学に詳しいコミュニケーターとも議論した。その人の専門分野は「化学」だという。テーマは、宇宙創世記のブラックホールの巨大化である。従来の理論に当てはめると、大きな星が超新星爆発を起こしても、太陽質量数倍のブラックホールにしかならない。合体を繰り返したところで、成長にも限界がある。コミュニケーターは、未知の理論により、ブラックホールを形成する別のメカニズムが働いているのではないか、と推測した。
ブラックホールの成長のメカニズムを探る上で手がかりになるのは、「重力波」である。重力波とは、1916年にアインシュタインが一般相対性理論に基づき、時空の歪みが伝播する波動現象を差す。我々の目に見える可視光線や熱を感知する赤外線、または電波など発しないブラックホールからの情報を引きだす。
以下 過去の日記にて、重力波検出装置について解説した。
太陽の数倍程度の質量同士のブラックホールの衝突をとらえる装置 LIGOやVirgo
2022年11月10日付け 第2章より
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1983677133&owner_id=32437106
太陽質量の数千倍から数万倍のブラックホール同士の合体時の低周波をとらえるLISAについて。 2034年に宇宙空間に打ち上げ 一方の長さ250km
2020年12月10日付 第3章
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1977756175&owner_id=32437106
(2)ブラックホールを間接的に探る
さて天文学者の新たな謎は、遠方宇宙から発見される大量の巨大ブラックホールの兆候である。もちろん、電磁波を発しないブラックホールの直接観測は不可能だった。間接的な手がかりとなるのは、クエーサーである。クエーサーとは、巨大な重力源から発せられるエネルギーを差す。望遠鏡から観測すると、一つの光点のように見える。エネルギー源の候補は、巨大ブラックホールに落ち込むガス雲の運動エネルギーである。ガス雲に含まれる原子核から電子が剥ぎ取られ、プラズマ状態となった。電子が原子の中に戻ろうとする際、輝線を放つ。エネルギーと光度は比例関係にある。
E=hν=hc/λ h:プランク定数、ν:光の振動数、c:光の速度
以下 Astro Arts 2023年12月12日 東京大学宇宙線研究所より
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13368_blackhole

従来の大質量ブラックホールの探査では、活動的なブラックホールが周囲の物質を飲み込む過程で明るく輝く「クエーサー」を探す方法が一般的だった。すばる望遠鏡などの観測により、これまで120〜130億年前の遠方宇宙で多くのクエーサーを見つけてきた。その数は同時代に存在する銀河の1000分の1以下にとどまった。ブラックホールがガス雲を引き付け、成長するまで一定程度の時間を要することが示唆された。
新たに、東京大学宇宙線研究所の播金優一さんたちの研究チームは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の近赤外分光器「NIRSpec」で得られた遠方銀河の観測データを解析した。120〜130億年前の10個の銀河から、活動的な大質量ブラックホールの存在を示す特徴的な幅広い水素の輝線が出ていたのである。従来のすばる望遠鏡の観測から得られた数の50倍に相当量だった。
「観測データの中から大質量ブラックホールの存在を示す幅広い水素の輝線を発見した時は、本当に驚きました。これまでの研究から、JWSTの狭い観測範囲では、大質量ブラックホールは1個も見つからないだろうと思っていたからです。最初は何かの間違いかと思いましたが、JWSTの感度があまりにも良く、非常に明確に幅広い水素の輝線が見えているので、これは本物だろうと確信しました」(播金さん)。
スペクトル情報から、ブラックホールの質量も推定した。「今回発見したブラックホールは、質量が太陽の100万倍から1億倍です。クエーサーの持つブラックホールに比べて100倍ほど軽く、より形成初期に近い天体であることがわかりました。一方で現在の宇宙に存在する同じような銀河が持つ大質量ブラックホールと比べると10倍から100倍ほど質量が大きく、遠方宇宙でブラックホールが急成長している様子を見ている可能性があります」(国立天文台 中島王彦さん)。
今回見つかった大質量ブラックホールの画像の多くには、大質量ブラックホールからの光と思われる小さくコンパクトな光だけではなく、ブラックホールが存在する母銀河から広がった光も見えている。「JWSTの圧倒的な感度と解像度のおかげで、母銀河の光も検出することに成功しました。画像に見られるような多様な銀河の色や形は、活動的な大質量ブラックホールが様々な種類の遠方銀河に普遍的に存在することを示しているのかもしれません」(国立天文台 張也弛さん)。
<参考記事終わり>
(3)ブラックホールとダークマター
観測結果を積み上げることにより、宇宙創世記について迫れる。化学を先行していたコミュニケーターによると、宇宙初期に存在したモンスターブラックホールについて、何か我々には知らない物理法則からくるメカニズムが働いているのではないか、と推測した。実際コンピューターであらゆるシュミレーションが行われている。
興味深い一説が2017年10月5日の時点で発表された。以下 Astro Arts 引用
ビッグバン直後の超音速ガス流が生んだモンスターブラックホールの種
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/9424_blackhole
米・テキサス大学オースティン校の平野信吾さんたちの研究チームは、ビッグバン後に残された超音速ガス流に着目し、国立天文台のスーパーコンピューター「アテルイ」などを使って初期宇宙のシミュレーションを行った。
宇宙年齢が1億年のころ、ダークマター同士が重力で引き合って集積し、太陽の2000万倍もの質量をもつ巨大な高密度領域「ダークハロー」が作られる。巨大なダークハローは、高速のガス流を捕捉し、旋回運動することにより中心は高温高圧環境になる。平野さんたちがシミュレーションで巨大乱流ガスとダークマターの因果関係を説き明かす。
太陽の数万倍もの質量をもつ乱流ガス雲の中では、原始星が生まれた。星が出来るということは、重力も増す。廻りのガス雲も加速度的に捕縛した。星からは低エネルギーの光が放射されることになり、流入したガスはそのまま落ち込み続ける。最終的にガス雲全体を取り込んだ星は、太陽の3万4000倍もの質量に達した。一生の最期に同質量の大質量ブラックホールを遺す。宇宙初期に誕生した巨大ブラックホールは、数億年ほどガス降着により、成長を遂げ、重力によって引き合う近傍のブラックホールをひきつけ、衝突合体を繰り返す。当時は星間物質が豊富な分、巨大質量星が次々誕生し、同じメカニズムで、太陽の数万倍のブラックホールになる。初期の宇宙の状況であれば、数億年で太陽の10億倍以上もの超大質量ブラックホールへと変貌を遂げられる。もう一つのデーターからも裏付けられた。ダークハローの形成時期や超音速ガス流の速度分布を理論的に求める。大質量ブラックホールが宇宙に現れる確率をはじき出した末、現在観測に成功した超大質量ブラックホールの数と一致した。理論値を観測で確かめることにより、仮説の粋を脱する。ブラックホールは質量を持つ程、動きがゆっくりな分、低周波を出す。現在稼動している地上のLIGOでは、観測が難しい。より低周波にも対応したLISAの観測が始まることにより、合体する瞬間を探れるとみられている。重力波から宇宙現象を解明する「マルチメッセンジャー天文学」は、これからますます盛んになると見られている。
<終わり>
科学コミュニケーターにも、実のところ、上記のメカニズムについて説明した。そもそもダークマター自体の性質についても理解されていない。分かっていることといえば、我々が知る水素やヘリウムなどの物質よりも5倍多いことである。ただしダークマターが存在していることは確か。その分布図を重ね合わせると、銀河を縁取るように広がっている。つまりは、宇宙を形作る銀河の骨格となっているのである。
難問だからこそ、ダークマターを嵌め込んで、解決しようとしているのではないか、と推測していた。
(4)ダークマターの正体を掴め。
理論を裏付けるためには、ダークマター自身の性質を解き明かさなければならない。日本でもダークマターの兆候をとらえるため、研究開発に勤しむ。主導するのは東京大学、プロジェクト名は「XMASS実験」、岐阜県の神岡鉱山の地下100kmに巨大なタンクを置いて施設がある。2010年10月から観測が始められた。2012年6月から改修のため一時検出器の運転を停止し、2013年11月から再開した。
液体化した1トンのキセノン(マイナス100度)を詰めた検出器でダークマターを直接捕獲する。ただし、相互反応する確立は極端に低い。装置開発に携わった2012年ノーベル物理学賞の梶田隆章氏は、仕組みについて説明した。液体キセノンの周りに光電子倍増管を配置する。その外周を800トンの液体の水が覆い、岩盤からの放射能を遮っていく。キセノンを選んだ理由は、原子番号と質量数が大きいからである。ダークマターの候補粒子(WIMPなど)と衝突(弾性散乱)しやすく、効率よく検出できると期待される。たとえばありふれた水の場合、高速で原子核が飛ばなければ、チェレンコフ光は出ない。キセノンは、水よりも原子核の速度が遅くても、相互反応を起こす。地球上に1リットル当たり1個の辺りで存在すると考えられるダークマターが通過すると、キセノンは外に押し出され、周囲の水分子と衝突する。ダークマター(またはその候補粒子)が、液体キセノンの原子核や電子と衝突した際に生じるシンチレーション光(発光)を、周囲の光電子倍増管で直接捉える仕組みである。周囲の水タンクは、岩盤などから飛来する不要な放射線を遮るための「シールド(遮蔽材)」として保護機能を果たしていた。
詳細 XMASS実験 ZAROICHI 2022年6月10日付
https://zeroichi.media/with/2559
詳細 imidas 2010年3月
https://imidas.jp/hotkeyword/detail/K-00-102-10-03-H012.html
ダークマターが通過すれば、確実に反応してくれる保障はない。あくまでも確率論の話である。キセノンとの相互作用により、アルファ線やベータ線を含め、あらゆる放射性物質が出る。ダークマターを捕らえれば、謎の発光現象として確認される。その発光現象が、ダークマターと断定できるのか、実に難しい。
そのダークマターの候補を、弱い相互作用を起こす粒子を意味する「WIMP」と過程する。季節による変動により、相互作用の頻度が変わるとみている。太陽系は、銀河の中心から約26100光年離れたところを秒速240キロの速度で動く。地球は、銀河中心を公転する恒星太陽の回りを規則的な動きで公転する。地球の動く向きと太陽の動く向きが一致する夏と、逆になる冬では、銀河の中に散在するダークマターとぶつかる頻度が変わる可能性が高い。季節によって有意な差があるシグナルは、ダークマターの兆候だといえる。
なぜWIMPと呼ばれる仮説上の粒子が候補に浮上するのか、銀河を回る恒星太陽の公転速度に起因する。太陽系付近での質量密度は1cm3当たり陽子質量の1/3程度が必要である。WIMPの質量が陽子の100倍と過程すると、およそ1辺が7cmの箱の中に1個の割合で存在する。
宇宙にあまねく存在するニュートリノは、角砂糖1個の体積に300個程度の密度である。対照的にWIMPの量は、明らかに少ない。
もう一つ仮説上の粒子WIMPの性質として、天の川銀河の重力場の中で、ランダムな方向に平均速度270km/sで運動している。銀河中心を回る太陽系の運動速度は220km/s、より速度が速いWIMPは、我々に風を送っているのである。2017年のこと、改修費用30億円の予算を獲得できず、プロジェクトは打ち切りとなった。
詳細 WIMPの移動速度 星空が好き、猫も好き、2021年6月17日付
https://kai-kuu.jugem.jp/?eid=2567
写真 掲載元 枠を超えた、知の冒険 誰も知らないダークマターの謎を追う
http://shochou-kaigi.org/interview/interview_20/
以下 写真 掲載元 アメリカでのプロジェクトについて BUSSINES INSIDER 2022年7月18日付
https://www.businessinsider.jp/article/256464/
アメリカでは大型プロジェクトが進む。サウスダコタ州でのことである。10トンの液体キセノンを蓄えたタンクを用意し、XMASSより高い感度を誇る装置「LUX-ZEPLIN(LZ)」を使って、観測に挑む。2022年7月に試運転が始まった。設置場所は地下1,6km。キセノンを覆うのはチタン製のタンク。外部からの熱を徹底的に遮断する。
研究チームは、ダークマターの候補となるのは未知の粒子「WIMP」だと過程する。WIMPはもちろん正体不明の粒子。分かっていることは非常に弱い相互作用しか起こらない。たとえば1000万光年の厚さの鉛に打ち込んだとしても一個程度の反応だと考えている。小さな反応を見逃さないように、設置場所として、人々の活動痕跡がない、地下深くが望ましかった。近年宇宙開発に力を入れる中国も同分野に参戦している。プロジェクト名は「パンダX」、蓄えたキセノンは4トンに達した。
ただし、WIMPをダークマターの候補から外すと、実験の意味は薄れていく。2014年頃から正体を仮説上の素粒子「SIMP」とする声も上がった。ほかに「アクシオン」という素粒子が
候補に上がっている。共通して電化を持たず、重力場の中で相互作用を起こす。2015年の夏 東京大学数物理工研究所に所属する村山斎氏が語ってくれた。SIMPは、湯川秀樹博士が提唱し「湯川粒子」とも呼ばれるパイ中間子に似た働きをしていた。SIMPだとする仮説は、矮小銀河の構造にある。ダークマターをSIMPとしない場合は、銀河の中心部の狭い範囲にガス雲が集中することで、外側では少ない (図左) 。ダークマターをSIMPとした場合には銀河の中心部から外側にかけてなだらかに分布する (図右) 。この場合のダークマターの分布は観測事実と符合する。
詳細記事 写真掲載元 Astro Arts 2015年7月30日付
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/467_simp
(5)ダークマターの候補 アクシオンを観測
アクシオンについては、すでに兆候はとらえられていた。2020年6月17日のこと、イタリアで2018年まで稼動していた「ゼノン1T」のデータ解析から導き出す。タンク内に3トン溜め込んだ液体キセノンから発生した光や電子の信号のうち53回分は未検出の物質による反応だと明らかにした。エネルギーと光度は比例関係にある。光度の強さから、太陽で生まれたアクシオンによる可能性が高いと結論づけた。観測の精度は過去最高の99,98%になる。素粒子物理学の世界で発見と認められるには、99・9999%が必要とされる。
詳細 記事 アクシオンについて THE SANKEI SHINBUN 2020年6月18日付
https://www.sankei.com/article/20200617-DANTRMSMXZNPXLNN4MNJDORIQ4/
アクシオンは、「強いCP問題」と呼ばれる観測と理論が矛盾する問題を解決する粒子として置かれた仮説上の粒子だった。ちなみにCP対称性の“C”とは、粒子と反粒子の電荷(Charge)を入れ替える「C対称性」を表す。そして“P”とは、鏡写しのように空間の方向を反転させる「P対称性」(Pは日本語で“偶奇性”を示すParityの頭文字)のことである。
宇宙創世記は「CP対称性の破れ」と呼ばれる現象が起きて、電化が異なりなる粒子と反粒子の対消滅の際に、わずかに物質が多かった理由とも結びつく。5億分の1の確立のみ粒子が多かった分、生き残ったのである。2008年に南部陽一郎氏と共にノーベル物理学賞を受賞した小林誠氏と益川敏英氏は、1973年にクォークが6つ合わされば、CP対象性の破れと呼ばれる現象の説明が付くことを発見した。「小林・益川理論」として定着していた。
写真=素粒子の解説 掲載元 KEK高エネルギー加速器研究機構より
https://www2.kek.jp/ja/newskek/2003/mayjun/km.html
理論発表からノーベル物理学賞受賞まで35年を費やした。理論の完成を待って、研究装置が開発された。日本では2001年に高エネ研究所にて、KEKB加速器とベル加速器により、B中間子と、その反粒子の反B中間子をつくり、双方が壊れる様子を観測した。その結果壊れる確立やタイミングがわずかに異なっていたのである。なぜ壊れない粒子があるのか、確率論に過ぎない。素粒子はまさしく「確率論」の学問なのである。
一方南部陽一郎氏は、量子力学の根幹を変える「自発的対称性の破れ」と呼ばれる理論が評価された。宇宙創世記物質と反物質の総量において、10億分の2だけ総量に違いがあった。その非対称性を解くうえで重要な理論でもある。天文学辞典で詳しく解説されている。
https://astro-dic.jp/spontaneous-symmetry-breaking/
我々の世界でも、自発的対象性の破れと呼ばれる現象について説明がつく。買い物にいくとき、バスケットの中におにぎりが2つ並んでいたとする。見かけ上要領は同じ、でもなぜか、右側の方を選んでしまう。左ではなく、右になるのか。我々人は、聞き手を使いたがるからである。値段と要領が同じであれば、対称性が一致している分、右でも左でもいい。客が聞き手を使いたがる傾向から、バスケットから掴みやすい右に置いたおにぎりの売れ行きがよくなる。つまり、素粒子論の「自発性対称性の破れ」が起こっているのである。我々の世界は、このように単に右利きが多く、目にとまりやすいからだと、簡単に説明がつく。量子論においては、一言での説明がつかない。
素粒子は、判明している限り17種類存在する。性質から大きく3つのグループに分けられた。陽子や中性子は3つのクォークが合わさり、バリオン(重粒子)とも呼ばれている。電子は「レプトン」という物質を構成する素粒子に分類された。質量は陽子の2000分の1程度、したがって物質の重さはバリオンだけに見積もられている。
不思議なことに、素粒子によって構成される水素やヘリウムの原子は、宇宙全体でわずか4%に過ぎない。残り74%が、物を引き離す力がある「ダークエネルギー」、他22パーセントが「ダークマター」だった。分かっている水素やヘリウムなどの物質は、バリオンで構成される。一方で電磁相互作用を起こさないダークマターは、レプトン外の物質で出来ているとみられている。
実際宇宙は謎だらけだからこそ、世界中の学者達がネットワークを築き、知恵を出しあい、観測に挑んでいるのである。広大無辺の言葉が示す通り、果てなく広がっている。その我々の世界から旅立った人の魂が、果たして別の宇宙では存在するのか、究極の問は、素粒子分野からも語られる。死後の世界は、転生派と他界派に分かれていた。原始仏教や禅宗、ヒンドゥー教は「転生派」、生まれ変わると信じられている。一方でイスラム教とキリスト教は「他界派」、それぞれ信仰する神の元にいけるとされている。
天文学を極めると、膨大なスケールの数値を扱う。10が二桁以上ついた数値から、10のマイナスが二桁ついた数値まで、幅広い。ギリシャ神話のウロロボスのヘビにも例えられる。頭が果てなく広がる宇宙を、反対の尻尾はミクロな素粒子のことを差す。宇宙を示す頭が、素粒子を表す尻尾を飲み込み、リングを形成する。「万物は流転する」の諺通り、我々人の世界も世代交代があるように、星は産まれ、そして消える。運命の鍵を握るのは、素粒子だった。実に究極の問いに迫る学問である。
写真=ウロボロスの蛇 掲載元 素粒子原子核研究所より
https://www2.kek.jp/ipns/ja/special/belle2-nicolive/particles-and-universe/
およそ2時間半余り滞在した科学未来館で、専門家との会話により、新たな知識を獲得した。地球の未来は、われわれ人類が握っている。
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