<地球の未来、古典派経済学と最新科学を駆使して考察する >
ZARD デビュー35周年企画
2月5日は、ZARDのファンにとって一つの節目の日だった。CD売上160万枚を越える6thシングル「負けないで」をテレ朝系列ミュージックステーションで披露して、丁度32年である。当時は5人組みのバンド態勢だった。極度の揚り症だったヴォーカルの坂井泉水は、同曲でブレイクすると、すっかりテレビの前から姿を消した。以降リリースされたCDに書かれたメンバー表には、バンドの名前がクレジットされた。ZARDは坂井泉水によるソロ・プロジェクトへ移行したといえる。翌2月6日は、彼女の誕生日を迎える。毎年のようにZARDオフィシャルサイトでは、花束の絵柄が入ったメッセージを受け付けていた。今彼女の存在を平成から令和の世代へ伝える取り組みが着々と行われている。
以下 関連日記
��2021年12月4日 全球凍結スノーボールアースについて
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1981014766&owner_id=32437106
��2021年11月と12月に作成したナゴルノ・カラバフ問題に関する日記
前編
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1980818604&owner_id=32437106
後編
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1981181201&owner_id=32437106
��2023年2月5日 「負けないで」Mステ披露 30周年日記
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1984320126&owner_id=32437106
�し从儚悄.▲瀬燹Ε好潺垢砲弔い董�2023年7月10日付
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985458793&owner_id=32437106
目次
第1部科学を学ぶ
・初めに 9月16日(月・祝)SARD UNDER GROUND LIVE当日
第1章 地球の未来 古典派経済学と最新の科学技術を駆使して考察する
(1)恵比寿ガーデンシアターの写真美術館へ クリスチアン・ホイヘンスのマジックミラー
(2)科学未来館へ COP29アゼルバイジャンバクー開催へ
(3)北極圏の気候変動
(4)マルサス人口論
(5)リカードの比較優位の法則
(6)ZARDの坂井泉水の歌詞「I’m in love」にも環境問題が触れている。
初めに 9月16日(月・祝)SARD UNDER GROUND LIVE当日
2月6日は、ZARDの坂井泉水の58回目の誕生日である。ファンクラブWezardでは、毎年誕生日にファンからのメッセージを公開している。彼女の姿そのものは40歳の時点で止まっているものの、時を経ても、発信することにより、人々の記憶に定着していた。今回はZARDのトリビュートバンド、SARD UNDER GROUNDの9月16日(月・祝)のライブの日に私自身の行動を紹介する。第1部は、ライブ前の観光地レポート、第1章では江東区お台場科学未来館での地球環境や経済学についてのレポート。2025年11月にアゼルバイジャンの首都バクーで開催されたCOP29の模様と共に、古典派経済学の理論を検証し、地球未来について考察する。また坂井泉水の歌詞からも環境問題について取り上げていく。続く第2章では、天文学関連の話題、謎の物質ダークマターとブラックホールの成長について理論を交えながら検証する。第2部は、ライブレポートと共に、2025年のSARD UNDER GROUNDの現在値についてみていく。
第1部 科学を学ぶ
(1)恵比寿ガーデンシアターの写真美術館へ クリスチアン・ホイヘンスのマジックミラー
SARD UNDER GROUNDのLIVE会場に向って、出発した。会場への直行では、物足りなさを感じてしまう。最初にJR恵比寿駅南口から徒歩5分に位置するガーデンプレイス内の東京都写真美術館を訪れた。地下1階には、7月30日(火)から11月3日(日)迄、特別展「いわいとしお×東京都写真美術館 光と動きの100かいだての家」が開催されていた。
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4818.html
展示品のひとつ「ぬまの100階だての家」

綺麗に磨かれた透明なガラスケースを挟むことにより、手前から奥まで鮮明に絵が映り込む。一度ビー玉を落とせば、底へと吸い込まれるように錯覚する。実際は、ガラスの板に当たって、とまってしまう。不思議な世界を体感するべく、来園者は丸く切り取られた穴から覗き込んでいた。
もう一つ紹介する展示品「マジックランタン」は、1659年にあの光の性質を解き明かしたクリスティアン・ホイヘンスによって考案された。現代のプロジェクターの原型に当たる投影装置である。
詳細 東京都写真美術館 ホームページ
https://www.art-it.asia/top/admin_ed_pics/188601/
展示された装置では、蛍光灯がついた状態である。用意された絵入りガラスを当てていくと、奥のスクリーンに映る仕組みだ。
科学を学ぶと、実に不可思議な難問にも突き当たる。謎を説き明かす探偵のように、どんな困難にもぶつかっても、解決へ導くことにより、達成感を得られる。先人の知恵により、我々の暮らしは利便性の向上と共に、娯楽も幅広くなった。現代人は、機械の発達により、暮らしは大きく変わっている。
(2)科学未来館へ COP29アゼルバイジャンバクー開催へ
恵比寿駅から、りんかい線直通新木場行きの埼京線に乗ると、30分足らずで科学未来館の最寄りとなる東京テレポート駅に到着する。
空はどんよりとした雲に覆われているものの、雨は降ることなく、持ちこたえていた。台場の町は、ショッピングを楽しむ若者や子連れの家族が行き交う。東京の郊外では、高齢化が進む中、新興住宅が立ち並ぶ同地区は、実に活気を帯びていた。
科学未来館は、敬老の日に合わせて、65歳以上のシニアは、入場無料の特権を与えられていた。そのせいか、小さい子供と共に足を運んだ数多くの高齢者が見学していた。同館は、次世代を見据え、最新のテクノロジーと共に、気候変動、または宇宙開発なども紹介する。私は、受付にて、気候変動に詳しい科学コミュニケーターを呼んでもらい、今後の見通しについて聞いた。化石燃料を大量に消費する影響で、大気中に太陽光の熱を吸収する二酸化炭素がこもることにより、温暖化が加速する現状に直面している。欧州連合の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は11月7日、2024年10月の世界平均気温は過去2番目に高い15,25度、産業革命時に比べて、1,55度上昇したと明らかにした。昨2023年は、産業革命前から1,48度上昇だったのである。
詳細 朝日新聞DEGITAL 2024年11月8日付
https://www.asahi.com/articles/ASSC81C88SC8ULBH001M.html
2015年の12月12日に採択されたパリ協定では、世界の平均気温を産業革命前に比べて、2度以内に抑えるとの共通目標が掲げられた。第2条1項には、可能な限り、上昇幅1,5度未満とくわえられていた。世界各国が、経済成長のエンジンとなるエネルギーに頼る分、脱炭素化は進まなかった。2024年に早くも、努力目標となった1,5度未満を超えたのである。国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)は、2024年11月11日から24日までの日程で、アゼルバイジャンの首都バクーで開催された。
写真=COP29を開催したバクー 掲載元 FORSTER COMMUNICATIONS 2024年8月23日付
https://forster.co.uk/cop29-understanding-the-un-climate-summit/
バクーは、豊かな天然資源に恵まれ、中央アジアのドバイと呼ばれる程発展を遂げている。実のところCOPの開催には別の側面を持っていた。アゼルバイジャンは隣国アルメニアとの間で、日本の京都府程の広さを持つ山岳地帯ナゴルノ・カラバフ地区の帰属権を巡って、旧ソ連時代から争っていた。国際的にはアゼルバイジャン領と認定されながら、アルメニア人が実効支配していた。転機は2020年9月27日から11月10日まで続いた第2次ナゴルノ・カラバフ紛争だった。トルコの後ろ盾を得て、イスラエルから武器を調達するアゼルバイジャンが、アルメニア軍に圧勝し、有利な形で停戦協定にこぎつけた。以降、散発的な争いが起こっていた。さらに政情不安になる事態が起こった。仲裁役のロシアが、ウクライナへの軍事侵攻に人員を費やすことにより、ナゴルノ・カラバフ地区の警備が手薄になったのである。2023年9月19日運命の日が訪れた。現地のアルメニア人の間隙を突く形で、アゼルバイジャン軍が「対テロ作戦」を決行したのである。24時間後にはアリエフ大統領の口から「作戦任務完了」との宣言が出された。アルメニアの地元メディアは25人が死亡、約140人が負傷したと報じた。9月28日には、現地のアルメニア人から成るアルツァフ共和国の政府サムヴェル・シャフラマニャン大統領に、「2024年1月1日まで政府機関を解散する」との文言が入った書類に署名させた。従って、アゼルバイジャン軍が、ナゴルノ・カラバフ地域を完全掌握したのである。現地から12万のアルメニア人が、土地を追われ、難民となった。アルメニアのパシニャン首相は、ナゴルノ地区からのアルメニア人の受け入れを示している。
2022年2月24日のロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻以来、両国の間にEU、時にはアメリカが入り、和平へ向けて模索してきた。アルメニアは、ロシアを中心とした軍事同盟CSTOの一員である。中心となるロシアの解釈では、集団防衛の範囲にアルメニア本土は含まれているものの、ナゴルノ・カラバフ地区は対象外との位置づけだった。兼ねてより西側のメディアからも、機能不全と評価されていた。2023年12月7日に、アルメニア首相府とアゼルバイジャン大統領府は、共にソ連から独立して以来、初めて和平に向けた共同声明を発表した。信頼醸成措置として捕虜交換を行う。両国政府によると、アルメニア兵32名、アゼルバイジャン兵2名が、解放されたことを明らかにした。なお、アルメニアは12月7日、2024年の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)について、アゼルバイジャンの開催国立候補を阻止しないことに同意した。従って、バクーでのCOP29開催は、和平への機運を高める第一歩となった。
写真=2023年11月 ナゴルノ・カラバフ地区でのアゼルバイジャン軍のパレード
掲載元 日経新聞 2023年11月8日付
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB080ZB0Y3A201C2000000/
11月12日から13日の2日に渡り、COPの一環で首脳級会議を行った。参加は80の国と地域に上る。議題の一つである先進国から発展途上国への資金援助を巡って、出席者の意見に隔たりがあった。中華人民共和国から日本やアメリカ、EU諸国を念頭に、「先進国から資金を拠出するべき」との意見があがった。最終日の22日に行われる共同声明の採択に向けて、先進国と中国、または発展途上国との間で交渉を続けた。24日の閉幕日、先進国は、気候変動対策資金として、途上国に対して過去に例をみない規模での援助額を打ち出した。2035年までに受け取る額は年間3000億ドル(約46兆1900億円)、
前年比3倍増となったものの、途上国から協力にはさらに協力金の上乗せを求める声がやまなかった。今回産油国で開くことに意義を唱える声も強く出た。現に同国のアリエフ大統領に対する国際的な信頼を失っていたのである。「天然資源は神からの贈り物」との発言に、非難の声が上がっていた。開催に先立ち、アゼルバイジャン政府は、パリ協定に基づいて、温室効果ガス(GHG)排出量を2030年までに1990年比35%、2050年までに同40%削減する目標を設定している。再生可能エネルギーの割合を2030年までに発電容量の30%に増やす計画を示していた。日本でも脱炭素化を勧めている。環境研究エネルギー庁は2024年6月10日に、具体的な数値を明らかにした。2023年 (暦年)の日本国内の全発電電力量(自家消費含む)に占める自然エネルギーの割合は25.7%(速報値)、前年の22.7%から大幅(3ポイント)に上昇した。
(3)北極圏の気候変動
さて、科学コミュニケーたーによると、北極圏の行方を注視しているという。高緯度地域のグリーンランドに発達した永久凍土には、温室効果をもたらすメタンガスが閉じ込められている。北極圏の氷床が気候の鍵を握る要因はもう一つある。氷と水は、太陽光の吸収率で全く異なる性質を持つ。氷床は太陽光の反射率が高く、寒冷化を引き起こす要因になる。対して水は、太陽光を吸収する。物体で反射される光の割合を「アルベド」という。雪氷のアルベドは80%、対して無氷河状態の赤道付近は20%から30%になる。わずかな気温の変化によって、雪氷面積が減じるか、それとも拡大するのか、その行方を科学用語で「フィードバック効果」という。現在二酸化炭素の影響で大気中に熱がこもると、アイスアルベド・フィードバックにより、氷が溶けて、水になる。太陽の光を海水が吸収することにより、温度上昇に歯止めがかからなくなった。1970年から2019年までの間、世界全土の気温の上昇幅はプラス1度、対して北極圏は3度も上昇していた。海氷面積は過去35年間で3分の2も減少している。
写真=アイス・アルベド・フィードバック効果の解説図 掲載元 Power point プレゼンテーション
UNEP(国際連合環境計画)によると、年間平均降雨量200mm以下の乾燥地域は世界の陸地の4割にのぼる。2020年時点で10%から20%の土地の砂漠化が進んでいるとの見解が明らかにされた。発展途上国を中心に、人口増加が著しい今、耕作面積の減少により、食糧不足が必ず起こる。今世界各国で危機意識を共有している。
(4)マルサス人口論
私は、科学コミュニケーターに、「マルサス人口論」について持ち出した。1766年2月にイギリスで産まれた経済学者トマス・ロバート・マルサスが1798年に著した「人口論」に基づく。マルサスによると、人口は抑制策を打たなければ、等比数級的に増加していく。対照的に生活物資の増加は等差級的にしか起こらない。つまり適切な人口を超えれば、資源が枯渇すると説いたのである。マルサスは、土地や資源が限りある地球上の人口は、限界値を越えれば、突発的なイベントが起こると説いた。本著には、飢餓によって人口が抑制されると書かれている。実際には18世紀初めのイギリスで始まった産業革命時、新たに資源を獲得することにより、人口が爆発的に増えても、淘汰は起こらなかった。当時は「マルサスの罠」と呼ばれた人口が抑制されるメカニズムについては見過ごされていた。都市化の発展により、食料自給率が下がったうえに、砂漠化が進む21世紀には、「マルサスの罠」について議論の対象となった。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2060年に日本では人口が減少し、9000万人弱に落ち込むとみられている。一方国連の推計では、世界人口101億5147万人にと弾き出された。西暦1900年の人口は推定15億人、160年間で6倍以上増加するペースである。マルサスの理論に基づけば、温暖化で砂漠化が進むと、人類を養っていけるだけの資源はさらに少なくなる。人口増加で、水資源や土地の奪い合いにより、戦争が起こり、死傷者が出ることにより、人口は抑制される。
写真=マルサス人口論の簡易解説 掲載元 資本主義の奴隷
https://capitalism-slaves.com/economic-thought/1709/
現在マルサスが予言していたとおり、静かに自然淘汰が進んでいるとみられている。そのきっかけは、2022年2月24日に始まったロシア軍によるウクライナ侵攻に端を発した資源不足からくるインフレである。中でも食料価格の高騰は、貧困層を苦しめた。帝国データーバンクによると、2024年通年の値上げ品目数(予定含む)は12月までの累計で1万2458品目を数える。年間の平均値上げ率は17%に上った。貧困化を表すうえで、家計の総支出に占める食料品の割合を示すエンゲル係数が参考になる。ドイツの統計社会学者エルンスト・エンゲルが、1857年に発表した理論に基づく。
エンゲル係数は「食料費÷消費支出×100」の式で算出される。一般に所得が低いほど、生活に必要な食料費に多くの割合を費やす。一方財政的に豊かになれば、所得のうち娯楽に費やす割合も上がる。エンゲルの法則は、生活水準や消費パターンの変化を示す指標としても広く使われる。経済発展の度合いや国ごとの貧困層の割合を測定するための物差しにもなった。
【G7各国の家計支出に占める食費の割合=エンゲル係数(2022年)】
・アメリカ:14.5%
・ドイツ:17.1%
・カナダ:17.1%
・イギリス:18.3%
・フランス:21.1%
・イタリア:22.2%
・日本:27.8%(2023年は29.0%)
(※OECDのデータ(飲食料・外食)から作成 / 総務省「家計調査」より)
日本は、エンゲル係数の高さから、国民の生活に余裕がなくなっているといえる。
実際に、マルサスは、1601年にエリザベス一世の下で制定された「救貧法」を否定していた。なぜなら、労働できない貧者に生存権を保障することで、人口増加のインセンティブを与えてしまうからである。つまり「働かざるものは食うべからず」の言葉に代表されるように、労働力のないものを切り捨てる発想だった。彼の思想は、後に進化論の提唱者チャールズ・ダーウィンの「自然淘汰説」にも共通する。
(5)リカードの比較優位の法則
以下 リカードの比較優位の法則の解説文 掲載元 DIA MOND ONLINE 2017年3月23日付 コラムニスト:坪井賢一より
https://diamond.jp/articles/-/120944
一方同時代に生きたデイビッド・リカード(生誕1772年―1823年没)も、マルサスの人口論を推進し、異なる視点から説いた。注意しなければならないのは、リカードとマルサスは、他国との貿易に関しては、間逆の立場だった。保護貿易主義のマルサスは、他国からの輸入に高い関税をかけることを支持した。対して、アダム・スミスに倣い、自由貿易主義者のリカードは、他国との協調路線を歩んだ。貿易の円滑化のメリットとして、必要なものを交換することにより、生活の質が良くなるからである。リカードは、アダム・スミスの分業論を発展させ、「比較優位の法則」を発表した。1817年に発表した著書には、イギリスとポルトガルの2国が生産するワインや毛織物を例にとり、式を表した。1703年12月に両国はメシュエン通商条約(イギリスの駐ポルトガル大使ジョン=メシュエンのこと)を結んだ。イギリスはポルトガル産ワインを、フランス産の3分の1の税で輸入する。
「労働生産性=産出量÷労働投入量」
両国のワインと毛織物の労働生産性を検討する。1年間で一定量のワインと毛織物の生産に必要な両国の労働者数は、以下の通りだ。
イギリス:毛織物=100人、ワイン=120人
ポルトガル:毛織物=90人、ワイン=80人
産出量をすべて100とすると、双方の労働生産性は以下のようになる。
◆イギリス
毛織物 100÷100=1
ワイン 100÷120=0.83
◆ポルトガル
毛織物 100÷90=1.11
ワイン 100÷80=1.25
農業の世界では、気候風土によって、生産性は異なる。適材適所の言葉に従えば、その土地に合った作物を育てることにより、収穫量は多くなる。地中海性の温暖な気候に恵まれたポルトガルは、ワインの生産に向く。最適温度は、年平均10〜20℃、北緯30〜50度、南緯20〜40度の地域に収まり、ワインベルトという。例えば、海外への貿易が閉ざされた時代、自国で衣服を生産する必要性が生じる。ワイン生産に投じる労働力を、繊維産業に向けたとする。風土に適したワイン産業の打撃は大きい。ある行動を選択すると失われる、他の選択可能な行動の最大利益を「機会費用」という。法律用語では、逸失利益(本来得られるべきだったのに、得られなくなった利益)という。
写真=リカードの比較優位の法則 掲載元 図解で読み解く方程式 2019年4月4日付
https://www.zukai.site/entry/2019/04/04/165823
一方、イギリスは、冷涼な気候から、ワイン生産には無かない。11世紀から羊毛が盛んだった。そのきっかけは、他国の政策にある。現在のベルギーからフランスの北部のフランドル地方で盛んだった羊毛が、当時のフィリップ6世の重税により、ドーバー海峡を挟んで対岸のイギリスに持ち込まれた。同国でもその土地にあった産業に力を入れる。ランカシャー地方(主な都市マンチェスター)では、年間降雨量600mmから1200mmの湿潤な気候で育ちやすい綿花が、より乾燥したヨークシャー地方では、羊毛業が栄えた。イギリスでは、11世紀からフランドルの商人から持ち込まれたノウハウを生かして、毛織物では最先端をいく。
国の風土や伝統から、ポルトガルはワインに、イギリスは毛織物に比較優位があることになる。リカードの理論でいえば、ポルトガルとイギリスが、協定を結び、それぞれの産業を発達させて、交易すると、利潤が最大化するのである。
<終わり>
科学コミュニケーターによると、先のことは見通せないと、答えてくれた。確かにマルサスの理論には一理ある。間違いなく、今後は資源獲得競争が激化し、淘汰される人々が増加すると、予測していた。改めて地球環境について考えるきっかけを与えてくれたことに感謝の言葉を述べて、お別れした。
(6)ZARDの坂井泉水の歌詞「I’m in love」にも環境問題が触れている。
ZARDの坂井泉水は、私生活を語らず、CDを通して曲を発表したアーティスト、今なお神秘のベールに覆われている。彼女が作成した歌詞からも環境問題について考えさせられる。1995年3月10日に発表された6作目のオリジナルアルバム「forever you」の第7トラックに収録されたI’m in loveである。
リズミカルなアップテンポナンバーは、当時の世相を反映していた。
Aメロの冒頭の一節:「今日も心震わすニュースのパレード。Oh!feel so blue(feel so blue) 偽りを知らない瞳がブラウン管からこっちを見ている」
後にZARDのスタッフが明かしたところ、彼女自身はニュースを視聴し、新聞を読む習慣があったという。今ではネットに情報が溢れ、新聞の購読者は減少傾向に陥っている。液晶テレビが登場する前、どの家庭にも普及していたブラウン管テレビ越しに、少年少女の姿が映った。
続く歌詞の一説は実に興味深い。
歌詞:「なんて無力なの 彼らを救えない 私の悩みは小さすぎるは」
世界では、自然災害や紛争で家を追われる人々が後を立たない。彼女自身、曲つくりにおいて、息詰まり、多少の悩みはあったはず。政情不安から国を終われ、他国へ逃亡する人の切迫した状況を踏まえると、いかに治安が安定した日本に暮らす人々は守られているのか、身にしみて感じる。
写真=1995年頃の坂井泉水 掲載元 HMV & BOOKS ZARD ALBUM COLLECTION 〜20th ANNIVERSARY〜より
1995年当時は、泥沼化した旧ユーゴスラビア戦争の末期だった。テレビでは、ボスニアヘルツェコヴィナ紛争、クロアチア紛争について、現地で取材したカメラ映像を交えて放送していた。紛争によって、森や農地が焼かれ、人的被害はもちろん、CO2の排出量も大きく増える。現に2022年2月24日にロシアによる軍事侵攻を受けたウクライナでは、2022年9月までの間、大量の温室効果ガスが排出された。ウクライナ政府や世界の研究者によるプロジェクト「戦争の温暖化ガス算定に関するイニシアチブ」は、ロシアのウクライナ侵攻に関連する温室効果ガスの排出量を算定した。
侵攻が始まった今年二月から九月の間に、戦闘による弾薬や燃料使用により、二酸化炭素(CO2)換算で八百八十六万トンが排出された。建物や森林、畑の火災で二千三百七十六万トン、避難民の移動で百四十万トンとはじき出した。今後のインフラ再建に伴う排出四千八百六十七万トンを加えれば八千万トンを超え、二〇二〇年度の東京都の排出量(五千九百九十万トン)を上回る。
詳細 ロシア軍の侵攻に伴う二酸化炭素排出量 読売オンライン 2022年12月17日付
https://www.tokyo-np.co.jp/article/220465
戦闘は間もなく3年、一段と環境破壊が進んだといえる。ZARDの坂井泉水のその時代にあったテーマを歌詞に折り込んでいた。今もなお人々の心の中に響いている。
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