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2024年09月27日00:00

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【2024.9.21.鑑賞】映画『ぼくのお日さま』

 
9月21日(土)、テアトル梅田にて昼回を鑑賞。観客は36人ほど。

公式 https://bokunoohisama.com

うわ! 予告編でいきなりネタバレしてるし!爆  何度聞いてもサイアクな言葉。

↓の予告は素敵なシーンだけです。お勧め。



本作のモチーフとなった ハンバート ハンバート「ぼくのお日さま」は切ない名曲。


ハイライトで流れるThe Zombies「Goin' Out Of My Head」はエモくて最高!



ジャパンプレミア時の越山君はチャラくて幻滅。映画のイメージが壊れるぅー。笑
 https://youtu.be/iMIdNv6ZAAo

池松壮亮がゼロからフィギュアを習得したとは驚きだった。 大変な努力に拍手!



マイミクさんの絶賛を見て本作を知り、ほとんど予備知識なしで観ました。
鑑賞直後のつぶやき。

 『ぼくのお日さま』、中盤まではとても素敵な癒し映画だった。
 フィギュア版『リトル・ダンサー』かと思った。でも、桜の台詞に憤慨!
 フィギュアを愛する者として、アレは許せない。モヤモヤが残る結末。

 でも、主人公の男子はとっても可愛かった。幼い頃の宇野昌磨を想起した。
 アレさえなければ、良い話だったんだけど…。

https://mixi.jp/view_voice.pl?post_time=20240921140759&owner_id=1833905



以下、ネタバレ全開。


舞台は雪国の田舎。場所も、時代も、よく分からない。
最初は美しい映像と柔らかで繊細な少年の心を見つめ、心地よさを感じられる作り。
だんだんと見えてくる、登場人物たちの「影」。

大人しい少年タクヤは父親譲りの吃音で、夏の野球も冬のホッケーも得意ではない。
ある日、フィギュアの練習を見かけ、上手な少女さくらに一目惚れ(自覚はない)。
リンクの隅で彼女の真似をしている彼を荒川が気にかけ、練習をつけるようになる。

フィギュアコーチの荒川は、何かあって東京から恋人の地元に「都落ち」してきた。
元はカレンダーに載るほどの人気選手だったのに、今はしがない田舎のコーチ。
それでも、荒川はゲイの恋人と幸せな生活をひっそり送っていた。

さくらは、母親がフィギュアに熱心。でも、野辺山合宿に行けるほどの実力はない。
上を目指すほどの練習量でもない。なんとなく、女子シングルをやっている感じ。



タクヤの幼い恋を密かに応援する荒川は、さくらと、短期間で上達したタクヤに、
アイスダンスのカップルを組まないかと提案する。
「スケーティング技術が向上する」「マイナー種目の方が全日本に出やすい」からと。

前者の理由は尤もだが、後者には首を傾げた。アイスダンスを舐めちゃいけない。
アイスダンスは、バレエや社交ダンスなどの訓練もかなり積まねばならないはず。
環境が整った欧米にアイスダンス留学する選手も多い。日本の田舎では無理かも。

この提案に、タクヤは顔を輝かせた。さくらは、気が進まなそうな顔つきだった。
ともあれ、2人のカップル練習が始まる。(ちなみに、「ペア」は別の種目だ)

少年少女はそれぞれ真面目に練習し、うまくできた時には笑顔も見られるように。
しかし、さくらは基本的にタクヤへの関心が薄く、2人の距離は縮まらなかった。
(そういう状態だと、カップルは上達していきにくい)

「今シーズン中に、最初のバッジテストに合格しよう」と荒川が目標を設定。
2人は練習を頑張る。そのご褒美に、荒川は2人を湖に連れて行って滑らせる。
美しい自然の中で滑る開放感。さくらも、いつになく楽しげに笑っていた。


ところが。

学校帰り、さくらは目撃してしまう。スーパー前に止めた車の中で、荒川と若い男が
仲良く戯れている様子を。リンクでは一度も見たことがない、楽しげに笑う荒川を。

さくらの中に黒い感情が湧いた。彼女は無自覚だが、嫉妬とホモフォビアだろう。

練習後、さくらはコーチ控室にいた荒川に、言葉のナイフを突然投げつけた。

「男の子に、女のスポーツやらせて、楽しんでるんですか? 気持ち悪い」

いつの時代だ!? 許せない発言! それまでの楽しい気分が一瞬でぶち壊された。


思えば彼女は、自分よりもタクヤに目をかける荒川に不満を持っていたのだろう。
それにしても、だ。 たとえ子供でも、他人に言ってはいけないことがある。

しかも、彼女はあまりにも勉強不足すぎる。 何だ?「女のスポーツ」って?

フィギュアスケートは男女均等に4種目ある。TVで国際試合を見ればすぐ分かる。
習ってるくせに、いろんな選手の優れた演技を見て勉強しようとも思わないのか。
さくらは、いろいろと終わってる残念な子だな、と思った。



さくらはバッジテストを無断ですっぽかした。
いくら荒川を憎んだからと言っても、エントリー行為に対する責任感はないの?
さくらは、頑張るタクヤのことを、本当に「何とも思っていなかった」のだ。酷い!
これは思春期特有の残酷さ、みたいな話ではないと思う。

待ちぼうけを喰らったタクヤは悲しそうだったが、さくらを恨んではいなかった。

会場は「真駒内セキスイハイムアリーナ」。この名称になったのは2007年以降だ。
看板は結構年季が入っていた。つまり、これは「限りなく現代に近い話」らしい。

そして、この田舎は北海道であることも判明した。
だから、北海道民は怒った方がいい。
北海道は今も「フィギュアは女のスポーツ」「ゲイは気持ち悪い」などの偏見まみれ
と描かれたも同然なのだから。【この件については、追記を参照してください】


子供がこういう時代錯誤な偏見を言い放つ時は、親がそう言っている場合が多い。
案の定、後日さくらの母親は、荒川の指導を断ってきた。

フィギュアクラスには他の子供たちもいたのに、荒川はクラブを辞めることに。
さくら親子が噂を広めたせいかは不明だが、どうやら居づらくなったようだった。
荒川を思いやる恋人は、彼の背中を押していた。
「親の跡を継いだ俺はこの土地を離れられないが、お前は違う。東京へ戻れ」と。



やがて巡ってきた春。タクヤは中学生になった。
荒川にもらったスケート靴を抱えて歩いていると、向こうからさくらが来て再会した。

タクヤは咄嗟に言葉が出ない。 何か言おうとする彼の顔アップで幕切れ。
この後、彼がさくらに何を言ったか?を推理する余地を観客に残す演出のようだ。

でも、その直前に映ったさくらの表情を見ると、あまり素敵な展開は想像しにくい。
モヤモヤした気持ちでシアターを出た。 映像は良かったのに、脚本が残念だ。




【追記・フィギュアスケートとLGBT】

以下は、ケスさんの感想日記へのコメントを再構成した文章です。


フィギュアスケートファンではない一般の方々が「果たして荒川をゲイに設定する意味があったのか」と疑問に思われた件について、解説させていただきます。

昔、金メダルを取って引退まもない頃の荒川静香が、TVのバラエティ番組に出た際、「練習漬けの日々なら、恋愛相手は必然的に男子フィギュアスケーター?」と質問された時のこと。いつも慎重な荒川が、ついポロッと「男子スケーターはゲイかナルシストばかり」と失言しました。

競技特性からして、世界トップ選手の「ゲイかナルシスト」率は低くないかもしれません。でも、近年の調査によるとLGBTQは人口の1割くらい存在するので、むしろ「マッチョな他の競技ではカミングアウトできないだけなのでは」とも思います。

「(カミングアウトしていない)ゲイの選手は、いても別におかしくない」のです。


キム・ヨナと羽生結弦に金メダルを取らせた名コーチ、ブライアン・オーサーがゲイであることは有名です。
羽生選手の振付師としておなじみのジェフリー・バトルも男性と結婚しています。

可愛い性格で10代の頃から日本で非常に愛され、羽生結弦と一緒に練習したいからオーサーの弟子になったアメリカ代表のジェイソン・ブラウンも、26歳の時にゲイを公表しました。彼はトランジションのデパートです。https://youtu.be/W44QDl16pK0

  技術解説 https://figureskating-365.com/scoringrules-transitions

でも、ジェイソンがGPシリーズに出場し始めた若い頃から、ファンは彼をゲイだと察し受け入れていたと私は推測します。 https://youtu.be/b9rbM3Tazes
個人的に、ジェイソンのコーチだったロヒーン・ワード氏(↑の最後の方に出てきます)の方が「一目見た瞬間分かる、ゴリゴリのゲイ」と思っていました。笑

ロヒーン・ワードについて、詳しく紹介した記事です。(演技の動画あり)
 https://tarusatoko.exblog.jp/23821909/

ちなみに、坂本花織の今季SPを振り付けたのはワード氏です。
 https://mainichi.jp/articles/20240706/k00/00m/050/185000c
 https://number.bunshun.jp/articles/-/855126?page=1

ピアソラの曲を活かす、セクシーな振付。坂本の表現力はさらに伸びそうです。
 https://youtu.be/ETufpjyBgiE


カナダやアメリカの選手はカミングアウトする人が多い傾向です。
おそらく受容が進んだ社会だからでしょう。

ジュニア時代の羽生結弦が憧れ、衣装制作を依頼したジョニー・ウィアー(アメリカ・男子シングル)は、ゲイ公表前の現役時代から日本で「ジョニ子」と呼ばれていました。

 羽生結弦が憧れた「白鳥」 https://youtu.be/Bf5t-4HFPOo
 同じく「Ave Maria」   https://youtu.be/2G_E3cwRZ2o

 参考・羽生「秋によせて」 https://youtu.be/6bxAonpU90M
 プログラム解説  https://ae-tica.com/2019/04/07/wf2019-41/

両腕を高く上げて跳ぶ「リッポン・ルッツ」を編み出したアダム・リッポン(アメリカ・男子シングル)も美しい選手でした。 https://youtu.be/cLT1F91iCQA

独創的でアクロバティックな振付と髭面がトレードマークのケビン・エイモズ(フランス・男子シングル)はユニークな選手です。 https://youtu.be/BtYuAkZSofQ

アイスダンス五輪金のギヨーム・シゼロン(仏)https://youtu.be/Tbv1a5vYI24
アイスダンスのポール・ポワリエ(カナダ)https://youtu.be/dpUqjy_rTTU
ペアのエリック・ラドフォード(カナダ)https://youtu.be/gY0t3vfx_iA
など、カミングアウトした有名選手は全種目にいます。

「LGBTだからカップル競技に向かない」とかは全くないです。
バレエダンサーと一緒なので。ヌレエフやドンは女性と踊っていましたよね。

女子でも、ケイトリン・ウィーバー(アイスダンス・カナダ)、アンバー・グレン(女子シングル・アメリカ)、村主章枝(女子シングル)、高橋成美(ペア)などの元五輪選手たちが、自分はクィアだとカミングアウトしています。

そして、フィギュアファン達は、彼らのありのままを好意的に受け止めています。


『俺たちフィギュアスケーター』(2007)というコメディ映画は大ヒットしました。
 https://eiga.com/movie/1814/

2019年の『氷上の王、ジョン・カリー』https://eiga.com/movie/88956/ は、
1976年の五輪金メダリストであるカリーがゲイだったこと、
彼がその美的感性を生かしてフィギュアスケートを目ざましく発展させた事実を
丁寧に紹介していました。その感想日記はこちら。

 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1971808540&owner_id=1833905


錚々たる選手たちの名演技を見て、心からの敬意を抱く者の一人として、
『ぼくのお日さま』で放たれたあの暴言は許せないです。
まして、その暴言を「フィギュアスケーターの卵」が発したとなれば、尚更です。


 【参考記事】

 男子フィギュアスケーターがゲイを隠すために同調した“誤解”
 https://www.cyzo.com/2022/02/post_302819_entry_2.html

 マリニンの同性愛差別発言をカミングアウト経験の金メダリストが�猴文遶�
 https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/262587



https://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=1833905&id=5749856
 


絵に関しては★5。

主人公のタクヤ(越山敬達)がとにかく愛らしい! 親友役の子も可愛かった。
本作を観た劇場で舞台挨拶時の動画を見たが、越山はすっかり成長して面ざしが変わっていた。『ベニスに死す』のビョルン・アンドレセン同様、少年の旬は儚い。人生の貴重な輝きを残すことができて良かったと思う。

タクヤが憧れるさくらを演じた中西希亜良を一目見て、ルノワールの名画「少女イレーヌ」の日本人版かと思った。品のある美少女で、タクヤが一目惚れするのも納得。ただ、さくらは実に捉えどころのないキャラだった。

フィギュアのコーチ・荒川役の池松壮亮はかなり練習したと思う。体幹がしっかりしていた。私生活で見せる恋人・五十嵐(若葉竜也)とのイチャイチャも自然で微笑ましかった。

小さな地元リンクでの練習風景は、「月の光」BGM効果と、全体に柔らかな光が回った逆光気味ライテングのおかげで、優しい浮遊感があった。冷たさ厳しさを感じなかった。

ハイライトは、荒川がタクヤとさくらを連れて行った湖のシーン。切なくなるほど愛おしい絵で、おとぎ話のようだった。BGMのThe Zombies「Goin' Out Of My Head」が、多幸感を最高に盛り上げていた!

エンドロールで流れるテーマ曲、ハンバート ハンバートの「ぼくのお日さま」歌詞が、スケーティングの軌跡のように出てくるのも可愛かった。つい歌詞を目で追ってしまい、スタッフリストなどは完全に見逃した。笑

とはいえ。

お話は★3。何が言いたかったのか分からない。
というか、フィギュアファンと北海道民をバカにしているのか?と思った。

なので、全体評価は5と3の間をとり、★4にしておく。



【マイミクさんの感想日記】

tamaさんの日記  2024年09月08日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1988356308&owner_id=10258677

天羽鈴さん (友人限定) 2024年09月18日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1988423707&owner_id=10059699

ケスさん  2024年09月24日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1988462105&owner_id=12923117

えよえよ☆さん  2024年09月20日  「★2」評価
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1988433752&owner_id=6262804



【INDEX】フィギュアスケート / 関連日記
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1225306819&owner_id=1833905

【INDEX】映画/舞台 関連日記(4)2024〜
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986794975&owner_id=1833905



まず最初に撮りたい画がある――『ぼくのお日さま』奥山大史監督インタ
https://www.elle.com/jp/culture/movie-tv/a61978410/hiroshi-okuyama-interview-2408/

奥山大史監督と池松壮亮が日芸の学生と交流
https://worldfigureskating-web.jp/news/8616/

そんなに褒めない映画評
https://movieimpressions.com/boku-no-ohisama/

ネタバレ解説とトリビア
https://eiga.com/movie/101337/review/04250266/

 
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