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2024年09月08日12:13

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映画「エターナルメモリー」

2023年チリ映画。
主演はアウグストとパウリーナ。
ベッドで目覚めたアウグストにパウリーナが言う。
「わたしはあなたに思い出してもらうためにここに来たのよ」
そして言う「あなたはアウグスト、わたしはパウリーナ。結婚しているの」。
アウグストは笑って「それはいいね、素敵だ」と言う。

アウグストはジャーナリストだ。
若いころ、チリの軍事独裁政権下で、民主運動のニュースを隠れて流し続けた。
民主政権ができたあとは、国の歴史の記録と文化芸術の記録を残すため
さまざまな取材を続け番組を作った。

パウリーナは女優だ。
映画、演劇に出演し、民主政権時代最初の文化芸術担当大臣となった。

二人は出会い、1999年にカップルとなった。
この映画は、2023年にアウグストが亡くなるまでの3年間のドキュメンタリー。

あるシーンでは、中華料理らしき店で食事をしながら
仲睦まじく話をする姿が描かれる。
「わたしたちが出会ったのはいつ?」
「こどもはいる、いない?」
パウリーナの問いかけにアウグストは笑いながらあいまいな答えを返す。
パウリーナは「惜しいわ、いい線いってるわ」と笑って答える。

別なシーンでは、朝早く目覚めたアウグストが「友人はどこ?」と怒鳴る。
「なぜ僕はひとりぼっちなんだ?」
いらだつアウグストにパウリーナがなだめるように言う。
「ひとりじゃないわ、まだ夜だからみんな寝てるだけ」
「黙ってろ、よけいなことを言うな」と激高するアウグスト。
パウリーナが誰かもわからない。
朝6時半から午後3時までこの状態が続き、落ち着いたあと
アウグストはもう、そのことを覚えていない。
涙を流して説明するパウリーナに「泣かないで」と優しく声をかける。

この映画の撮影にパウリーナは懐疑的だった。
パウリーナの背中を押したのはアウグストだ。
すでに発症していたが、きちんとものを考えられる時間に
「自分はこれまでいろいろなものを記録してきた、今度は自分を記録する番だ」
と言ったのだ。

自分が老い衰え、病み、パウリーナもまた老い、それでもできる限り大切にしあう。
その様子をアウグストは、パウリーナのために残したかったのではないか。
一番つらい時期が記録できたなら、一番幸せな時期はいつでも思い出せる。
つらい時期の合間にも、厳冬期の小春日和のように「小さい幸せ」が顔をのぞかせる。

ラストシーンで二人は踊っている。
音楽に合わせて、お互いの体をいつくしむようにさすりながら、
笑いながら踊っている。

アウグストは踊りながら天国への階段を上ったのかもしれない。
いつパウリーナが来てもすぐにダンスが続けられるように、
天国でもずっと踊っているのかもしれない。
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