UEFA EURO2024企画(8)大会2度目の出場で、未勝利ながら初のベスト16に入ったスロベニアの自然と、トーナメント1回戦スロベニア対ポルトガル戦をレポートした。
<スロベニアの自然 地球ドラマチック>
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東欧の秘境スロベニアは、アルプスの山々に囲まれ、日本列島さながら、水と緑に恵まれている。アドリア海から、標高3000m級のアルプスの山々まで、高低差が激しく、多様性に富む。今回四季を通して同国の自然を見つめる。
写真=スロベニアの位置関係 スロベニアの気温と降水量より
https://www.ryoko.info/Temperature/slovenia/slovenia.html
第1章 躍動する自然
スロベニアは、都市から離れると、動物たちの楽園が広がる。冬場アルプスの頂には、真っ白い冬毛に変わったライチョウの姿がある。岩場をねぐらにし、雪の中に埋もれた草を食む。上空には、翼開長2mを越えるタカ科のイヌワシが旋回していた。喉の奥からしわがれ声を出して、仲間に警戒を呼びかける。いざ危険が迫れば、穴の中に身を隠す。渡りをせずに、厳しい高原地帯で冬を越す。
険しい斜面には、鯨偶蹄目ウシ科のアイベックスの群れが上り下りしていた。メスと子供が一つの群れをつくり、オスは同姓同士で固まって過ごす。若くて血気盛んなオスは、角を突き合わせた。かつて山中に生息していた食肉目イヌ科のハイイロオオカミを警戒し、険しい断崖に進出し、繁殖期を前に力比べを行う。オオカミの姿が消えつつある今、天敵につかまるリスクが減少した。アイベックスは、急速に個体数を増やしている。
昼間、数百万羽のアトリの群れが飛来した。北欧で繁殖し、南国へ渡る過程で立ち寄る旅鳥である。スロベニアでは、10年に一度の頻度で、ドングリの当たり年になると、姿を現す。日暮れ時には、森の中に戻り、細い枝先に止まる。
写真左=ライチョウ 掲載元 長野県伊那谷ホームページ 提供者:中村浩志信州大学教授
https://www.inadanikankou.jp/special/page/id=1019
写真右=スイスに生息する野生のアイベックスのオス群れ 掲載元 株式会社シクロケム スイス・アルプス(2)スイス国立公園(前編)撮影者:ハンス・ロッツァ氏
http://www.cyclochem.com/column/015.html

スロベニア北部の全長465kmになるムール川の辺には、齧歯目リス科のヨーロッパビーバーが生息する。主に夜間行動し、木の根元を齧って引き倒す。川をせき止めて、ダムを形成する。水位を程よく調整し、毎晩決まって枝を敷き詰めて、補修をする。川幅を広くするほど、行動範囲が広がり、移動が楽になった。
ムール川の辺は、ユネスコ世界自然遺産にも登録された。明け方、アカガエルのオスが、大合唱を繰り広げた。繁殖期の数日間オスは体色が青くなり、ライバルと声の大きさを競い合った。見晴らしの良い止まり木には、タカ科のヨーロッパノスリが止まった。たちまちのうちに、アカガエルのオスは水の中に潜り、姿を消した。パートナーを見つけたオスは、メスを抱え、水底に溜まった落ち葉の上で耐えた。不純物のない水辺は、見通しが利きやすい。水底には、粘液に包まれた卵が沢山残っていた。
池の中で一部のカエルは、見張り番として残る。ノスリは、油断しているカエルを探すものの、襲撃のタイミングがなく、その場から去っていった。水の中に避難していたカエルにも様子が伝わった。たちまち姿を現し、合唱を再開した。
写真左=ヨーロッパビーバー 掲載元 NATURE PHOTO
写真中=ヨーロッパノスリ 掲載元 NATURE PHOTOより
写真右=ヨーロッパオオライチョウ 掲載元 sich
https://sich.ru/ja/capercaillie-is-a-migratory-bird-or-not-wood-grouse.html


森の中では、ヨーロッパオオライチョウが、扇形の黒い尾羽を立てながら、嘴を鳴らして、求愛の情を示す。地味な茶褐色のメスが、近くに潜んでいるのである。毛並みが良くて、声をよく出すオス程、メスを射止めやすい。周囲にもオス達が、同じようにアピールを繰り出した。より中心に近い場所に陣取ったオス程、恋が成就しやすい。一羽のメスは、地面から木の上まで、あらゆる方法でアピールするオスから、パートナーを見つけ出せず、飛び去っていった。
第2章 春の息吹
森の中がパステルカラーに染まる春、南部を流れるコルパ川の急流に、カラス科のムナジロカワガラスの姿がある。潜水を得意とし、度々岩の隙間に嘴を差込み、トビゲラを含め水生昆虫をとらえる。
写真 左=クロアチアとの国境付近のコルパ川沿いの景観 掲載元 地球の歩き方より リュブリャナ特派員 菊地 由貴 執筆
https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/2204179/
写真 右=ムナジロカワガラス 掲載元 Istoc タイトル昆虫のある岩の上のディッパー

アドリア海沿岸まで延びるディナル・アルプス山脈の中では、遅い春を迎えた。手付かずの森の中には、強風に煽られて朽ち果てた木が放置されている。朽木に潜むカミキリムシが卵を産み、幼虫を育てていた。
平原では、アヤメやグラジオラスが花を咲かせていた。陽が落ちると、様相は一辺する。フクロウ科のモリフクロウの独断場となる。体が真っ白い雛鳥を残し、親鳥は暗闇の中狩を行う。森の中には、鯨偶蹄目シカ科のアカシカの群れも現れた。オスは、一端春に角が落ちるものの、栄養豊かな草を食べて、徐々に伸び始める。その年の春に産まれた子供は、母親に寄り添い、ミルクを貰った。暗闇の中、わずかな草音から、オオカミの存在に気づいた。アカシカの群れは、速やかに藪の中に入り、姿を消した。
森の中には、カトリックの礼拝堂がある。日が暮れても若者たちが、礼拝室を掃除し、花を添えて、飾り付けを行っていた。結婚式に向けた作業中、天井裏では、ヒメキクガシラコウモリが子育てに勤しんでいる。子供たちは、板に足を引っ掛けたまま、動かない。親鳥は、窓から出入りし、超音波を駆使して、昆虫を探し出していた。
さて森から離れ、街中に目を転じると、人並みに飲まれながら生きる希少種の姿がある。イタチ科のムナジロテンは、大胆にも橋桁を渡っていた。ハリネズミは、生垣から生垣へと移動する。疎らに車が通る道路わきの排水溝には、イヌ科のアカギツネの巣がある。日本では森の中に潜むキツネが、大胆にも街中に適応していた。巣に子供たちが残り、親が餌を求めて、出かけていく。子狐達は、道路に飛び出して、しばし交通事故にもさらされる。現に取材した巣では、一匹の子供を残し、事故死した。
写真左=アカシカのオス 掲載元 GAIA NOTEより
https://gaia-note.com/book/cervus-elaphus/
写真右=アルプスマーモット 掲載元 フォートラベル スイスの個体
https://4travel.jp/travelogue/11541630

イタリアとの国境沿いに位置する北西部トリグラウ国立公園は、アルプスならではの雪渓が広がっている。リス科のアルプスマーモットは、日中巣穴から顔を出し、太陽の光を浴びながら、体の毛をといだ。夏間雪が柔らかくなるにつれて、足を強く踏むたびに、滑りやすくなる。周囲には、複数の家族が暮らし、空を見上げて、猛禽類の監視に当っていた。もちろん、地上の敵にも警戒を怠らない。一組の男女のトレッキング客の姿が見えると、一匹の監視役が金切り声を出す。周囲の仲間もたちまち反応する。白色の岩に身を伏せながら、ハイキング客の行方をうかがった。ハイキング客は、動物たちには、危害を加えることはなく、そのまま通り過ぎていく。危険がされば、マーモット達は活動を再開した。
短い夏、青色のキキョウや、白色のエーデルワイスを含め、花々がいっせいに咲きだす。国立公園に端を発するソチャ川は、水の透明度が高く、マスの一種マーブルトラウトの格好の住処となった。成長すると、体調は1mにのぼる。放流された他のマスとの交配により、純血種は数少なくなった。研究者と漁師によって、純血種の保護活動が進んだ。岩の亀裂から滝がほとばしり、清らかな川が流れる国立公園は、未来への遺産となる。
写真 掲載元 Zen Tech スロベニア河川地図
https://www.travel-zentech.jp
第3章 短い秋から冬へ
内陸部、石灰岩から成るカルスト台地の森の中には、食肉目クマ科のヨーロッパヒグマが活動する。ヒグマのオスは、肩の筋肉が隆々としているとはいえ、体つきは幾分小ぶりである。この若いオスグマは、急に岩の上で立ち止まり、茂みの中を移動中の大きなクマの姿を見て、怖気づいたかのように立ち去っていった。
写真左=マーブルトラウト 掲載元 週刊スポーツライティング 2014年8月13日付け
写真右=アオノドキールカナヘビ 掲載元 All About 撮影協力:Herptile Lovers

主食は、木の実や昆虫、肉まで幅広い。岩を裏返しにして、昆虫も平らげた。冬に生まれた小熊達は、夏の間母親と一緒に行動する。オスグマには警戒が必要である。時に母親は、体を縦にして、子供を逃がし、オスグマと向き合う。生後2年まで母親と過ごし、地形を覚え、食べ物の採り方を教わる。森の中の深い谷間は、川に削られるたびに、岩の崩落が起こる。アドリア海の奥に位置するイストリア半島は、白い石灰岩の岩肌に生える落葉広葉樹林が、赤やオレンジに染まった。白い岩の上には、アオノドキールカナヘビが、日光浴をしている。メスと比較して、オスは鮮やかなグレーに染まっていた。日本のトカゲさながら、岩から岩へと動き、虫を見つけると、速やかにとびつく。冬眠に備える10月は、活発に餌を採取し、11月に地中に潜り、しばしの間体を休める。
スロベニアは、海に面した部分はごくわずかにとどまる。アドリア海に面したピランでは、ハプスブルク帝国時代、皇帝に献上する塩が作られていた。広さ750ヘクタールにのぼる「セチョウリェ塩田」は、水鳥が訪れる貴重な湿地が残る。国際的に重要な湿地が選定される「ラムサール条約」にも登録された。
詳細記事 写真掲載元 旅コムより
写真左=セチョウリェ塩田 写真右 ハボウキガイ 掲載元 Izuzuki Diver

国土の短い海岸線のほとんどは切り立った崖が連なる。白い砂浜が広がる海水浴とは無縁な環境だった。浅い海の中には、ハボウキガイの仲間が育っていた。感染症の流行により、個体数は減少傾向にある。さんごの仲間もわずかながら確認された。珊瑚を拠り所にする真黄色のタツノオトシゴの姿もあった。体調1cmの太いブルーと細い黄色いラインが入ったウミウシも生息する。
内陸のカルスト台地に舞台を戻すと、水の浸透により、中は空洞化しやすい。地下洞窟には、滴るカルシウムが、地面に跳ね返る。低温によって、たちまち冷やされ、固まりになる。幾年のときを経て、石筍と呼ばれる造形を作った。光が届かず、年間を通して温度が低い洞窟の中は、神秘のベールに包まれている。
岩肌の有機物をこしとるエビの仲間は、体が透明で、骨格が透けて見えていた。中でもユニークなのは、体全体が灰色のホライモリである。イモリらしく、体は細長くて、粘液質である。頭の後ろに枝分かれした小さな鰓で、呼吸を行う。全く目はなく、退化した。寿命は推定100年以上、透明度が高い水のみ生息できる。滅多に人前に姿を見せず、今なお詳しい生態は分かっていない。カルスト地形の洞窟に特化したホライモリは、生物学者から視線を注がれている。
写真 掲載元 NATIONAL GIO GRAPHIC 2022年12月20日 いつか訪れたい「竜のすみか」伝説をもつ洞窟、スロベニア
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/102700496/
左側 ボストイナ洞窟 (PHOTOGRAPH BY ZELJKO STEVANIC, XINHUA / EYEVINE / REDUX)
右側 ホライモリ (PHOTOGRAPH BY NATURE PICTURE LIBRARY, ALAMY STOCK PHOTO)

旧ユーゴスラビアの1角スロベニアは、高原地帯から海辺まで、変化に富んだ自然が広がっていた。山岳地帯では、真っ白い冬毛に覆われたライチョウ、岩場を昇り降りするアイベックスの安住の地だった。森の中には、アカシカが草を食みながら移動する中、春先の水辺でアカガエルが大合唱する。夜の森では、フクロウが、ネズミを狙ってハンティングしていた。テクノロジーの発達により、人間の世界が変わっても、静かな森の中は太古の昔から変わらない。今日も人知れず、ひっそりと営みが繰り広げられている。
<日本時間7月2日午前4時、ベスト16 第6試合 ポルトガル(F組1位)対 スロベニア(C組3位)のゲームが、フランクフルトで行われる。
前回 ジョージア 対 スペイン戦レポート
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987915787&owner_id=32437106
キックオフ50分前のコンディションは、曇り、気温19度、湿度55%、風速4,2mだった。両者は、2024年3月に親善試合で対戦し、ホームのスロベニアが、ポルトガルを2対0で下した。
写真=クリスチアーノ・ロナウド(左側)とスロベニアのGKオブラク(右側)
掲載元 IWWB NEWS
https://iwwbnews.com/portugal-vs-slovenia-euro-2024/
前半は0対0で折り返した。戦前の予想通り圧倒的にポルトガルがボールを支配するものの、スロベニアは4バックを下げて守った。ポルトガルの猛攻を耐えて、カウンターに出ていた。ボールポジェッションはポルトガルの63%に対して、スロベニアは37パーセントだった。枠内シュートはスロベニアの1本に対して、ポルトガルは0本である。
右エンドにスロベニア、左エンドにポルトガルが入り、スロベニアボールで後半45分が始まった。最初のチャンスは、ポルトガルだった。ゴール中央やや右からのFKポジションに、クリスチアーノ・ロナウドが付いた。スロベニア側は、クリスチアーノ・ロナウドのキックに備え、壁を作る。主審の笛がなると、クリスチアーノ・ロナウドは、助走をつけながら、右足でシュートを打った。
写真=クリスチアーノ・ロナウドのシュート 掲載元 POS-KUPANG
微妙に回転しながら落ちていくボールを、重心を右に移動していたGKオブラクがキャッチング姿勢に入る。球の勢いが上回った分、両手で前に押し返した。スロベニアは、キーパーから見て、壁を左側に置き、右のスペースを意図的にあけていたのである。オブラクは、球の行方をしっかり見極め、落ち着いてセーブした。
写真=オブラクのパンチングによるセーブ ゴール裏の角度から 掲載元
https://www.dailymail.co.uk
カウンターで応戦するスロベニアは15分、センターサークルの後ろ側で2トップの1角シュボラルが、自陣からのボールを受けて、前を向いた瞬間、センターバックのルペン・ディアスのチャージを受けた。辛うじてシュボラルは、キープし、左側から飛び出したシェシュコにパスをする。シェシュコはボールを持って急いで駆け上がる。後ろからもう一人のセンターバックを努めるペペが追っていく。ペペは、ファウルをせずに、コースをブロックする。エリアに入ってシェシュコは、左足でシュートした。ジャストミートせず、右のゴールラインに切れていった。ランニング距離が長かった分、余力が残っていなかったのである。
落ち着きを取り戻したポルトガルは20分、ゴールから約30m付近でクリスチアーノ・ロナウドが、ボールをもつと、内側から体をつけてきたストヤノヴィッチを交わし、エリアに向う。サイドバックのカラニチクがエリア手前で、肘を曲げながらブロックする。クリスチアーノ・ロナウドは、ボールに躓いて倒れた。主審の判定はノーファウルだった。
スロベニアは、最終ラインを深く置き、二次攻撃に備えた。2ボランチのシェニクとエルシュクも引いて守ることにより、攻撃に移る際、時間を要する。25分に、エルシュクは、自陣からこぼれたボールを拾って、左サイドから持ち上がる。パスコースがなく、躊躇する。左足でボールを蹴り上げた際、右足を伸ばしたブルーノ・フェルナンデスの膝に当たって、弾かれた。戦前の予想通りボールポジェッションを高めるポルトガルに対して、スロベニアは守り一辺倒だった。90分戦っても決着がつかず、15分ハーフの延長戦を迎えた。
延長前半は右エンドにポルトガル、左エンドにスロベニアが入り、ポルトガルボールで始まった。延長戦はさすがに両チーム体力的に厳しいとはいえ、前後半90分とスタイルは変わらない。ボールポジェッションを高めるポルトガルに対して、スロベニアはカウンターで応戦する。12分、ポルトガルにこの試合、最大の好機が訪れた。ミドルレンジからジョタが中へ入る際、センターバックのドルクシッチと接触して、倒れた。主審は迷わず、ペナルティースポットを指差す。ドルクシッチは、右足で蹴り上げようとして空振りしたことにより、ジョタを引っ掛けたのである。キッカーはクリスチアーノ・ロナウド、決めれば大会最年長ゴールとなる。エリアのライン上から助走すると、右足を振りぬいた。右ネットに向うボールに、コースを読んだオブラクが両手を伸ばした。ボールは指先を弾き、勢いを保ったままポストに当たって、サイドへ転がった。PKを失敗したクリスチアーノ・ロナウドは、頭を抱えた。オブラクは、しっかりとコースを読みきり、辛うじて指先にボールを当てたことにより、ゴールを守ったのである。
写真=クリスチアーノ・ロナウドのPKシーン(Getty Images)
写真=オブラクのセーブ 掲載元
PKにる失点を免れたスロベニアは延長後半9分に最大のチャンスを掴んだ。ポルトガルのフランシスコ・コンセイソンが右サイドから、バルコベツのチャージを受けながらドリブルする。バルコベツがブロックすると、フランシスコ・コンセイソンは踵にボールを引っ掛けて、弾かれた。カヴァーに入ったスロベニアのベルビッチがフォローし、左足でボールを蹴り上げた。ハーフウェー・ラインのすぐ後ろで、ポルトガルのセンターバックを努める41歳のぺぺが、右足で受けて、処理の仕方を考えた際、バランスを失い、ボールを離した。スロベニアの2トップの1角シェシュコがボールをさらって、そのままドリブルで駆け上がる。GKディオゴ・コスタは、ペナルティーキックの位置のすぐ左で構える。シェシュコは、エリアすぐ外から、右足のインサイドで狙い済ましたシュートを放った。ディオゴ・コスタは、ディオゴ・コスタは、じっと動かずに、どっしりと構え、左足一本ではじき出した。
ビッグセーブをしたディオゴ・コスタは大きく吼えた。ゲームは延長120分戦っても得点は生まれず、PK戦に入った。
メインスタンド側から見て左エンドで行われる。表をとったのはスロベニア、1本目のキッカーはイリチッチ、助走をつけて左足を振りぬいた。右ネットに向うボールを、ディオゴ・コスタが両手でセーブした。球のスピードはあったものの、コースを読んだディオゴ・コスタの勝ちだった。
写真=イリチッチのPKをセーブする。掲載元 Football italia
一本目の裏はクリスチアーノ・ロナウド、延長戦での失敗から、俄然緊張が高まる。助走を短くし、いったんとまり、右足を振りぬいた。コースを読んだオブラクの右手はボールに届かず、左ネットに刺さった。0対1.クリスチアーノ・ロナウドは、ホット落ち着いたかのように息を吐いた。延長前半12分と比べて、助走のスピードからシュートコースまで変えた。オブラクは、惑わされず、しっかりと手を伸ばしたものの、コースがよかった分、ボールに触れられなかった。
写真=C・ロナウドのPK 掲載元 TSN
https://www.tsn.ca/soccer/euro
スロベニアの2本目の表は左サイドバックのバルコヴェツ、ステップを踏んで左足を振りぬいた。左ネットに向うボールを、瞬時に動いたディオゴ・コスタが両手でセーブした。
写真=バルコヴェツのPKをストップするディオゴ・コスタ 掲載元 Inside sports
2本目の裏はブルーノ・フェルナンデス、助走をほとんどつけず、キーパーの動きを見て、右足で流し込んだ。重心を左に傾けたオブラクの反対サイドにボールは転がった。0対2.ポルトガルがリードを広げた。2本連続セーブのディオゴ・コスタは、キッカーのシュートタイミングに合わせて飛ぶ。対照的にオブラクはじっと見極めようとして体が固くなり、動けなくなった。キッカーとキーパーの駆け引きが、PK戦の行方を左右する。
3本目の表、スロベニアのキッカーは交代出場のヴェルノヴィッチ、キーパーの動きを確認しながら右足を振りぬいた。左ネットに向うボールを、三度コースを読んだディオゴ・コスタが防いだ。若干力んだ分、シュートコースが甘かったのである。
写真=ヴェルノヴィッチのPKストップ 掲載元 the gadiun
3本目の裏、勝負を決定付けるポルトガルのキッカーはベルナルド・シウバ、キーパーの動きを見て、左足でシュートを打った。キッカーから見て左に動いたGKオブラクの反対サイドにしっかりと決まった。0対3.
ポルトガルが、PK戦の末にベスト8進出を果たした。スロベニアのオブラクは、立ち上がった末に首を振りながら、歩き出した。延長前半にクリスチアーノ・ロナウドのPKを確かにとめた。PK戦になると、若干キッカーにタイミングをずらされ、3本全て決められたのである。
一方ポルトガルのクリスチアーノ・ロナウドは、味方の選手達と握手を交わした。PK戦では、延長戦の失敗を生かして、助走スピードからコースまで代えて、辛うじて成功を収めた。今日の試合のヒーローは、3本のPKを全て止めたディオゴ・コスタだった。キッカーの動きを全て掴み、しっかりとコースを見極めたうえで、瞬時にボールに手を伸ばしたのである。キーパーのPK技術が、勝負の明暗を分けた。ポルトガルのメンバーは、選手、スタッフ共抱擁を交わして、サポーターへ挨拶する。前節のジョージア戦に続き、210分無得点の課題を残しながら、大会史上初の3本連続PKストップしたディオゴ・コスタの活躍により、収穫のあるゲームだった。
写真=試合終了後マン・オブ・ザ・マッチの表彰を受けたディオゴ・コスタ 掲載元 Euro foot ball Xアカウント
https://x.com/eurofootcom/status/1807897089608732892
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