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2024年05月25日07:59

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東京都府中市 5 (最終回)  ボートレース場と廃線とダンプカー見物と

 2024年の今年、市政70周年を迎えた東京都府中市。
 府中という地名のとおり、かつてはここが武蔵の國の中心でした。

 大化の改新後、律令制にもとづく国造りが始まると、中央集権が強化されます。
 この時、地方に成立した國の一つが、武蔵の國です。
 それぞれの國には国府と呼ばれる、今でいう県庁所在地が設置されます。
 武蔵の國で国府が置かれたのが、現在の府中市なのです。

https://www.youtube.com/watch?v=z-O13lb5FBY
   【府中市の歴史】新選組が大暴れ 大國魂神社 ケヤキ並木の由来
    宿場町の名残 徳川家の御殿 北条政子
   古墳時代から現代まで変わらない府中市の在り方

 JR府中本町駅の改札を抜け、大國魂神社や競馬場のある方向と反対側の町並みを散策していると、緑で整備された遊歩道、緑道が幾筋にも整備されていることに気が付きます。

 そのうちの一つが「新田川緑道(しんでんがわりょくどう)」です。
 新田川緑道は暗渠(あんきょ)となった府中用水の流路の上を整備したものでした。
https://www.youtube.com/watch?v=LxS8_Gruk_c
   新田川緑道

 多摩川から取水した府中用水の暗渠は、住宅地の中をくねくねと蛇行しながら、ユーミンのヒット曲で知られるサントリー武蔵野ビール工場のかたわらを通り、郷土の森公園へと続いているのだそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=EefbZQdmyvw
   府中郷土の森

 そのビール工場のかたわらで、新田川緑道と交差しているのが、「下河原緑道(しもがわらりょくどう)」です。
 新田川緑道とは対照的に、下河原緑道は不自然なくらいにまっすぐな緑道で、はるか彼方(かなた)、一直線先の歩行者を確認することができます。
 じつはこの緑道は鉄道の線路の跡地でした。
https://www.youtube.com/watch?v=7KkQv7WJmPA
   国鉄下河原線廃線跡(下河原緑道)を自転車で走る

 かつての多摩川は、砂利(じゃり)の一大供給地でした。

 多摩川の砂利は江戸時代から建築資材用として採取され、その需要が拡大された明治以降は、運搬するための鉄道が敷かれます。
 現在、通勤通学する多くの人びとを乗せている京王本線や西武多摩川線、JR南武線などは、砂利運搬路線として発展した路線なのです。

https://www.youtube.com/watch?v=G3jq3bC7N44
   【前面展望】西武多摩川線 各停 是政→武蔵境【西武新101系】

 その後、多摩川の砂利採掘が禁止になると、川べりの砂利を採掘するようになります。
 砂利の採掘によって、ぽっかり空いた巨大な穴は、意外なものに姿を変えてゆきました。

 多摩川ボートレース場です。
https://boatrace-tamagawa.com/

 多摩川ボートレース場は、砂利採掘場の跡地を利用して、昭和29年に開場したそう。
 現在の西武多摩川線・競艇場前駅も、大正8年に開業した、砂利の運搬用の駅「常久駅(つねひさえき)」なのだとか。

 かつての府中の市街地には、国鉄「下河原線(しもがわらせん)」という路線が通っていました。
https://www.youtube.com/watch?v=2Rvy9h73xho
   下河原線

 下河原線の起源は「東京砂利鉄道」で、一直線に延びる下河原緑道は、廃線となった線路の跡地をおよそ7kmにわたって整備した、府中の歴史を伝える散策路なのです。


 あっ、多摩川での砂利採掘といえば、私も子どもの頃、自宅の近くに通っていた五日市街道を、荷台から水をしたたらせながら、砂利をいっぱいに積んだダンプカーがびゅんびゅん走っているのをよく目にしたものでした。
https://www.youtube.com/watch?v=CysSVzNUFdA

(この項終わり)
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